小学校6年間で習う漢字は1,026字。これらを覚えるなら、小学校入学前から習慣づけたい「漢字辞典を使った学習法」がおすすめです。未就学児が漢字辞典を効果的に使う場合、選び方と使い方にコツがあります。学習意欲が高まる漢字辞典の選び方と、おすすめ5冊のご紹介です。
漢字辞典の使い方
引き方は、以下の3つです。
1.音訓引き(音読み・訓読みから漢字を探す)
2.部首引き(にんべん・さんずいなど部首名から漢字を探す)
3.総画引き(漢字の画数から探す)
漢字辞書デビューしたばかりの子には、音訓引きが分かりやすいかもしれません。ある程度ひらがなが読めれば、パパママと一緒に音訓引きに挑戦してみましょう。
「青はどんな漢字かな。『あ』ではじまる漢字の集まりのページを探してみて」などと声掛けしながら、漢字探しゲームをするのもおすすめです。ひらがな学習もしながら、漢字の読み方・形も覚えられます。音訓引きに慣れてきたら部首・画数(書き順)にも触れて、漢字の成り立ちや意味に興味を広げていきましょう。
子どもが使いやすい漢和辞典とは
漢字の知識を深め、確実に覚えられる漢字辞典を選ぶには、以下のポイントを意識してみてください。
・書き順が大きめに分かりやすく書かれているもの
・漢字の成り立ちや熟語・故事成語などがイラスト付きで解説してあるもの
・子どもが興味を持つような、漢字に関するおもしろコラムがあるもの
・間違えやすい漢字(似ている形・書き順・読み方など)について解説があるもの
思考力をアップさせながら漢字を習得
漢字の読み方・筆順・意味・使い方について、知識を深めるおすすめの方法は以下の3つです。
1.パパママが漢字の形と読みを教えながら、音訓引きで漢字を探す練習をする
2.部首名と部首の成り立ちを教えながら、部首引きで漢字を覚える
3.正しい書き順で書ける漢字が増えてきたら、「この漢字は何画か?」と問題を出す。正しいかどうか、子どもに総画引きをさせて確認。
スマホ・パソコンで検索すれば、簡単に疑問点は解決できます。しかしあえて辞書を引くことで、より高い学習効果が期待できるでしょう。
1.小学新漢字辞典
著者 :甲斐 睦朗(監修)
出版社 :光村教育図書
出版社は光村教育図書株式会社。小中高の教科書でおなじみ、光村図書出版株式会社の関連会社です。すべての漢字にふりがなつき・赤と黒の配色・簡潔に書かれた漢字の成り立ちなど、子ども目線で見やすいレイアウト・構成になっています。
正しい字形で書くコツ、漢字への興味を広げるおもしろコラムも多数掲載。幼児から小学生まで長く学べる1冊です。
2.小学 漢字新字典: 辞書+αで学ぶ
著者 :小学教育研究会 (編著)
出版社 :増進堂・受験研究社
新学習指導要綱に完全対応。小学校必修漢字1,026文字すべてに、マンガと語呂合わせがついています。音読み・訓読み・書き順・正しい字形を楽しみながらマスターできるでしょう。覚えにくく間違えやすい読み方・書き順の漢字も、しっかりフォローしてくれます。
辞書に参考書機能がプラスされた「漢字を覚えることに特化した辞典」です。熟語・同音異義語・反対語なども豊富に掲載し、中学校入試にも対応した応用力をサポートします。
3.新レインボー 小学漢字辞典
著者 :加納喜光(監修)
出版社 :学研
全ページオールカラーの引きやすい漢字辞典です。子どもが見やすい色使いとレイアウトが特徴的。テストに出そうな熟語・例文・故事成語などが一目で分かります。子どもが漢字に興味を持ち、知識を深めるためのコラム・イラスト・写真が多く掲載されているのもポイントです。
「上げる・挙げる・揚げる」「史料・資料」のような同音異字の書き分け・使い分けも、分かりやすく解説。中学入試の頻出漢字・新聞でよく使われる漢字まで取り上げています。一歩先の漢字学習もできる辞典です。
4.チャレンジ小学漢字辞典
著者 :筑波大学名誉教授 湊 吉正(監修)
出版社 :ベネッセコーポレーション
幼児通信教育でもおなじみのベネッセが、初版刊行30余年に渡って研究・改良し続けた漢字辞典です。部首の成り立ち・意味・同音異字・その漢字に当てはまる言い回しなどを、イラストを交えて解説します。視覚に訴えるので漢字が覚えやすく、忘れにくくなるでしょう。
カラフルで子どもの興味を引く誌面・入試や新聞で多用される熟語を多数収録。「時代に合った、子ども目線で使いやすい漢字辞典」となっています。
5.三省堂 例解小学漢字辞典
著者 :林四郎、大村はま(監修)/月本雅幸、濱口富士雄(編)
出版社 :三省堂
教科書や辞書の出版社として知られる、三省堂から出版された漢字辞典です。
小学校の先生のさまざまな意見や要望をもとに、全ての漢字にふりがなをつける、軽量化を図る、など小学生にとっての分かりやすさ、使いやすさを追求した作りになっています。また、「辞書引き学習」で付箋を上部に貼ることを想定し、ページ・漢字を検索するのに必要な情報は紙面下部に配置されています。
ことわざ・故事成語・漢詩など、日本・中国の伝統的な言語文化を多く掲載。漢字の意味と使い方、どちらの理解も深められる内容となっています。
いつでも見られる場所に漢字辞典を
カバーをはずし、絵本・児童書などと一緒に置くと、子どもも手に取りやすくなるはずです。