犬なら「ワンワン」、猫は「ニャーニャー」のように、動物の鳴き声を表す擬音。同じ動物でも海外と日本で、鳴き声の表し方はかなり違います。リアルだったり不思議だったり、国によって擬音が大きく異なるのは面白いですね。日本と違う海外の動物の鳴き声10種類のご紹介です。
1.犬
日本では「ワンワン」が一般的です。小型犬・子犬などは「キャンキャン」とも表します。
・英語
bow wow(バウ ワウ)
arf arf(アーフ アーフ)
woof woof (ウーフ ウーフ)
ruff ruff(ラフ ラフ)
・フランス語
ouah ouah(ウァオア ウァオア)
・タイ語
hoang hoang(フォン フォン)
上記の3つの国は、犬の鳴き声をより正確に表そうとしている感じを受けるでしょう。特に英語は、犬の大きさ・感情によって鳴き声を使い分けています。鳴き声の種類が多いのはこのためです。
日本の表現に近い鳴き声としては中国の「wang wang(ワン ワン)」、ドイツ語の「wau wau(ワウ ワウ)」などがあります。
2.猫
「ニャーニャー」「ミャーミャー」の擬音で表されることの多い猫。日本人にとっては「これ以外に思いつかない」と感じるほど、しっくりくる鳴き声ではないでしょうか。
・英語
meow(ミャオウ)
・ベトナム語
meo meo(メオ メオ)
・韓国語
(n)ya-ong(ヤング)
日本語の鳴き声に慣れているので、「そんな風に聞こえるかな?」と疑問に感じるかもしれません。しかしよく猫の鳴き声を聞くと、年齢・感情によってさまざまな鳴き方をすることに気付きます。英語・ベトナム語・韓国語の擬音は、猫の鳴き声の抑揚にも着目したもののようです。
3.ねずみ
こちらも「チューチュー」以外思い当たらない方が多いでしょう。
・英語
squeak(スクゥイーク)
・中国語
zi zi(ジージー)
・ドイツ語
quiek(クヴィーク)
国によってねずみの品種が違うのでは、と思ってしまうほど日本とは擬音が違います。実際のねずみの鳴き声を聞くと、とても高い音で「キーキー」「チーチー」という音にも聞こえます。
小さくて高い音で「squeak(スクゥイーク)」「zi zi(ジージー)」「 quiek(クヴィーク)」と言ってみると、意外と本物に近いと感じるかもしれません。
4.にわとり
にわとりと言えば「コケコッコー」が日本では定番の鳴き声です。
・英語
cock-a-doodle-doo(クックドゥードゥルドゥー)
・トルコ語
gut-gut-gudak(グッグッグダック)
・タイ語
gook gook(グークゥグークゥ)
英語に関しては「コケコッコー」とは全く違いますが、勢いのある鳴き声がよく表されています。一方、トルコ語・タイ語の表現はさほど勢いがありません。にわとりが静かに過ごしているときの「コッコッコ」という擬音と同じ感じでしょうか。
5.カエル
「ケロケロ」「ゲロゲロ」「クワックワッ」「ゲゲゲゲ」など、カエルの鳴き声は種類が豊富です。童謡「かえるの合唱(作詞:岡本敏明、作曲:ドイツ民謡)」は誰しも歌ったことがあるのではないでしょうか。この歌詞にもカエルの鳴き声が複数出てきます。歌詞は以下のとおりです。
かえるのうたが
きこえてくるよ
クヮ クヮ クヮ クヮ
ケケケケ ケケケケ
(ケロケロケロケロ・ゲゲゲゲゲゲゲゲ・ゲロゲロゲロゲロなど)
クヮクヮクヮ
・英語
ribbit(リビット)
croak(クローク)
・ギリシャ語
brekekekex koax koax(ブレーケケックス コア コア)
・タイ語
ob ob (オブ オブ)
上記3国の鳴き声は特に日本と異なります。ギリシャ語・タイ語は、大きなカエルがイメージされる擬音ですね。
6.ライオン
日本人に「ライオンの鳴き声をやってみて」と頼んだら、ほとんどの人は「ガオー」と言うのではないでしょうか。では海外で同じことを尋ねたら、なんと返ってくるのでしょう。
・英語
roar(ロア)
・ドイツ語
brüllen(ブレン)
・スペイン語
grgrgrrr(グルグルグルー)
日本の「ガオー」はライオンの怖さ・迫力をよく表しています。発音の仕方もありますが、一方で海外の鳴き声は荘厳な美しさ・風格ある佇まいが伝わってくるような鳴き声です。
7.豚
子どもにも覚えやすい「ブーブー」という鳴き声。「ワンワン」「ニャーニャー」と同じくらい、幼児語として使われています。
・英語
oink oink(オインク オインク)
・中国語
hu-lu hu-lu(ハール ハール)
・ノルウェー語
nøff-nøff(ノフ ノフ)
鼻を鳴らす濁音が特徴的な豚の鳴き声。中国語・ノルウェー語は鼻息の荒さがよく表れた擬音です。英語「oink oink(オインク オインク)」は、高音で言ってみると子豚の鳴き声に近く感じられます。
8.象
象の鳴き声と言えば「パオーン」。のんびり屋で優しいイメージの象ですが、縄張りと仲間を守るためなら肉食動物・人間とも体を張ってたたかいます。威嚇をする際に、低音で「グゥオオ……」と恐ろしく唸ることも。
・英語
pawoo(パウー)
baraaaah(バラァー)
・タイ語
pran pran (プラン プラン)
・ドイツ語
troro(トグゥアフォ)
象の鳴き声はバリエーションが豊富。親愛・警告・呼びかけなどコミュニケーションが豊かなぶん、さまざまな鳴き方をします。国によって擬音が違うのは当然かもしれません。
9.馬
鳴き声は「ヒヒーン」、走る音は「パカパカ」。これが日本でいうところの馬の代表的な擬音です。
・英語
neigh(ネーイ)
・ドイツ語
hühühühü(ヒュヒュヒュヒュー)
・フランス語
hiiii hiiiii (イィィィ イィィィィィ)
「neigh(ネーイ)」は日本の「ヒヒーン」と近からず遠からずな印象です。日本の感覚だと、どちらかといえばヤギの鳴き声に近いかもしれません。「hühühühü(ヒュヒュヒュヒュー)」「hiiii hiiiii (イィィィ イィィィィィ)」は馬のいななく様子、息を漏らして鳴く感じが伝わってきます。
10.あひる
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「ガーガー」「グワッグワッ」が、あひるの鳴き声として思い浮かびます。
・英語
quack quack(クワックワッ)
・トルコ語
vak vak(ヴァク ヴァク)
・フランス語
coin coin(クワン クワン)
トルコ語・フランス語はカタカナで表記をすると、日本とは違う鳴き声に感じます。実際に声に出してみると「あひるらしさ」のある擬音語ばかりです。
色々な感じ方・見方を知るきっかけに
未知のものに多く触れ、知識を広げることは好奇心を育ててくれます。発音・文字の形・文法などが日本語と違う外国語を知ることで、「日本以外の国のもの見方・感じ方」に目を向けるきっかけにもなるでしょう。
ご紹介した動物の鳴き声だけをとってみても、日本と外国では表現が大きく違います。世界の動物の鳴き声を親子で真似てみて、感想を話し合ってみましょう。「自分にはそう聞こえないけれど、こんな風に聞こえる人もたくさんいる」「英語の鳴き声のほうが、本物に似ている」など、感じ方はそれぞれ。自分と異なる考え方を認め、受け入れられる柔軟さも育てられそうですね。