小学校の算数で子どもたちがつまずきがちな「分数」。分数計算では、通分や約分といった概念が登場し、数字の大きさをイメージしにくくなることが原因のひとつでもあるようです。そんな分数の計算に役立つ画期的な発明品、「分数ものさし」とは一体どんなものなのでしょうか。
分数ものさしとは?
著者:山本賢一朗
出版社:プレジデント社
ものさしに1/12を基準とした目盛りがあり、分数ものさしを使うことで、直観的に分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算の計算ができます。
2018年2月に発売された書籍「分数ものさし」には、分数ものさしと80ページのドリルがついていて、ドリルを使いながら分数の勉強に親しめるようになっています。
分数ものさしが生まれた背景
ピザのように切り分けられる教材や、パネルで組み合わせるタイプは以前からありましたが、山本くんがたどりついたのは、シンプルに長さで分数を表すことができる「ものさし」でした。この「ものさし」にたどり着くヒントとなったのは、素数だけが目盛りに刻まれた「素数ものさし」だったとか。
販売元:京都大学
分数ものさしの使い方
なお、分数ものさしの使い方はドリルの中でも解説されていますし、ドリルについているQRコードから、山本くんご本人が出演している解説ビデオを観ることもできます。
たし算
ひき算
かけ算
1/4×3/4であれば、分数ものさしを使って、まずタテの部分に1/4の線を引きます。そしてヨコに3/4の線を引きます。それぞれの終点を結んで四角に囲い、その中のマス数を数えます。
1/4×3/4のとき、四角で囲った部分は27マスです。全体が144マスなので、四角で囲った部分は27/144、約分すると3/16となり、答えを導けます。
わり算
2/3÷1/12であれば、まず分数ものさしを使って、2/3は1/12が8つあるのと同じだということを確認します。
続いて1/12は、1/12が1つある状態です。
とすると、これは8÷1と同じと考えることができるため、答えの8を導き出せます。
実際に使ってみた!小学1年生の長女の感想
長女には分数の概念の理解もまだ難しいかと思っていましたが、長女は分数ものさしを見ながら、「12個に分けたうちの8つと、6個に分けたうちの4つだったら、同じ大きさってことだね」と納得していました。
かけ算とわり算については、まだ九九もはじめていないこともあり難しそうでしたが、たし算とひき算については「ちゃんと解けるよ!」と、楽しそうにドリルを1人で進めていましたよ。
親の方も、分数の計算方法はおぼえていても、「なぜ2/3×1/4は1/6なの?なぜ1/12÷3/4は1/9なの?」と聞かれると、きちんと説明できる自信がなく、分数ものさしがあれば教えやすいなと感じました。
分数の理解促進に「分数ものさし」がおすすめ!
分数ものさしを日常的に使うことで、分数が出てきたときに、子どもは「どのくらいの大きさか」をイメージしやすくなりますし、親も説明がしやすくなります。
「分数ものさし」は学校の筆箱にも入る、一般的な15cmのものさしとしても使えます。普段から手にとって利用することで、分数の感覚に慣れることができそうです。
子どもに分数を教えるときは、ぜひ「分数ものさし」を活用してみてくださいね。