2016年05月25日 公開

コーディネーショントレーニング実践方法 子どもの運動能力を伸ばそう!

子どもの遊び方が変わってきたことが原因で運動能力の低さ、体力不足が心配されるようになった近年。特に幼児期には運動能力が知能の発達にも影響があるといわれ、運動能力を伸ばすことのできるコーディネーショントレーニングに注目が集まっています。コーディネーショントレーニングの解説や理論と共に、家で親子で楽しみながら取り組める実践方法について紹介します。

子どもの遊び方が変わってきたことが原因で運動能力の低さ、体力不足が心配されるようになった近年。特に幼児期には運動能力が知能の発達にも影響があるといわれ、運動能力を伸ばすことのできるコーディネーショントレーニングに注目が集まっています。コーディネーショントレーニングの解説や理論と共に、家で親子で楽しみながら取り組める実践方法について紹介します。

コーディネーショントレーニングとは?

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目や耳などの感覚器から入ってきた情報を上手に脳が処理をし、筋肉など体の各部分へ適切に指令を出す神経回路のことを運動神経といいます。運動神経は「調整力」、または「コーディネーション能力」とも呼ばれています。
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そして、その能力を養うのが「コーディネーショントレーニング」です。このコーディネーショントレーニングには、7つの能力に分類されます。
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コーディネーショントレーニングの要素

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Benoist / Shutterstock.com
最初から難しいトレーニングを行うのではなく、子ども自身のレベルに合ったメニューからスタートし、ステップアップさせていくのがポイント。特に小さい子どもの場合は、スタート時点でやる気を損なうことにもなりかねないので、気を付けましょう。

1分程度で次々にトレーニングを行うと、体にさまざまな刺激が加わり効果が高まるといわれています。

普段の運動を少し工夫するだけで、コーディネーショントレーニングを実践できます。その際、おさえておきたい要素についてご説明します。

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両側性

前後、左右、上下とバランスよく、右手でできたら左手でも試す、というようにして行います。

複合性

複数の運動を組み合わせます。足の運動に手の運動をプラスします。

対応性

条件を変化させます。具体的には、テニスボールを使ってサッカーの運動を行うなど。

不規則

合図を変えたり、フェイントを加えたりなど意外性のある動作を取り入れます。マンネリ解消にもなります。

変化度

一つの運動ができたら、少しずつ難易度を上げてレベルアップを図ります。

コーディネーショントレーニングに必要な道具

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Purino / Shutterstock.com
コーディネーショントレーニングを行うために、必ずしも道具が必要なわけではありません。しかし、さまざまな運動を行ったり、子どもの興味を持続させたりするには、道具があるといいでしょう。

コーディネーショントレーニングの一般的な道具として、ボールがあげられます。サッカーやテニス、野球などボールの種類や大きさは問いません。キャッチボールなどを通して、ボールを上手に扱う識別能力や、ボールと自分の位置関係を把握する定位能力をはじめ、鍛えられる運動機能が豊富に含まれます。

なわとびフラフープも、コーディネーショントレーニングにお手軽な道具です。全身を使ってリズム能力やバランス能力が鍛えられます。

それ以外に、トランポリンもおすすめです。空中空間で、体、手足を連動させたコントロールが必要となり、定位能力やバランス能力が向上します。トランポリンは体幹を鍛えることもできます。

コーディネーショントレーニングの実践方法(1)

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親子でできるボールバウンドゲーム

1.少し間をあけて親子で向かい合います。その間にフラフープなど輪となるものをおきます。
2.まず親が、輪の中にボールを投げてバウンドさせます。
3.バウンドさせたボールを子どもがキャッチします。
4.今度は、子どもが輪の中にボールをバウンドさせ、親がつかみます。
5.交互に繰り返し、慣れてきたら動きを入れた状態で行います。
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実際にやってみると……。

きちんとフラフープの中にボールをバウンドさせるのが子どもには結構難しいようです。フラフープに当たっちゃうと、ボールがあらぬ方に飛んで行くので、予測不能な動きになることも大きいです。

輪の中にきちんと狙いを定めるのも運動能力の向上になりますが、キャッチすることが目的なら、年齢の低い子はコンクリートに円をチョークで描くとか、土の上に棒で書くとかの方が良いかもしれません。

または、縄跳びやゴム紐を円の形にするのも良さそうです。

コーディネーショントレーニングの実践方法(2)

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親子でキャッチ・プル

1.親子で向かい合い、お互いの片手を軽く握ります。
2.もう一方の手でジャンケンをします。
3.勝った人が素早く手を引き、負けた人が相手の手を握ります。
4.繰り返し行い、慣れてきたら勝った人が手を握り、負けた人が手を引くといったように条件を変えて行います。

さらに応用としては、足でジャンケンを行う方法もあります。

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3歳と5歳の子で実際にやってみました。

3歳だとまだ理解が難しいながら、まずママと手をつないでジャンケンするだけでも楽しい様子。
自分が勝つと手を握れる、とする方がまだわかりやすいようですが、握手してる手を全身で掴まえにきてしまいます。

5歳は理解できて実行できますが、やっぱり考えてから行動に移るまでには多少の時間がかかるので、何度かやってスピードアップを目指していくのも良さそうです。

コーディネーショントレーニングの実践方法(3)

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親子でリアクションジャンケン

1.一人がジャンケンを出します。
2.もう一人が後出しでジャンケンを出します。この時できるだけ早く勝つ手を出せるかがポイントです。
3.慣れてきたら、負けるものを出す、足で行うといった条件に変えて挑戦します。
こちらも実際にやってみると、3歳でもかなり理解しやすいようです。

2のジャンケンにも共通していえますが、大人同士でもかなり楽しいもの。頭からの指令が思うように出なかったり、指令が出ても、違うアクションをしてしまったり、笑いが止まらなくなりました。家族や友人同士で、対戦相手を変えて遊ぶのもよいアクティビティーになりそうです。

バスケやサッカーなどの運動を取り入れた方法

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バスケやサッカーなどの動きを活用して、コーディネーショントレーニングを行うこともできます。

まず、バスケのパス練習を例にあげます。ボールを持っている人に背中を向けて立ち、その人の掛け声と同時に後ろへ振り向き、取りづらい方へパスされたボールを瞬時に判断して、正確にキャッチするといったトレーニングがあります。

サッカーのトレーニングの基礎に、ボールタッチがあります。まず、サッカーボールの上に右足をのせてタッチし、次に左足をのせてタッチするというように、両足を交互に行います。慣れれば、ジャンプするようにリズムよく行います。さらに足でボールタッチすると同時に手をたたくなど、手の運動もプラスしていきます。

また、ドリブルを使ったコーディネーショントレーニングもあります。コーンやマーカーを置いてジグザクに進んでいく基本練習で、両側から同時に進んでいき、相手にぶつからないように重心を移動させるなど工夫しながら行います。コーンやマーカーがなければ、水を入れたペットボトルなど目印になるものがあれば、なんでも構いません。

コーディネーショントレーニングは、バスケやサッカーをはじめ、さまざまなスポーツ競技のスキルアップとしても多く取り入れられています。

コーディネーショントレーニングを行う際のポイント!

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コーディネーショントレーニングのポイントは、短く多種多様なトレーニングを行い、疲労度の高い筋力などのトレーニングは控えめにすることが大切です。

運動神経を刺激し、脳とその働きの連動性・表現力を高めるのがコーディネーショントレーニングの目的です。そのため、体力よりも脳の疲れを感じるような、短く多種多彩な動きを用いたトレーニングを行うことが効果があり、重要となります。

コーディネーション能力の養成教室もある

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Photographee.eu / Shutterstock.com
コーディネーショントレーニングは、家庭でも手軽に行えますが、専門の教室やスクールもあります。養成教室の魅力は、プロの指導者から学べる、定期的に実践できる、豊富な道具が使えることです。

短時間でも効率的に学べ、トレーニングを継続できるのは大きなメリットです。また、大型のトランポリン、跳び箱、鉄棒、さまざまな種類のボールなど、家庭では用意できない道具が揃っています。

他のお子さんと刺激し合うことができ、上達の確認や指導者からアドバイスをもらうこともできます。年齢に合わせてベビーやキッズクラスがあるので、教室へ通うのを検討してみてもいいですね。

コーディネーショントレーニングは魅力的!

コーディネーショントレーニングは、片膝でグラグラする姿勢を安定させ、バランス能力を向上させるトレーニングなど、広いスペースは必要としないものも多いので、気軽に子どもの運動能力を伸ばすことができる点も魅力といえます。

また、二人で行うコーディネーショントレーニングを取り入れれば、親子のコミュニケーションに一役買うことも間違いなしです。兄弟やおじいちゃんおばあちゃんなど親子以外でも、一緒に楽しみながら挑戦できるのでぜひ覚えておいてくださいね。

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この記事のライター