筆者の長女は、幼稚園の年長児のときに公文で英語学習をはじめ、2年ほど通い続けています。多くの英語教室がある中で、なぜ公文式を選んだのかという理由と、実体験から考える公文式英語のメリット・デメリットをご紹介します。
公文式の英語学習とは
算数のイメージが強い公文式ですが、英語や国語も習うことができます。英語ではE-Pencilという専用のリスニング機器を使い、テキストの音声を聞きながら教材に取り組みます。
教材のレベルは28段階まで細かく分かれており、身近な英単語を復唱するところから、エッセイや演説などの長文を読めるレベルまで幅広くカバーしています。
公文式英語学習のメリット
インプットの量が多い
インプットとは語学習得に関する用語で、単語や文法など、外国語の知識を頭に入力することを意味します。一方で、アウトプットは会話練習など、得た知識を実際に使ってみることを指します。
インプット・アウトプット、どちらも語学習得には大切ですが、インプットは地道で時間がかかるものです。小さなときからコツコツと続けていれば、大きな負担を感じずに知識を増やしていくことができます。
公文式は「聞く」「読む」「書く」というインプットに特化し、大量のテキストをこなしていくスタイルのため、十分なインプットが期待できます。
家から教室が近く通いやすい
習い事を長く続けるために、通うための障壁が少ないにこしたことはありません。「通う手間がかからない」というのは、親にとっても子どもにとっても、大きなメリットです。
公文は全国に1万6千教室以上あり、住宅街で開設されていることも多いという特徴があります。長女が通っている教室も、わが家から徒歩5分のところにあります。
同じ教室に通う近所のお友だちも多く、長女は習い事に通うというよりは、学童保育に行くような気軽な気持ちで通っているようです。
自分のペースで進められる
筆者の長女は、年長児のときに幼児向けの英語教材からスタートして、2年たった現在は小学6年生レベルのものを使っています。
一方で、1年前にはじめた公文式の算数で使っているのは、学年相応の教材です。得手不得手や適性に合わせて、教材のレベルを柔軟に調整できるのは、公文式の大きなメリットだといえるでしょう。
週2回教室へ通える
語学学習は、日々の繰り返しが大切だといわれています。週1回、英語のグループレッスンに通うだけという場合と比べると、自主学習のペースも作りやすく、英語力の定着にもつながりやすいと考えています。
公文式英語のデメリット
会話の練習は別途必要
ネイティブと実際に会話するわけではないため、英語を話す度胸やフリートークのリズム感などを養うには、別の機会を設ける必要があるでしょう。
ただ、筆者個人としては、英語を実際に話す訓練はもっと大きくなってからでも問題ないと考えています。
筆者自身も公文式ではないものの、中学生のころ、英会話テキストをひたすら丸暗記するという塾に通って英語を学びました。ネイティブとの会話練習をはじめたのは高校生になってからでしたが、それまでに学んだ英語を使える喜びが大きく、アウトプットの訓練も苦にはなりませんでした。
子どもが「習った英語を使ってみたい」と自分で言うようになったら、英会話を中心としたスクールやオンライン英会話を検討するつもりです。
子どもが飽きる可能性がある
しかし公文式の英語は、教材と向かい合いながら進める自学自習スタイルのため、その学習方法自体に飽きてしまうと、続けるのが難しくなります。また、地道に反復練習を繰り返す公文式学習法が、そもそも合わないという子も多いでしょう。
公文式の英語は「1人で黙々と学ぶ」という学習法のため、自分のペースで勉強を進めるのが好きな子や、グループ学習は苦手という子におすすめです。
2年間公文式英語を学んだ長女の実力は?
公文以外で英語に触れることはほとんどありません。あくまでもテキスト学習なので、習ったセンテンスを英会話の中で使いこなせるのかというと、おそらく難しいと思います。
ただ頭の中には残っているようで、ディズニー映画などを英語で観ているときは、聞き取れるセンテンスや単語を口にして教えてくれます。英語圏のお友だちと会ったときは、知っている英単語や簡単なセンテンスを使ってコミュニケーションをはかろうとしますし、英語の発音も、問題なくネイティブに伝わるレベルです。
筆者の長女には、今のところ公文式の英語学習が合っているようです。会話が上手にできるようになるためには、また別の練習が必要だとは思いますが、英語学習が習慣化したこと、「英語は得意で好き」という意識づけができていることもあり、親としては公文式で良かったと満足しています。
「インプット重視」なら公文式もおすすめ!
インプットを増やすために、英語圏で生活をしたり、インターナショナルスクールに通わせたりできるのなら良いのですが、経済的な理由や距離、かかる時間など現実的には難しいことも多いでしょう。でも公文であれば、教室は身近にありますし、毎日少しずつとはいえ確実に知識を増やしていくことができます。
インプットに重点を置きたいと考える方には、公文式の英語学習もひとつの手法としておすすめですよ。