「値段が安い」ことを表す言葉として、日本語で定着している「リーズナブル」。しかし、元となった英語の reasonable は、必ずしも「安い」の意味では使われません。本来の reasonable は、どんな意味?どう使われる?詳しく解説します。
「安い」という意味の「リーズナブル」。英語では?
私たち日本人が「リーズナブル」という場合、「値段が安い」の意味で使います。
一方、英語でも reasonable という単語があります。が、英語では、必ずしも「値段が安い」という意味にはなりません。
英語の reasonable は、さまざまなシーンで使われる英単語です。英会話や英文の中で出てきたときに、「安い」の意味で解釈してしまうと、誤解を生んでしまいます。
この記事では、reasonable という英単語の意味を、掘り下げて解説します。
英語のreasonable、主な意味は?
この言葉から何となく察せられるように、reasonable は、「(なぜそうなったのかが)理解できる」「納得できる」「理にかなっている」といった意味の形容詞になります。「理由や原因を考えれば、そうなったのは妥当だといえる」、というニュアンスで使われます。
以下に、例文をいくつか挙げます。
I think their complaint is reasonable.
彼らの訴えは妥当だと思うよ。
He needs to provide a reasonable explanation for why this happened.
彼は、なぜこれが起きたのか、納得のいく説明をする必要がある。
I'm open to any reasonable suggestion.
合理的な(理にかなった)ご指摘は、なんでも歓迎です。
※訳は筆者による意訳
reasonable と同じような意味を表す英単語としては、fair(理にかなっている、道理がある), sensible(理にかなっている、筋が通っている)などがあります。どれも、「理由や原因に基づいて、(行動や結果が)筋が通っている様子」を表します。
resonable な人とは?
たとえば、
He's a reasonable man.
といった場合、「物事を公正・公平に考えられる、正しい判断ができる人」のことを表します。片寄った、極端な考え方ではなく、理屈に沿って妥当な結論が導き出せる人、を表現するときに使います。
価格について言うことはある?
reasonable price といえば、消費者が得る、その商品の価値や質、満足度を考えたとき、それに見合った価格である、というような意味です。特に、不当な上乗せがされていない、「商品やサービスの価値を考慮すれば、値段が釣り合っている、適正である」、そんな価格のことを指します。
その意味で、「それなりの価格である」、いわゆる「手頃な価格」というニュアンスでも使われます。使い方としては、以下のようになります。
I often go to a farmers market on weekends. I can get quality fresh vegetables and fruit at a reasonable price.
私はよく、週末ファーマーズマーケットに行きます。質のよい野菜や果物が手頃な価格で買えます。
この reasonable は、「品質を考えればこの値段は『お買い得』」という意味に解釈できることから、日本語でも、『お買い得』の意味で「リーズナブル」という言葉が、使われはじめたのかもしれませんね。
しかし英語の場合、「reasonable な価格・商品」と言っても、このように必ずしも「安い」ことを表すわけではありません。
ちなみに「安い」「低価格」に対応する英単語としては、cheap (安い) や inexpensive, affordable (高くない、手頃な)、などがあります。
最後に
英語でも、物の値段について使われることもありますが、reasonable の本来の意味を考えると、値段の「高い・安い」そのものよりも、「商品の質や満足度、提供する手間などを考慮すると、納得のいく価格」であることに重点が置かれた表現だといえるでしょう。
海外旅行へ行って買い物をするとき、値段についてお店の人と英語で話をする機会もあるかと思います。そんなとき、reasonable を日本語の感覚で使ってしまうと、コミュニケーションがうまくいかない可能性もあります。
ぜひ単語の意味を正しく理解し、英語としても使いこなせるようになりたいですね。