盆踊りは日本の伝統文化の一つです。約500年の歴史を持つ盆踊りは、亡くなった人たちを供養するために行われるお盆の行事のひとつでもあります。その地域ならではの歌と踊りがあり、今もなお大切に受け継がれています。そこで盆踊りに良く使われるおすすめ曲を4つご紹介します。
歴史に興味を持つ「ソーラン節 ヤーレンソーラン」
ソーラン節 東京都目黒区、祐天寺みたま祭りこども盆踊り大会より – YouTube
現在では夏祭りや盆踊りにも使用されています。
「ヤーレン、ソーラン」など曲のリズムに乗りやすい囃子(はやし)言葉や
掛け声が多く使われているため、リズムに合わせ踊ったり手拍子を入れたりできる曲です。
ソーラン節の起源は諸説ありますが、今回は、北海道でのニシン漁との関係をご紹介します。
江戸時代から昭和初期にかけて、春になる北海道はニシン漁で大変にぎわいました。
春といっても北海道のため、まだ寒く、また、海上の労働はとても辛いものでした。
ニシンを捕獲し、数の子を取り出すという、大変過酷な労働の際に労働者同士で掛け合っていた声、掛け声がソーラン節になったといわれています。
(歌詞)
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン (ハイ ハイ)
沖の鴎に 潮どき問えば
わたしゃ立つ鳥 波に聞け
チョイ ヤサエエンヤンサノ
ドッコイショ
(ハ ドッコイショ ドッコイショ)
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン (ハイ ハイ)
今宵 ひと夜は どんすの枕
あすは出船の 波まくら
チョイ ヤサエエンヤンサノ
ドッコイショ
(ハ ドッコイショ ドッコイショ)
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン (ハイ ハイ)
男度胸なら 五尺の身体
どんと乗り出せ 波の上
チョイ ヤサエエンヤンサノ
ドッコイショ
(ハ ドッコイショ ドッコイショ)
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン (ハイ ハイ)
沖の鴎が 物言うならば
便りきいたり 聞かせたり
チョイ ヤサエエンヤンサノ
ドッコイショ
(ハ ドッコイショ ドッコイショ)
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン (ハイ ハイ)
沖の鴎の 啼く声きけば
船乗り稼業は やめられぬ
チョイ ヤサエエンヤンサノ
ドッコイショ
(ハ ドッコイショ ドッコイショ)
踊りやすい曲調が印象的「炭坑節」
盆踊り 炭坑節(鈴木正夫) – YouTube
プロ野球の埼玉西武ライオンズは、前身の西鉄ライオンズの本拠地が福岡であったことから、
現在も炭坑節を応援歌として使われていることでも知られています。
盆踊りでよく耳にする曲で、踊りやすいリズムが印象的です。
はじめて盆踊りを体験する小さなお子さまも、曲調に合わせて踊りやすいのでおすすめです。
(歌詞)
月が出た出た 月が出た (ヨイヨイ)
三池炭坑の 上に出た
あまり煙突が 高いので
さぞやお月さん けむたかろ (サノ ヨイヨイ)
一山 二山 三山 越え (ヨイヨイ)
奥に咲いたる 八重椿
なんぼ色よく 咲いたとて
様ちゃんが通わにゃ 仇の花 (サノ ヨイヨイ)
あなたがその気で 言うのなら (ヨイヨイ)
思い切ります 別れます
元の娘の 十八に
返してくれたら 別れます (サノ ヨイヨイ)
お礼を枕に 寝るよりも (ヨイヨイ)
月が射し込む あばら家で
主の腕に ほんのりと
私ゃ抱かれて 暮らしたい (サノ ヨイヨイ)
竪抗千尺 二千尺 (ヨイヨイ)
下りゃ様ちゃんの ツルの音
ままになるなら あのそばで
私も掘りたや 黒ダイヤ (サノ ヨイヨイ)
踊りながら笑顔ほころぶ「河内音頭」
民謡鉄砲節 – YouTube
発祥地は大阪。歴史ある伝統曲で、そのルーツは江戸時代にまで遡ります。
1961年に「鉄砲光三郎」がリリースした音頭シリーズで一気に有名になりました。
歌詞にもバリエーションがあり、特に「鉄砲節」や「河内十人斬り」が知名度が高いです。
思わず笑顔がほころぶリズムのよい合いの手に、親子そろって楽しめる曲です。
鉄砲光三郎の「河内音頭 鉄砲節~枕~」の歌詞をご紹介します。
(歌詞)
エーさては一座の皆様へ、
ちょいと出ました私は
おみかけ通りの若輩で
ヨホーホーイホイ
(ハァーイヤコラセードッコイセー)
まかり出ました未熟者
お気に召すようにゃ読めないけれど
学びましてのお粗末を
歌い続けた鉄砲節にのせまして
精魂こめて歌いましょう
(ソーラーヨーイトコサッサーノ
ヨイヤーサッサー)
エーイ 大和河内の国境 中にひときわ悠然と
ヨーホーホーイホイ
(ハァーイヤコラセードッコイセー)
そびえて高き金鋼山よ
古き昔の人々が、ご先祖供養の盆踊り
今に伝えた民謡を河内音頭と申します。
聞いておくれよ荷物にゃならぬ、
聞いて心もうきうきしゃんせ
気から病が出るわいなァ
歌の文句は小粋でも私しゃ未熟で、
とってもうまく、きっちり
実際、まことに、みごとに、読めないけれど
八千八声のほととぎす
血をはくまでも血をはくまでもつとめましょう
(ソーラーヨーイトコサッサーノ
ヨイヤーサッサー)
お祭りのリズムで楽しく踊ることができる「八木節」
盆踊り動画「八木節」 – YouTube
お囃子を彷彿とさせるリズムにあわせ、お祭り気分を高めながら、
楽しく踊れる1曲ではないでしょうか。
群馬県桐生市では、「桐生八木節まつり」が毎年8月に開催されていて、
八木節おどりやダンス八木節など、八木節にちなんだ様々なイベントが盛大に行われています。
群馬県、栃木県、そして埼玉県と幅広い地域で歌われてきた「八木節」。
起源についても、
・八木宿(現在の栃木県足利市)で堀込源太が歌った曲がルーツという説
・日光例幣使街道(にっこうれいへいしかいどう)で歌われていた木崎節がルーツという説(群馬県側の主張)
・江戸時代末期に人気があった、口説節がルーツという説
のように諸説あるようです。
そのため、それぞれ、微妙に歌詞が違います。
また、かなり歌詞が長いため、今回はよく知られている一節を紹介します。
(歌詞)
ハァーまたも出ました三角野郎が
四角四面の櫓の上で
音頭取るとはお恐れながら
国の訛りや言葉の違い
お許しなさればオオイサネー