「なんでも買える時代だからこそ、ぬくもりのある手作りのものを大切にしてほしい」。そんな思いを届ける福岡県福津市の「みんなの木工房。テノ森」。木で手作りする「赤ちゃんのはじめてのスプーン」講習会の様子と、出産祝いにもおすすめの木のスプーンの魅力をご紹介します。
はじめてだから、安心でぬくもりが感じられる木製を
最近では、さまざまな離乳食用のスプーンが売られています。かわいいデザインやカラフルな色のものもたくさん。でも、赤ちゃんがはじめて口にするスプーンは、安心・安全である素材で作られているものを選ぶのは、大事なことではないでしょうか。
みんなの木工房「テノ森」では、ラッカー塗料やウレタン塗料を使わず、クルミオイル仕上げの木のスプーン作りを教えています。できあがったスプーンは安心・安全。さらに木製のスプーンは、冷たからず熱からず、いつでも自然なあたたかみを感じられます。
また、手作りすれば、世界でたったひとつしかない、心を込めた贈り物にもなりますね。
赤ちゃんの口の大きさに合わせた浅くて細い木のさじ
こちらで作るスプーンは、パパママが赤ちゃんに食べさせやすいよう、取っ手を長くし、赤ちゃんの口に合わせて“すくい”を細めで浅い形にしているのが特徴です。
まず、四角い板に細長いスプーンの形を鉛筆で下書きし、糸ノコを使って、スプーンの形に切りだすところからはじめます。
糸ノコで全体の形を切り出したら、ノミとナイフで慎重にすくいの部分(スプーンの口に入れる部分)を掘り出していきます。
なめらかな口当たりに仕上げるために……
この作業を繰り返すことで、徐々にスプーンの表面がなめらかになっていきます。特に、赤ちゃんの口があたる“すくい”の部分は念入りに。赤ちゃんの小さなお口をイメージしながら、丹念にサンドペーパーをかけていきます。
仕上げには、クルミオイルを塗り込み、乾いたら完成です。
ちょっとくらいゆがんでいるのもご愛嬌。自分で作ったスプーンには、なんともいえない愛着がわきます。
わが子に作るもよし!友人の出産祝いにもおすすめ
これから生まれてくる自分の子どもに思いをはせながら作るもよし、親しい友人の出産祝いに作るもよし。手仕事のひとつひとつの動作に、「赤ちゃんへの想い」が込められた素敵な贈り物になりそうですね。
世界にひとつだけの手作りに価値がある時代
「赤ちゃんのはじめてのスプーン」以外にも「赤ちゃんのはじめての器」「赤ちゃんの箱いす」「絵本棚」「ベンチな子ども机」など、年間を通じてさまざまな講習会を開催しています。
暮らしの中で必要なものや大切な人への贈り物を手作りで作ることの良さを伝え、そしてもっと多くの人に木のぬくもりがあるものを使ってもらえることが細井さんの願いだとか。
「テノ森」 細井護(ほそいまもる)さん プロフィール
テノ森 – tenomori ページ!
実際に伺うのが難しい方も、これをきっかけに、手作りの木のカトラリーを購入したり、家庭で手作りに挑戦してみるのもおすすめです。木のカトラリー作りのための本もありますよ。