家計を管理していると、妻の小遣いはいくらにしたらいいのかという悩みが発生することがあります。「夫より収入が少ないから」「専業主婦だから」という理由で小遣いは0円?でもその実態は……?「2年で350万貯めた あきのズボラ家計管理」著者による連載、第9回です。
「妻の小遣いはゼロ円」ってホント?
特に専業主婦などで収入のない方だと、「小遣いをもらうのは気が引ける…」と小遣いをもらわない「小遣いゼロ円」で考えるというケースが多々あります。
しかし、この「小遣い0円」が本当に「ゼロ円」なのかは疑問が残るところ!
今回は、「小遣いゼロ円妻」と言いながら、なんだかんだでお金を使ってしまう「妻の隠れ浪費」について見直してみましょう。
「小遣いゼロ円妻」の実態
専業主婦のママも、子どもが小さくて家にいることが多いし、小遣いゼロでも困らない!と考えるかもしれません。
でも、実際は……、小遣いがゼロ円でも、いろいろなところにお金がかかっています。
例えば、お出かけのたびにするメイクのためのコスメ。独身の時よりたくさんは使っていないかもしれませんが、子どもの園の送り迎えでも多少なりともメイクをする方なら、定期的にコスメの購入にお金がかかっています。
それから、毎日のスキンケアに使う基礎化粧品。高価なものではなくても、一切何も使っていないという人のほうがめずらしいのではないでしょうか。
また、美容院や衣服などにもお金がかかっています。夫は1000円カットで済ませてもらうけれど、自分はヘアサロンに出かけて白髪染めまでしてもらう。夫の服は買い替えないが、自分は季節ごとに買い替える。このような方も多いと考えられます。
また、ママ友ランチ会など、子どもを介したお友だちとのおつきあいにお金が必要になることも多いでしょう。
家計簿上は「雑費」や「食費」で計上してしまっている
洋服代などは確かにそれでもいいような気がするかもしれません。が、「妻の小遣い」という費目を用意していないことで、自分ひとりのためのご褒美スイーツなども、ちゃっかり「食費」にのせることになります。その結果、妻が自分のためにいくら使っているのかが、見えなくなってしまうのです。
実際にはいろいろお金を使っていることがわかっていても、「小遣い」としてもらうのは気が引ける。そのため、小遣いをゼロということにしておくと、「使っていないような気分になって安心」という心理が隠れている場合もあります。
この安心感が、実は一番危ないのです。
夫の浪費を嘆く妻
「うちの夫は飲み会が多くて、月末近くになると小遣いが足りなくなったから上乗せでもう少しちょうだい!なんてせがまれることもあるんです。本当に困っています」
そんな相談をされる方が、実は自分の洋服代や交際費の方が夫の小遣いよりもはるかに多くなっていた!というケースも。
夫もそばで見ていて、なぜか知らないうちに妻の洋服や靴が増殖(笑)していることに気づくと、「自分だってなんだかんだで使っているんだから、俺だってちょっと小遣い追加でもらってもいいだろ」なんて意識になりがちです。
夫婦で浪費をしてしまうのですから、お金が貯まりにくい家計になってしまって当然です。
では、適切な「妻の小遣い」って一体いくら?
気をつけなくてはいけないのは、実は使っているのに、「私は小遣いゼロ円なんです」という間違った認識を持ってしまうこと。そんな認識を持つくらいなら、月々の小遣い額を決めたほうがいいのです。
では、「妻の小遣い」はいくらで設定したら良いのでしょうか?
妻の小遣いの適切な金額は、もちろん収入や支出によって変わります。ただ、私のこれまでの相談実績から検討すると、月1~5万円程度の方が多いという印象です。
月1万円程度の方は、化粧品や洋服代は別に計上している方が多く、月5万円程度小遣いがある方は、共働きで、仕事上のランチ代や交通費を含んでいる方が多いです。
個人的におすすめなのは、
・仕事にかかるランチ代や交通費
・ママ友ランチ会などプライベートでかかる交際費
・コスメ代
・基礎化粧品代
・美容院代
・衣服費
・医療費
を含めて、月にいくらと決める方法です。
普段使う生活費のお財布とは別に、妻の小遣い専用の財布を持ち歩くとよいでしょう。
妻の支出に家計が圧迫されない工夫を
それも含めてしっかり家計を管理できていればいいのですが、実際はダラダラ支出のもとになることもあり、注意が必要です。
ここに費用がかかりすぎていたせいで、子どもの習い事や教育費にお金が払えなくなるなど、子どもにしわ寄せが行ってしまうこともあります。
一番怖いのは、自分がいくら使っているかもわからないという「どんぶり勘定」。
妻の小遣い額を決める際にも、ママ友とのおつきあいひとつもできないほどの少額にしてしまっては、結局赤字になってしまいます。他の支出との割合も検討しながら、適切な額を夫婦で話し合ってみてくださいね!