「お兄ちゃんがー!」「〇〇ちゃんがー!」兄弟げんかは仲裁する親も、へとへとに疲れてしまいますよね。どこから親が介入すべきなのか、どうやって仲直りをさせたらいいのか、悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。兄弟げんかの解決の仕方、一緒に考えてみませんか?
兄弟げんかはした方がいい
兄弟がいるけど兄弟げんかを全くしたことがないという人は、ほぼいないのではないでしょうか。特に年齢差が近い兄弟ほど、けんかは多いかもしれませんね。兄弟の年が5~12歳離れている、筆者の友人や夫もやはりある程度の兄弟げんかはしてきたそうです。
友達よりも遠慮なくコミュニケーションが取れる間柄だからこそ、自我のぶつかり合いが起こりやすいのが兄弟です。そのため、兄弟げんかが起こることは当たり前のこと。
むしろ、対人関係を学んでいく上で、兄弟はぴったりの練習相手です。ケガをさせそうになる、収拾がつかなくなるという場合もあり、そんなときは親が止めに入る必要がありますが、少し様子を見ることも大切でしょう。成長するにしたがって、うまく自分の感情を抑えたり、自分たちで仲直りができたりするようになっていくものです。そのためには、幼い頃からむやみやたらに親が抑えつけてしまわないことが大切なのですね。
現場を見ていない限り、思い込みで叱るのは禁物
子どもも人間です。大人と同じように、自分の都合がいいようにけんかの理由を説明することも、幼稚園児程度になればできるものです。
そのため、けんかが発生するまでのやりとりや、発生した原因を親が直接見ていない限りは、どちらか一方を思い込みで叱ることは禁物です。
筆者の息子たちの場合、長男が年中頃から「嘘をつく」ことを覚えました。一方、次男は悪さが過ぎるタイプ。そのため、夫は長男の「〇くんがやった」を信じ、次男を一方的に叱ることが多かったのです。
しかし、筆者が見ていると、どうも長男がそそのかして次男に悪さをやらせているらしいことが判明。また、実は長男が次男に意地悪をした結果のけんかだった、ということも。
それ以来、わが家では「パパママは見ていないからどっちが悪かったのかわからない」という立場で、「どっちが悪い」というジャッジは見ていない限りしないようにしています。
下の子が3歳以下の場合の仲裁法
「〇ちゃんはまだ2歳だから、うまく遊べなかったんだよ」
「〇くん(上の子)も、2歳の頃は上手にできなかったんだよ。〇ちゃんもどんどん上手になるからね」
このときに忘れてはいけないことは、「だからといって下の子を叱らないわけではない」ということ。
「まだ小さいからわからないだろう」と思ってしまいたくなりますが、言葉の意味がわからなくても、「いい」「悪い」の判別は0歳児から言い聞かせておきたいところ。
たとえば、3歳になったとたん、これまで何となく許されてきたことに対して「3歳になったからわかるでしょ。これはダメなの!」と言われても、子どもは混乱してしまうだけ。たとえ理解ができなくても、「お兄ちゃんのおもちゃを勝手にとっちゃダメ」「叩いたらダメ」と言い聞かせ続けましょう。
また、これはそれを聞いている上の子どものためでもあります。「弟・妹だからって何でも許されるのはずるい」という想いを抱かせずに済みますよ。
兄弟とともに親と会話が成り立つ場合
実際に、筆者も毎日疲れ果てるくらいけんかの仲裁にあたっています。時には、母親の筆者が1番大きな声を出してしまうなんてことも。
さて、ではそんな兄弟げんか、どうやって対処をしたらいいのでしょうか。
引きはがして、片方ずつ話を聞く
親と一対一で話せるよう別室や廊下に連れて行き、感情が落ち着くのを待ってからであれば、言い分が聞きやすくなりますよ。とにかく「言いたい!」「聞いてもらいたい!」という気持ちを、まずは受け止めることで、案外すんなり謝れることも多いです。
兄弟げんか勃発の原因を探る
わが家では外食時のメニューで次男がゴネることが多いため、「でも、いつもお兄ちゃんが選んだものが食べたくなってるよ?同じにしたら?」と話しています。それでも譲らないときは本人の意思にまかせるわけですが……。
「どっちがお手伝いをするか」も、わが家ではけんかが起こりやすいきっかけです。これには、「〇〇ちゃんがこれをしてね。それで、こっちは〇〇くんがしてね」と割り振るようにしています。
わが家の場合は、次男に先に振り、長男には「年長さんだから〇〇くんはこれを任そうかな!」と内容に差をつけることで、もめることが少なくなりました。
パパ&ママを例に出す
「大きな声でパパとママがけんかしていたらうれしい?」と尋ねると、ふたりとも「いやだ」と答えます。「でしょ?だから、ふたりがずっとけんかしていたらママもいやなんだよ」と、「母の気持ち」を伝えることも最近は多くなっています。
「絶対にダメ」なルールを破ったときは逃さず叱る
・ものを投げない
・もので叩かない
・顔や頭は絶対に叩かない
・思い切り押さない
叩かない、のが基本ルールではありますが、特に首から上は「絶対にダメ」だと教えておきたいですね。
「ケガをさせる可能性があること」は「絶対ダメ」だと口を酸っぱくして伝え続けましょう。
子どもの話に耳を傾け、毅然とすべきところは毅然と
どうしても仲裁が必要なときは、とにかくそれぞれ本人の言っていることを聞くこと。ただし、それを丸々信じ込まないことが大切でしょう。
片方のちょっかいのせいでもう片方が手を出してしまったときは、「これはいやだったね。だけど叩くのは絶対ダメなんだよ」ということを、ちょっかいをかけた方には「これがいやだったんだって」と両者ともに理由をきちんと説明したいものです。
とはいえ、何を言っても仲直りしてくれないこともあります。そんなときは、「……ねえ、そろそろ仲直りしてくれないと、ママもイライラしてきちゃうんだけど」という正直な思いを伝えることで、丸く収まることも。親も人間ですし、そう毎回うまく仲裁はできませんよね。なるべく感情を消した声で自分のイライラを伝えることがあってもいいのではないでしょうか。