古くから伝わる慣用句やことわざは、日本の風習やことばの美しさを教えてくれるものです。冬になったら、寒い季節ならではのことわざを使ってみましょう。ことわざの面白みは、子どもの知的好奇心を刺激してくれます。パパママが率先して教えてあげてください。
春の温かさを意識!「冬来たりなば春遠からじ」
「冬来たりなば春遠からじ」は、「冬が来たなら、春もそう遠くない」という意味の言葉です。
つらく寒い冬の時期が到来したなら、暖かな春もそう遠くないというこの言葉。「つらい時期を耐えることで、いつか温かく幸せな日々がやってくる」ということを表しています。
春になるのが待ちきれない様子のお子さまには、ぜひこのことわざを教えてあげてください。
これって本当?「冬の雨は三日降らず」
しかし、そもそも冬には雨が降らない地域もあります。東北などの寒い地域だと、冬の雨は雪になるためです。つまりこのことわざが該当するのは、冬に雨が降る地域だけ。
特に関東中部や東海地方では、冬の雨は続かないといわれています。ことわざをきっかけに、お子さまと一緒にお天気観察をしてみるのもいいですね。
こんな人を目指したい「柳に雪折れなし」
ここから転じて生まれたのが「柳に雪折れなし」。柔らかさを持った人は、硬い人よりもかえって芯が強く折れにくいということを意味することわざとなりました。
まだまだ油断できない!「冬至冬中冬始め」
しかし冬の真ん中を過ぎたからといって、寒さがやわらぐわけではありません。1月2月と寒さが続くため、しっかり冬対策をする必要があります。
「冬至冬中冬始め(とうじふゆなかふゆはじめ)」はこうした冬の戒めの言葉です。雪や厳しい寒さといった冬の怖さは、冬至が過ぎてからやってきます。
お出かけ前の防寒対策や、手洗いうがいを促すときにさりげなく「冬至冬中冬始めだからね」などと使ってみてはいかがでしょうか?
早めに食べよう「冬至かぼちゃに年とらせるな」
しかし、長期保存が可能なかぼちゃも、冬至を超えるとだんだん傷みが出てきます。「冬至かぼちゃに年とらせるな」とは、かぼちゃが数えで年をとる前、つまり年内までに食べきってしまいましょう、という意味です。
かぼちゃは風邪やしもやけの予防にも効果的と言われています。「栄養のあるうちにたくさん食べてあげようね」などと声をかけつつ、「冬至冬中冬始め」とも絡めてお話してみましょう。
冬の俳句や物語もおすすめ!
冬の夜は、子どもと一緒に冬ならではの言葉に触れてみてはいかがでしょうか。図書館で冬の本を借りて、読み聞かせをしてあげるのもおすすめです。