前回の出産編(3)では、無痛分娩で麻酔を打ったはいいものの、微弱陣痛でお産が長引いて胎児の心拍も落ちはじめ、まさかの帝王切開に……!?という事態までをお伝えしました。今回の出産編(4)は、その続きです。さて、無事に出産はできるのでしょうか!?
ドクターと担当ミッドワイフ(助産師)のリサさんが、何度も話し合った結果、赤ちゃんの安全を優先するため、帝王切開(英語で【シザリアン】といいます)の可能性も視野に入れて、あともう少しだけ様子見ということになりました。
そして、もし「帝王切開」となった場合に備えて、こんな指示が……。
この日は、ベビーラッシュだったらしく、病院は人手が不足していたようでした。状況を見ながら、何度も話し合うドクターとミッドワイフ。
私と夫は、出産方法の希望が通るよりも「子どもの安全が最優先」と決めていたので、身を任せるのみ……。
話し合いの中で聞こえてきた言葉で「シアター」という意味が分からなかった私。
シアターは英語で観劇するような場所ということは知っていたのですが、病院で何か見るわけないよね?と疑問に思い、夫に聞いてみたところ、
なんと!子宮口の大きさが全開になっていました。
ドクターとミッドワイフが、このまま経腟分娩でいこう!と決定。いきみはじめてOK!とサインを出してくださったときには、ホッとしました。
ここでドクターは退出。ミッドワイフさんと私たち夫婦の3人で、出産へのラストスパートがはじまりました!
どうやらエピデュラルが効き過ぎているらしく、いきもうと両足を曲げて踏ん張りたかったのに、左足がダラーンと無気力状態で全く動かせないんです!
まるで足がマグロになってしまったかのような気持ち。ドドーンと重たい塊がそこにある..….。でも、産まないわけにはいかないので、夫が足を支えてくれて、何とかポジションを確保!
ミッドワイフさんがモニターで陣痛の波をチェック&合図をくれるのに合わせて、とにかく必死にいきむ、を何度も繰り返しました。
チラッと夫に目をやると……
さらに頑張ってみるものの、あれれ……?なかなか出てこない……。ということで、鉗子の手伝いも借りて、
ついに!
待望の第一子が、誕生しました!!!
赤ちゃんは、産湯はせずに、ささっと羊水や血液などを拭いてもらった状態(清拭)で、ミッドワイフのリサさんが、へその緒がついたままの赤ちゃんをすぐにベッドまで連れて来てくれました。
「さぁ!誰がへその緒を切りたい?」
ミッドワイフさんの問いかけに、とっさに拒否した夫の顔は、今でも忘れません(笑)!
長い長いお産となりましたが、やっとこの世に生まれて来てくれました。
ここまで【英国すくすくレポ】の「妊娠・出産編」を読んでいただきまして、ありがとうございました。メインの妊娠・出産エピソードはこれで終わりです。出産編の番外編として、出産直後、娘がNICUへお世話になったときの話を予定しています。ぜひ読んでみてくださいね!
……ですが!
【英国すくすくレポ】は、これからもまだまだ続きますので、今後も引き続きどうぞよろしくお願いいたします!イギリスでの育児・生活エピソードをテーマに、引き続きイラストエッセイでお届けします。