2018年05月15日 公開

直観的に分数がわかる!「分数ものさし」使ってみました

小学校の算数で子どもたちがつまずきがちな「分数」。分数計算では、通分や約分といった概念が登場し、数字の大きさをイメージしにくくなることが原因のひとつでもあるようです。そんな分数の計算に役立つ画期的な発明品、「分数ものさし」とは一体どんなものなのでしょうか。

小学校の算数で子どもたちがつまずきがちな「分数」。分数計算では、通分や約分といった概念が登場し、数字の大きさをイメージしにくくなることが原因のひとつでもあるようです。そんな分数の計算に役立つ画期的な発明品、「分数ものさし」とは一体どんなものなのでしょうか。

分数ものさしとは?

分数ものさし(ドリルつき! ) (【マルチメディア/開発商品】) | |本 | 通販 | Amazon (91964)

商品名:分数ものさし
著者:山本賢一朗
出版社:プレジデント社
分数ものさしは、静岡県に住む山本賢一朗くんが、小学校5年生のときに考え出したものです。

ものさしに1/12を基準とした目盛りがあり、分数ものさしを使うことで、直観的に分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算の計算ができます。

2018年2月に発売された書籍「分数ものさし」には、分数ものさしと80ページのドリルがついていて、ドリルを使いながら分数の勉強に親しめるようになっています。

分数ものさしが生まれた背景

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JRP Studio / Shutterstock.com
山本くんは、クラスメートが「分数ってむずかしい」と言っていたのをきっかけに、わかりやすく理解するためのツールを作りたいと研究をはじめたそうです。

ピザのように切り分けられる教材や、パネルで組み合わせるタイプは以前からありましたが、山本くんがたどりついたのは、シンプルに長さで分数を表すことができる「ものさし」でした。この「ものさし」にたどり着くヒントとなったのは、素数だけが目盛りに刻まれた「素数ものさし」だったとか。

山本くんの小学5年生の自由研究として作られたこの分数ものさしは、第37回浜松市小中学生発明くふう展で優秀賞を受賞しています。
Amazon | 京都大学 限定 素数ものさし | 定規 | 文房具・オフィス用品 (91962)

商品名:京都大学 限定 素数ものさし
販売元:京都大学

分数ものさしの使い方

では、この分数ものさしを使って、どのように分数の計算をしていくのかをご紹介しましょう。

なお、分数ものさしの使い方はドリルの中でも解説されていますし、ドリルについているQRコードから、山本くんご本人が出演している解説ビデオを観ることもできます。

たし算

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1/6+2/6であれば、分数ものさしを使って、まず1/6のところに線を引き、続いてその線の引き終わりから2/6分の線を引きます。合わせた線の長さを分数ものさしをあててはかると、その答えが出てきます。

ひき算

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5/12-1/4であれば、まず5/12のところに線を引きます。そして1/4をそこから減らします。残った長さを分数ものさしではかると、答えがわかります。

かけ算

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12×12(全体で144マス)のマス目を用意します。

1/4×3/4であれば、分数ものさしを使って、まずタテの部分に1/4の線を引きます。そしてヨコに3/4の線を引きます。それぞれの終点を結んで四角に囲い、その中のマス数を数えます。

1/4×3/4のとき、四角で囲った部分は27マスです。全体が144マスなので、四角で囲った部分は27/144、約分すると3/16となり、答えを導けます。

わり算

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わり算の場合は、「1/12がいくつあるか?」ということを考えていきます。

2/3÷1/12であれば、まず分数ものさしを使って、2/3は1/12が8つあるのと同じだということを確認します。

続いて1/12は、1/12が1つある状態です。

とすると、これは8÷1と同じと考えることができるため、答えの8を導き出せます。

実際に使ってみた!小学1年生の長女の感想

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小学校1年生の長女にも試しに使ってもらいました。

長女には分数の概念の理解もまだ難しいかと思っていましたが、長女は分数ものさしを見ながら、「12個に分けたうちの8つと、6個に分けたうちの4つだったら、同じ大きさってことだね」と納得していました。

かけ算とわり算については、まだ九九もはじめていないこともあり難しそうでしたが、たし算とひき算については「ちゃんと解けるよ!」と、楽しそうにドリルを1人で進めていましたよ。

親の方も、分数の計算方法はおぼえていても、「なぜ2/3×1/4は1/6なの?なぜ1/12÷3/4は1/9なの?」と聞かれると、きちんと説明できる自信がなく、分数ものさしがあれば教えやすいなと感じました。

分数の理解促進に「分数ものさし」がおすすめ!

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昔は小学4年生で習っていた分数ですが、今は小学2年生で分数の概念を学びます。それだけ大切で、また子どもたちが苦手意識を持ちやすい単元だともいえるでしょう。

分数ものさしを日常的に使うことで、分数が出てきたときに、子どもは「どのくらいの大きさか」をイメージしやすくなりますし、親も説明がしやすくなります。

「分数ものさし」は学校の筆箱にも入る、一般的な15cmのものさしとしても使えます。普段から手にとって利用することで、分数の感覚に慣れることができそうです。

子どもに分数を教えるときは、ぜひ「分数ものさし」を活用してみてくださいね。

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この記事のライター