国内刊行の児童書が多数集まる専門図書館が東京・上野にあるのをご存じですか。絵本や物語はもちろん、科学や社会を学べる知識の本、世界各国の絵本や読み物など、近所の図書館や書店にはない珍しい本にも出会えます。一体どんな図書館なのか、魅力をたっぷりお伝えします!
国立国会図書館国際子ども図書館って?
貸出サービスはありませんが、館内でさまざまな児童書や関連資料を閲覧できるほか、おはなし会や図書館見学ツアーなどのイベントも多数行われています。また、明治時代に帝国図書館として建設された建物を修復・復元しているので、歴史的な見どころもたっぷり!
子連れのお出かけスポットとしてもオススメの国際子ども図書館の魅力を、3回に分けてご紹介します。
まず第1回目は、子どもがたくさんの本と触れ合えるよう工夫された「子どものへや」と、珍しい外国の本を多数取りそろえた「世界を知るへや」を覗いてみましょう。
ぐるりと本に囲まれた「子どものへや」
影のできない「光天井」を採用
試しに持っていたノートに手をかざしてみたら……本当だ! どこにも手の影が映らない!
これなら「明るいところで読みなさい!」なんて注意する必要もなくなりますね。思い思いの場所で、読みたい本を読み始める子どもへの細かい配慮が感じられます。
棚の内側は読み物系、外側には知識系の本がズラリ
内側には絵本や物語本が並んでいます。物語は作家別に並んでいるのが特徴。普通の図書館や書店では、よく文庫本だけ別の棚にまとめられていますが、作家別にすべての本が見られるようになっていて、とても探しやすいです。また、絵本は絵柄で選ぶ人も多いので、画家別になっているそうです。
外側には動物や宇宙などの科学本、地理や伝記など社会系の本、スポーツや芸術系の本など、知識を深めるための本が分野別にずらり。知的好奇心を深めていくにはもってこいの本が揃っていますね。
ちいさな子どものための絵本コーナーや小展示も
折り紙や手作りおもちゃの本が並んだ「つくるコーナー」や、季節や行事に合わせた本を紹介する「小展示コーナー」も必見! 取材時には雨や傘がテーマの楽しい絵本が並んでいました。
いろいろな国の絵本に触れられる「世界を知るへや」
<母国語>の本がおもしろい!
また、各国の母国語の本も置かれているのが大きな特徴で、タイ語、アラビア語、ハンガリー語など、なかなかお目にかかれないような言語の本も見ることができます。文字も特徴的ですが、挿絵の雰囲気も国によってまったく違うのが楽しいですね! 絵本なのにやけに大人っぽい絵柄だったり、ちょっと不気味な雰囲気だったり、日本とは一味違った絵本の世界が広がっています。
日本の絵本もところ変われば……
実はこれ、アラビア語の本だったんです。アラビア語は日本語や英語とは逆で、右から左に読んでいくため、きんぎょも右から左に逃げていくように絵を反転させているんだそう。
こんなところにも国の違いが表れるんですね!
場所は上野動物園から徒歩5分
最近、パンダの赤ちゃんで注目を浴びている上野動物園も近いので、ついでに寄るのもオススメですよ!
東京都台東区上野公園12-49 TEL 03-3827-2053(代)
【開館時間】
9:30~17:00
【休館日】
月曜日 国民の祝日・休日(5月5日は開館) 年末年始 資料整理休館日(第3水曜日)
【アクセス】
JR上野駅公園口、またはJR鶯谷駅南口から徒歩10分