国が違えば小学校制度も異なるもの。カナダでは日本の文部科学省のような機関がなく、教育制度は州ごとに定められており、義務教育や小学校の年数は州によってさまざまです。他にはどんな違いがあるのでしょう。筆者が暮らすケベック州を中心にカナダの小学校を紹介します。
カナダの小学校には入学式がない!?
カナダの小学校も日本と同じように、新学年が始まる前に「学用品の名前付け」をします。学校から配布される学用品のリストには、鉛筆の本数やファイルの色まで細かい指定がずらりと記されています。
8月になると「Back to School Sale」という学用品のセールがはじまり、多くの人がリスト片手に買い物をします。新学年が始まる直前の週末は指定の学用品を求めてレジに長蛇の列ができ、会計までに30分ぐらいかかることも。
通学はパパやママと一緒!
通勤前のパパが子どもを送っていく場合も多く、父親同士の井戸端会議があちこちで見られます。また、通学の手段については制限はなく、自転車はもちろんスケートボードやキックボードに乗って通うことも可です。
時間割は空欄だらけ
時間割に書かれているのは、曜日ごとに時間が固定されている体育や音楽などの専門教科のみ。時間割に、国語(息子の学校の場合はフランス語)や算数などの文字は一切ありません。
子どもたちは、学校に着いてからその日のスケジュールを担任から知らされます。黒板に書いておく先生もいれば、口頭で説明する先生もいます。時間割が配られないのですから、教科書などの教材は基本的に学校の机の中に置きっぱなし。宿題に使うものだけを学校から持ち帰ります。
昼休みはカフェテリアや学童、自宅で過ごす
日本では、教室で担任の先生とクラスメイトと給食を食べるのが当たり前ですよね。けれども、カナダの小学校は、昼休みは担任の先生にとっても休み時間。昼休みが1時間30分ほどあるので、家に帰って昼ごはんを食べる児童もいます。学校に残る児童は、学校に併設されている学童保育(有料)の教室へ移動します。
夏休みの宿題は基本的になし!
夏休みだけではなく、週末や学年途中の春休みや冬休みにも宿題はありません。子どものときから「休みの日は休む」ということを習慣にできるのですね。