2017年06月25日 公開
1歳までに行う【6つの通過儀礼】その意味といわれとは?
日本人は古くから、一生の間に多くの通過儀礼を行ってきました。中でも、1歳までの間に6つもの通過儀礼が集中しています。子どもの健やかな成長への感謝と願いが込められた、6つの通過儀礼の意味やいわれを見直し、大切な家族の行事としてお祝いしていきたいものですね。
日本人は古くから、一生の間に多くの通過儀礼を行ってきました。中でも、1歳までの間に6つもの通過儀礼が集中しています。子どもの健やかな成長への感謝と願いが込められた、6つの通過儀礼の意味やいわれを見直し、大切な家族の行事としてお祝いしていきたいものですね。
人生の通過儀礼とは
人生の通過儀礼とは、誕生、成長、結婚、死など、人生の節目の時期に、成長への感謝とこれからの人生への祈願を込めて行われる行事のことです。
帯祝いにはじまり、お七夜(命名)、お宮参り、お食い初め、初節句、初誕生日、七五三、十三参り、成人式、結婚式、厄年、賀寿の祝い、葬式、法要などがそれに当たります。
中でも、お宮参り、結婚式、葬式は、人生の三大通過儀礼ともいわれています。
生まれてから1歳までの間に通過儀礼が多い理由
一生を通して行われる通過儀礼ですが、1歳になるまでの間には帯祝いから初誕生日まで、六つもの通過儀礼が集中していることが分かります。
その理由は、昔の日本において赤ちゃんの生存率が低く、健やかな成長が何よりも親の願いであったからだと思われます。
1歳までに行われる【6つの通過儀礼】とは
では、1歳までに行われる6つの通過儀礼について少し詳しくみてみましょう。
帯祝い
着帯の祝いともいわれます。妊娠5カ月の戌(いぬ)の日を選んで、腹帯を巻く儀式を行います。戌の日に行うのは、犬の安産にあやかろうという意味があります。
またこの時期は、赤ちゃんの胎動がはじまる時期でもあり、生まれてくる赤ちゃんを認知する儀式でもあったと思われます。
お七夜(命名)
昔は、生まれてから7日目に親族が集まって、赤ちゃんの誕生を祝うために膳を囲みました。また、この日に生まれた赤ちゃんの名付けをする習慣がありました。
お宮参り
はじめてのお宮参りは、男児は32日目、女児は33日目に行われてきました。氏神様にお参りし、一族の一員として仲間入りをする意味があります。
お宮参りのときに、赤ちゃんを抱くのはおばあちゃんの役目です。赤ちゃんには産着を着せ、その上に祝い着をかけます。
お食い初め
生まれてから100日目くらいに行う儀礼で、歯固めともいわれます。
赤飯、焼き魚、吸い物などの祝い膳を用意し、食べさせる真似をします。一生食べものに困らないように、よく食べて元気に育ってほしいという願いが込められています。
初節句
うまれてはじめての節句は、やはり特別なもの。女の子は3月3日のひな祭り、男の子は5月5日の子どもの日に行います。無事、節句を迎えられたことへの感謝と厄除けの意味が込められていました。
初誕生日
昔の日本は、正月を迎えたときに1つ歳を加えるという慣わしになっていて、それぞれの誕生日を祝う習慣がありませんでした。でも、はじめての誕生日だけは別でした。
一年間、無事に大きく育ったことへの感謝の気持ちを込めて、お祝いしたのが初誕生日。地方によっては、一升の餅を背負わせる儀式が行われます。これは、一生食べものに困らないようにといった願いが込められているそうです。
何よりも気持ちを大切に、お祝いしましょう
生き抜くのが困難だった時代には、1歳まで育つことも有り難いことだったのでしょう。現代では、赤ちゃんの生存率は飛躍的に伸びました。でも、子どもの健やかな成長を願う親の気持ちに変わりはありません。
節目、節目の成長の記録として、感謝の気持ちの表明として、ささやかでもいいから、家族で通過儀礼をお祝いしてあげたいものですね。