栄養価が高いピーマンは、子どもに食べてもらいたい緑黄色野菜のひとつ。しかし、ピーマンの味・食感・香りが苦手という子どもが多いのも事実です。そんな嫌われ者のピーマンでも、調理方法次第で苦手意識は克服できるもの。おいしいレシピでピーマン嫌いを治しましょう。
ピーマン嫌いはなぜ起こる
苦い味
大人と比べて3倍も敏感とされる子どもの味覚。ピーマンの苦味を強く感じるのは仕方がないことかもしれません。「苦いもの=毒」と瞬時に察知する防御反応とも言えるでしょう。
ピーマンの苦味の正体はクエルシトリンというポリフェノールの一種。抗炎症作用・整腸作用・血行促進作用などもある成分です。
独特の香り
色
「緑=苦い」というイメージもあり、ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなどの緑の野菜全般を苦手とする子どももいるようです。
克服するコツ、食べられるようになる工夫
「ピーマンの苦味・香りを抑える」+「ピーマンがいかに体に良いかをパパママが教える」ことで苦手意識を克服しましょう。
繊維に沿って縦切りに
ピーマンの繊維と細胞は、ヘタから底部に向かって縦向きに入っています。つまり、細胞が壊れにくく、クエルシトリンとピラジンの流出が抑えられる切り方は、繊維に沿って縦切りにすること。
輪切りやみじん切りは、苦味と香りを楽しみたい場合におすすめです。
油を使った調理
栄養の効果を具体的に教える
・ビタミンA
抗酸化作用・免疫力アップ
・ビタミンC
抗酸化作用・皮膚や骨の新陳代謝促進
・ビタミンE
強い抗酸化作用・血行促進
・カリウム
代謝機能の正常化
・フラボノイド
抗酸化作用
・食物繊維
整腸作用
子どもにはピーマンを食べることで具体的にどうなるのか伝えます。「骨が元気になって大きくなるよ」「お肌がピカピカになってかわいく(かっこよく)なるよ」など、子どもにわかりやすい言い方、食べたくなるすすめ方を探してみましょう。
苦味の少ない種類のピーマンを選ぶ
普通のピーマンの中でもヘタが六角形のものは苦味が少なめ。通常は五角形のヘタですが、熟して丸みを帯びた六角形のヘタをした実のほうが甘みも強いのです。店頭で探してみてはいかがでしょうか。
ご飯がすすむ「ピーマンのじゃこ炒め」
・ピーマン(中) 5~6個
・鰹節 1パック
・じゃこ 1つかみ
・醤油 大さじ1
・みりん 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・ごま 大さじ1
・ごま油 大さじ1
【作り方】
1.醤油・みりん・砂糖を混ぜておきます。
2.ピーマンは5mm幅で縦切りに。
3.フライパンにごま油を入れて熱し、ピーマンをしんなりするまで炒めます。
4.1を入れて良くからませ、水分を飛ばしましょう。
5.じゃこ・ごま入れて軽く炒めます。
6.火を止めて鰹節をさっとからめて完成。
そのまま食べるのはもちろん、ふりかけ・おにぎりにもおすすめです。
ピーマン嫌いも納得「うま味たっぷりミネストローネ」
・ピーマン(中) 3個
・玉ねぎ 1個
・人参 1本
・じゃがいも 2個
・ズッキーニ 1本
・トマト缶(カット) 1缶
・にんにく 1かけ
・オリーブ油 大さじ2
・コンソメキューブ 2個
・塩・こしょう 少々
・水 200cc
【作り方】
1.野菜は全て1cm角に切ります。
2.にんにくをみじん切りにして、オリーブ油を入れたフライパンで香りが立つまで炒めてください。
3.1を入れてじっくり炒めます。(中火で10分くらい)
4.トマト缶と水200ccを入れて弱火で15分、あくを取りながら煮込みましょう。
5.コンソメキューブを入れて溶かします。味が薄いようであれば塩・こしょうで味を調えて完成です。
油でじっくり炒めることでピーマンの苦味・香りがほとんどなくなり、甘みが増します。チーズをのせる、煮詰めてパスタソースにする、ひき肉を入れてカレーにするなど応用もできるスープです。
食べられなくても食卓に出すことが大切
子どもの感情・顔色に惑わされず、本当に子どもにとって良いことを見すえ、教育していく姿勢が大切です。
少しだけでも食べられたら、パパママで喜び大いに褒めましょう。嫌いなものを克服できたことは、子どもにとって大きな達成感になります。