お子さまの幼少期は、将来のためにお金を蓄える「貯め期」といわれる大切なとき。貯め期を活かしつつ、幼児期ならではの習い事などお子さまの教育にも後悔しないお金の使い方をご紹介します。「2年で350万貯めた あきのズボラ家計管理」著者による連載、第17回目です。
幼少期の「貯め期」とは?
1度目は結婚してからお子さまが生まれるまで。次に、お子さまが幼稚園や保育園に入園するまでと小学校低学年まで。最後にお子さまの大学卒業後の3回です。
幼稚園や保育園の在園中を「貯め期」に含める考え方もありますが、私の考えでは在園中は含みません。実際にたくさんの方の家計を見てきた経験から、幼稚園や保育園の保育料負担が家計を圧迫している方が多くみられるからです。そのような家計の方が小学校(公立)に入学すると、一気に家計がラクになるというケースがよくあります。
しかし、きたる幼児教育無償化により、これからは保育園や幼稚園の在園中も、疑いの余地なく「貯め期」になるといえるでしょう。
本来なら一番お金が貯めやすい「貯め期」は、気づかずに逃してしまうと、将来的な大学費用などの教育費や老後資金に深刻な影響をもたらすことも。とはいえ、「貯め期」だからといってお子さまの教育など、かけたいところにお金がかけられないのはもったいないですよね。
幼少期の「貯め期」はバランスが肝心!
音楽系、運動系、英会話など、ならいごとがどれも魅力的に感じられて、どこまでお金を使っていいのか悩んでしまいますよね。何でも際限なく好きなだけ取り組ませてあげることができれば理想的ですが、そのために将来の資金が足りなくなるのは困ります。
そこで、「貯め期」だからこそ、「使うところは使うけれど、貯蓄もしっかり行う」という「使う」と「貯める」のバランスのとり方が重要なのです。
「教育費」と「貯め期」のバランスのとり方とは?
例えば年間100万円以上の貯蓄は確保した上で、残りは教育費などに使うなどと全体的な資金計画を立てると安心してお金を使うことができます。そのためにオススメしたいのは以下の4点です。
1)数を決める
ならいごとをはじめるなら、欲張りすぎずに1つか2つまでなど数を絞るという方法も有効です。教育のためのイベントなら、年に何回まで、月に何回までと決めるという方法もよいでしょう。
あまり増やしすぎるとお金の負担だけでなく、子どもにも大きな負担になるものです。数を絞ることは、過剰な費用を抑えつつ、お子さまが集中して学べる環境作りと考えましょう。
2)定額にする
教育にかけるお金は月におおよそ3万円までなど、だいたいの金額を決めてしまうという方法も有効です。
時には今月だけは高くなってしまうというようなこともありますが、平均して考えるとだいたいこれくらいという金額を維持することで、教育費が必要以上に増えすぎないようにすることができます。
3)1つはじめたら1つやめる
ひと月にかける目安を決めたら、ならいごとなどを1つ追加したら、代わりに何かをやめるなど、全体の調整を行いましょう。
教育費で心配なのは、際限なく費用が増え続けてしまうこと。いつの間にか将来の教育費さえままならないという危険な家計に陥ってしまわないよう、お子さんが小さいうちから「かけるところにはかけるけれど、無駄に増やさない」ことをこころがけるようにしてみてはいかがでしょうか。
4)兄弟間のバランスをとる
例えば上の子が小学校入学と同時にならいごとを1つやめるとしたら、そのタイミングで下の子がならいごとをはじめるなど、兄弟間でならいごとの時期をうまくずらすことも有効です。
子ども3人の我が家の場合
塾の費用は際限なくかかってしまうため、それほど苦手ではない科目は問題集を購入して週末に「パパママ塾」を開講するなど、全体の調整を行うように気をつけています。今のところ勉強面で塾に通う子と比べて大きな遅れも出ていませんし、習うと決めたならいごとでは成果を出すこともできています。
また、現在の状況ではだいたい月に必要な金額はこれくらいという概算をだし、これ以上はかけないというラインを決めています。
親子でやると決めたならいごとには惜しみなくお金を出し、その他のものは幅広く広げすぎないようにしてバランスを取ることで、貯蓄も無理なく行っていますよ。
良い教育はお金をかけなければできない訳ではない
塾に入れたことで安心してしまい、思うように成績が伸びず中学受験に失敗……なんて話もよく聞きます。高いお金を支払って教育している「つもり」になっても、結果が出なければ親子ともどもガッカリしてしまいますね。
公園に一緒に出かけ、一緒に草花の名前を調べることも立派な教育です。知育玩具なども、ときには一緒に手作りしてみると思い入れが深まるかもしれません。
一方ではお金をかけて行う教育を楽しみつつ、もう一方ではいかにお金をかけずに教育ができるかを工夫することで、より子どもや家庭に合った、身につく方法が見つかる場合もあります。お金で簡単に手に入れてしまうより、「じゃあこれだけは買って、これはこうしてみよう」と親子で考えることも、大切な勉強です。
貯め期でも教育費を使える家計を目指そう!
幼少期の「貯め期」にまったく貯められない家計というのは考えものですが、お子さまのためにやりたいことができないのも残念ですよね。
ぜひ、上手にバランスをとって、将来のために確実に貯蓄しつつ、成長期の今しかできない経験に心おきなく必要な費用が割けるよう、準備していきましょう!