2019年03月04日 公開

きょうだいゲンカ回避の秘策は「上の子を大人扱い」すること!

「きょうだいゲンカが悩みのタネ」というパパママは多いでしょう。わが家の姉妹も小さい頃はよくケンカをしていました。しかし、上の子への接し方をちょっと工夫したところ、きょうだい仲がぐっと良くなりました。その秘策を紹介します。

「きょうだいゲンカが悩みのタネ」というパパママは多いでしょう。わが家の姉妹も小さい頃はよくケンカをしていました。しかし、上の子への接し方をちょっと工夫したところ、きょうだい仲がぐっと良くなりました。その秘策を紹介します。

きょうだい喧嘩は、あって当たり前

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わが家の姉妹は5歳差で、周囲からは「年が離れてるから、あんまりケンカもしないでしょう?」なんてよく言われました。しかし、小さい頃は些細なことで言い合いになったり、ものを貸す、貸さないで揉めたり、テレビのチャンネル争いをしたり……とケンカばかり。

実は筆者も4つ離れた妹がいて、もちろん喧嘩もしていました。ただ、妹が中学生になった頃から一緒に恋愛話などもするようになり、それまで子ども扱いしていた妹を急に身近に感じた、という覚えがあります。なので、「ケンカするのは今だけ。小さいうちはケンカばかりでもしょうがない」と静観していました。

でも実際問題、毎日のように家の中でギャーギャーケンカされると、親だってイライラしますよね。「お姉ちゃんが○○した~!!」と下の子が泣きついてきたら、黙って見ているわけにもいきません。

そこで仲裁に乗り出すわけですが、基本的には姉妹両方の言い分を聞いて、公平に接するよう心がけていました。ただ、「公平に」って言葉で言うのは簡単ですが、実際はいろいろと難しいもの。姉妹で性格も違うし、年齢差もあるので、同じように言い聞かせても納得してくれるとは限りません。口ごたえされて、親のほうが感情的になっちゃうことも!

そんなときによく使っていたのが、「お姉ちゃんを大人扱いする」作戦です。

「ママを助けてほしいな」とお願いする

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きょうだいゲンカで上の子だけを叱るのはタブーだとよく言われますが、叱るのではなく、「ちょっと特別扱い」すると、上の子の意識が変わってきます。たとえば、ケンカをしてプンプン怒っている上の子をこっそり呼んで、肩をポンポンと叩いたり、ギュッと抱きしめたりしながら、こんなふうに語りかけるのです。

「●●(妹の名前)がお姉ちゃんの絵本を破っちゃってイヤだったね。大事な絵本を破かれたら、お姉ちゃんだって頭にくるよね。でも、2人があんなふうにケンカしているのを見ると、ママは悲しくなっちゃう。ママを助けると思って、妹のこと、許してあげてくれないかな」

「お姉ちゃんを叩いたのは、妹が悪いってママも思うよ。でも、だからって、お姉ちゃんが妹のことを叩くのを見ると、ママはイヤ~な気持ちになるんだ。もっと二人が仲良しになってくれたら、ママはうれしいんだけどな」

ポイントは、「ママのためにこうしてほしい」と伝えること。すると、上の子は「頼りにされている」と感じ、「自分はお姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだ」という自覚も芽生えてきます。こうした声かけは、子どもがママとの一体感を感じることにつながり、気持ちも安定するようです。

実際、筆者がこう語りかけたあとは自然と優しい気持ちになるのか、長女の場合は妹への接し方もぐっと柔らかくなりました。ときには、筆者が「それはちょっとワガママすぎじゃない?」と思うような妹の言動も笑顔で受け流していたのでびっくり!あとでこっそり「お姉ちゃん、すごい大人!えらかったね~」とたくさん褒めてあげました。

「大人扱い」はこんなときにも有効!

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きょうだいゲンカのときだけじゃなく、たとえば宿題でも筆者は上の子を頼りにしていました。下の子が宿題でわからないところがあったりすると、「ママよりもお姉ちゃんのほうがよくわかってるから、聞いてごらん」とうながしたり、上の子に「夏休みの自由研究で何をやるか、相談にのってあげてよ」とお願いしたり。

上の子は数年前にやったことなので、理科や社会の細かい知識などは親よりもよく覚えています。また、漢字の書き順などはパパママ世代が子どもの頃とは違うこともあるので、上の子の知識は大いに頼りになるのです。

それに、親が上から目線であれこれ指導するよりも、お姉ちゃんが「あ、この問題、私もやった。懐かしい~」なんて言いながら教えるほうが、下の子も楽しそうだし、やる気も出るよう。下の子がなかなか宿題にとりかからないときは、「お姉ちゃん、ちょっとお願い!」と頼み込んで、隣で一緒に勉強してもらったりもしました。

他にも、子どもたちだけで留守番してもらうときや買い物に行ってもらうときなどは、「お姉ちゃん、頼むね」と一声かけることで、長女としての自覚をうながすことができます。ちょっとしたことですが、この積み重ねが責任感を芽生えさせ、「頼りになるお姉ちゃん」を育ててくれたのかもしれません。

下の子を大人扱いするのも、もちろんOK

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下の子が話がわかる年頃になってきたら、ときには弟や妹のほうをちょっと大人扱いしてみるのもいいでしょう。

うちの長女は定期テスト前などに「勉強しなきゃ!」とピリピリしてしまうタイプだったのですが、妹のほうは構ってほしくて、ちょっかいを出してはケンカになる……ということがよくありました。

そこで、「お姉ちゃんは今、テスト中でイライラしてるから、そっとしておいてあげようよ」と耳打ちすると、大抵はすんなり納得してくれました。

こういうときに、「もうっ、お姉ちゃんはテスト中なんだから、邪魔しちゃダメ!」なんて頭ごなしに叱ると、「別に邪魔してないし!」と反抗されてかえって面倒なことに。「〇〇してあげて」という頼み方をすることで、本人の自尊心をくすぐるのです。

また、姉妹二人にお手伝いをしてもらうときなどは、下の子に「お姉ちゃんのこと、助けてあげてね」と言うと、ワガママを言ったりムチャをしたりすることが少なかったように思います。

特に下の子には、つい上から目線で接しがちですが、そこを意識して同じ目線で話すと、意外と素直に聞いてくれるもの。下の子だからこそ、「子ども扱いしない」というパパママの態度に、敏感に反応するのかもしれませんね。

言い方ひとつで子どもの態度は変わる!

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家事や育児に追われていると、目の前の雑事をこなすことに精一杯で、子どもとの会話もその場の流れや感情任せになりがちです。

でも、ちょっと立ち止まって、「この子はなんて言われたらうれしいのかな?」と考えてみると、かける言葉も変わってくるでしょう。すると、子どもの反応もびっくりするくらい素直になったりするものです。

「頼りにしてるよ」「ママのために、お願い!」というのは、子どもの自尊心をくすぐる魔法のワード。ぜひ使ってみてくださいね。

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この記事のライター

YUZU
YUZU

フリーライター。東京都在住。出版社で書籍編集の仕事をしていましたが、夫の仕事の都合で2009年より台湾・台北へ。6年間の駐在生活中は娘二人を日本人学校に通わせながら、台湾師範大学の語学センターで中国語を勉強。帰国後はライターとして、主に台湾や子育てに関する記事を書いています。