認証保育所とは、「行政が運営する安心感」と「民間の柔軟なサービス内容」を兼ね備えた東京都独自の制度。国や自治体の運営する認可保育園だけでは対応できない、保育ニーズに応える新タイプの保育所です。認証保育所の概要・料金体系について、ご紹介します。
認証保育所とは?
「0歳から預けたい」「変動する出勤・退勤時間に合わせて預けたい」「勤務先・自宅の最寄り駅近くの施設が良い」「民間運営の柔軟な対応と行政運営の安心感どちらも捨てがたい」などの声に応える、新しいスタイルの保育所です。
認証保育所は民間企業を含む、さまざまな事業者が運営に関わります。企業・NPO・個人が保育サービスに参入することで、「顧客の満足を追求する経営感覚」を取り入れることになり、よりきめ細かく質の高い保育の提供につながるのです。
設置には、東京都の認証が必要。保育の実施主体である区市町村と都が指導・監督することで、適切な保育基準を守ります。
上限設定ありで安心。認証保育所の料金
認証保育所は、料金設定に上限があります。東京都認証保育所事業実施要綱4の定めるところにより、月220時間以下の利用を条件に、3歳未満児の場合80,000円、3歳以上児77,000円を超えない設定となっています。これは、消費税・給食・おやつ・教材費、光熱水費等が含まれた保育料です。
上限内であれば、自由に価格設定を行える認証保育所。民間企業などが運営することで、自由競争が行われ、サービス向上が進むのもこの制度の特徴です。
認証保育所の概要と認可保育園との違い
認可保育園と同等の施設・職員基準を持つ認証保育所の違いを比べてみましょう。
【運営】
認可保育園:国・自治体
認証保育所:民間企業・NPO・個人
【対象児童】
認可保育園:0歳~就学前の児童
認証保育所:A型 0~5歳・B型 0~2歳
【条件】
認可保育園:施設のある場所に在住・在勤・在学していること。就労・疾病等による保護者の都合により、日中保育にかける場合、利用が可能です。
認証保育所:居住・勤務・通学地域に関わらず、保育が必要とされる場合に利用できます。
【保育料】
認可保育園:所得税額により設定されます。
認証保育所:上限設定範囲内で料金設定は自由。月220時間以下の保育の場合、上限は3歳未満児が月額80,000円、3歳以上児が77,000円です。区ごとに一部助成金があります。
【定員】
認可保育園:最低定員は20名~。自治体により異なります。
認証保育所:A型 20~120名・B型 6~29名
【保育時間】
認可保育園:1日8~11時間
認証保育所:1日基本13時間
【早朝・延長保育】
認可保育園:自治体が設定。早朝午前7時~、延長午後8時までの施設が多いです。
認証保育所:施設によって自由に設定されています。延長保育を午後10時まで行う施設もあります。
【申し込み期間】
認可保育園:申し込みは各自治体あてに行います。4月入園を希望の場合は、前年10~12月に申し込み。途中入園については随時、自治体に相談します。
認証保育所:申し込みは施設に直接行います。入所時期は園と相談して決めることも可能です。
【職員・スタッフ】
認可保育園: 保育士資格を有する常勤職員の配置が、0歳児3人につき1人、1歳・2歳児6人につき1人、3歳児20人につき1人、4歳以上児は30人につき1人必要となります。
認証保育所:職員の配置は認可保育園と同様。ただし、保育士資格を有する常勤職員が6割以上いることが必須です。
どちらを選ぶ?A型とB型
B型は0~2歳までの子どもを預かる、小規模で家庭的な保育所。定員数が少ないので、先生との距離が親子ともに近いのが特徴です。体調を崩しやすい乳幼児を、安心して預けたいパパママに選ばれています。
A型・B型の違いは以下のとおりです。
【対象年齢】
A型:0~5歳
B型:0~2歳
【預かる人数】
A型:20~120名
B型:6~29名
【面積】
A型:0、1歳児1人に対して3.3平方メートル
B型:0、1歳児1人に対して2.5平方メートル
【屋外遊技場】
A型:設置が必要
B型:特に規定なし
早めのリサーチで子どもに合った認証保育所を選ぼう
英語・早期学習・スポーツなどのカリキュラムを充実させた園、午後8時以降の延長保育を行う園、オーガニック給食の園など、保育所ごとに「売り」はさまざま。子どもの性格・特性に合った施設を選ぶのはもちろん、パパママが働きやすい保育サービス・納得できる、料金設定の園を選びたいところでしょう。
じっくり施設を吟味して最適な園を選ぶなら、入園希望時期の1年以上前から、園探しするのがおすすめです。保育所の見学会・イベント等に参加し、園の雰囲気・先生の様子・施設の充実度を実際に確かめてみてください。