絵本の中のキツネといえば、「だます動物」という印象を抱く方も多いのではないでしょうか。しかし同じ「だます」でも、滑稽なお話もあれば悲しいお話もあります。ここでは、キツネが「だます」絵本を5選ご紹介します。お子さま好みの1冊を見つけてみてくださいね。
「悪事をはたらくと痛い目をみる」ことが伝わるお話
著者 :いもとようこ(文・絵)
出版社 :金の星社
きつねとくまは畑で野菜を作ることにしました。きつねは、とれた野菜を半分ずつ分けることを提案します。その内容は「くまは土から上にできたもの、きつねは土から下にできたものをもらう」というものでした。
しかし、できた野菜は「さつまいも」。これではくまは上の葉っぱの部分しかもらえません。そのあとも、くまに不利な提案を繰り返すきつね。ついに怒ったくまがとった行動とは……?
ストレートなストーリーで、「悪いことをすると痛い目を見る」ということがお子さまにも伝わりやすいのではないでしょうか。
お友達に意地悪をしてしまった経験は、誰しも一度はあるでしょう。そんなとき「意地悪してはダメ」といくら口で言っても伝わりにくいもの。しかし絵本を通してなら、心に響きやすいかもしれませんね。
親子で感想を話し合いたくなる絵本
著者 :新美南吉(作)、 黒井健(絵)
出版社 :偕成社
いたずらばかりして村の人を困らせるごんぎつね。ある日ごんは、ほんのいたずら心から兵十が病気の母親のためにとったうなぎを逃がしてしまいます。
しかしその後、兵十の母親は亡くなってしまいました。それを知り反省したごんは、その日から兵十にくりやまつたけなどを届けるように。しかし兵十は、これを神様のしわざだと思い込みます。そしてある日、事件が起こってしまうのです……。
だれも幸せにならない悲しい結末。もとはといえばきつねが自分でまいた種なのですが、なんとも後味の悪い終わり方です。
しかし、だからこそ考えさせられることも多いでしょう。ぜひ読み終えたあとに、お子さまと感想を話し合ってみてください。また新たな発見があるかもしれません。
少し長い絵本に挑戦させたいときに
著者 :ビアトリクス・ポター(作・絵)、 石井 桃子(訳)
出版社 :福音館書店
ピーターラビットシリーズのなかでも、キツネは「嫌われ者」として登場します。この絵本にはキツネと嫌われ者の座を争う「あなぐま」も登場。ふたりの攻防戦は見ものです。ハラハラドキドキしながら、ストーリーに没頭できるでしょう。
少し長いお話なので、幼稚園のお子さまにはパパママが読んであげてください。本格的なストーリーの本に挑戦させてみたい方におすすめです。ほかのピーターラビットシリーズもあわせて読むと、さらに楽しめるでしょう。
小さなお子さまにおすすめ
著者 :ビアンキ(作) 山田 三郎(絵)内田 莉莎子(訳)
出版社 :福音館書店
迫力あるイラストと短くわかりやすい言葉で構成されており、小さなお子さまでも楽しめそう。ネズミを食べようとするキツネと、逃げるネズミ。その攻防戦の行方は一体……。気になる方は、ぜひ絵本を手に取ってみてください。
短いながら、ワクワクするストーリー
著者 :松谷 みよ子(ぶん)、ひらやま えいぞう(え)
出版社 :童心社
絵本の世界のなかでは、キツネとともに「化ける動物」として登場することが多い「タヌキ」。この絵本は、そんなタヌキとキツネの化かしあいのお話です。
日本の昔話のひとつ「きつねとたぬきのばけくらべ」を、赤ちゃん向けにアレンジしてあります。文章が短くわかりやすいので、絵本を読みなれないお子さまでも楽しめるでしょう。
短いストーリーながら起承転結がはっきりとしており、ワクワクしながら読み進めることができそう。絵本の楽しさに目覚めるきっかけになるかもしれません。
絵本を楽しみながらしつけ&知育に役立てて
お子さまに伝えたいメッセージなどを考慮しつつ絵本を選ぶと、教育的効果も期待できるはず。親子で絵本を楽しみつつ、しつけや知育などにも上手に利用してみてくださいね。