気分や体調によって食べムラが多い子ども。好き嫌いもあって、なかなか食事が進まない、と悩んでいるパパママの話をよく聞きます。わが家の子どもも然り。そこで、楽しく、おいしく、食育にもつながるような、食事中の会話や声かけができないかを考えてみました。
なかなか食べない子どもと、それにイライラする親
今でも、苦手な野菜が多少あり、お皿にのっていると、とたんに食べるスピードが落ちます。その日によって食べる量に差が出たり、気分が乗らずに苦手なものは手を付けない、ということもあります。
次女は、今まさに食べムラが激しい時期。昨日喜んで食べていたのに、「今日はそれはいらない」と全く手を付けないことがしょっちゅうです。私が食べさせようとすると「いやいやいや」と首を振ってのけぞって抵抗します。食べたくない気分なんだろうと思いますが、せっかく用意してくれたのに全然食べてくれず、それどころかお皿をひっくり返されたりするので正直ストレスは感じます。
楽しい気持ちが食べる意欲につながる
食事が進まないことが心配になり、地域の保健師さんに相談したり、食育本を読んでみました。そこでよく言われたり聞いたりしたのは、「楽しい気持ちで食事をすることが大切」というフレーズ。
一緒にテーブルを囲んでいる人が、イライラしていつも怒鳴っていたら、大人だって食べる気をなくしますよね。食事時間を楽しいものにすること、そして食べる意欲を引き出してあげることが、食べムラや食わず嫌いをなくす第一歩。そのためにはきつく注意するのではなく、親も食事を一緒に楽しむことが大事ということでした。
食事中は、子どもがつい食べたくなる会話や声かけを
毎回大成功!というわけにはいきませんが、残さずきれいに食べてくれる日が増えたと実感しています。「食べたくない」「嫌い」という気持ちを前向きにさせるのはなかなか大変ですが、食べることに興味を持ってもらうきっかけの参考にしてください。
1.食べてみようかなという興味を引き出す
「これ、この前●●(娘)がスーパーで選んだくれた野菜だよ、やっぱりこれおいしそうだわ~」
「さっき読んだ絵本の中のうさぎちゃんも、これ食べてたね。なんて言う野菜だっけ?」
「去年▲▲ちゃんと一緒に作ったみそのこと覚えてる?今日のおみそ汁に使っちゃったんだけどー!」
とややハイテンション気味で(笑)話しかけるようにしました。
絵本で見たり体験したことと絡めて声をかけると、「そうそう、そうだった」と目の前の料理が急によく知っているものに感じるのか、食べることへのハードルがぐっと下がるように見えました。料理や食材の名前をわざと忘れたふりをしたり間違ってみせると、子どもは「ママが間違えてる~」と楽しくなるみたいで、笑いながら自然と口に運んでくれたりもしましたよ。
2.ごっこ遊びの延長で楽しい雰囲気を作る
「お友だちもみんなおいしいって」
「●●ちゃんも一緒に食べよう、って言ってるよ」
まだ言葉をきちんと理解できない次女ですが、にこにこ楽しく、まるでおままごとをしているような雰囲気を作ってあげるようにしています。すると、気分が盛り上ってくるのか、もっともっと、とせがんできて気付いたら完食していた、ということも。
テーブルではなく、マットなどをひいてバンボに座らせ、ピクニックのような雰囲気を作ることも。遊びながらの食事になってしまうことに最初は抵抗がありましたが、それよりもまず食べてくれることを優先。結果として、食べてくれることが増えたので筆者としては大満足です。
3.とにかくほめる、ひたすらほめる
そうやって気分のよいところに、
「これ、苦手なんだっけ?食べられるかなー」
と仕向けると、
「食べられるよ!見ててねー」
と得意気に食べてくれたり。食べてくれたらほめる、を繰り返して完食に導いたこともあります。
余談ですが失敗例も……
その代りですが、「食べ終わったあとのお皿がきれいなのはどっち!?選手権」や「いただきますとごちそうさまが上手に言える子誰だ?」ということはときどきやっています。ちょっとゲーム感覚を取り入れると、食事の時間が楽しくなりますよ。やり過ぎると食べることを忘れてしまうので、ほどほどに取り入れています。
無理強いはせずに、まずは食べたい気持ちを盛り上げて
きっとこれまでと比べて、自然と表情も和らいでいたことでしょう。そのことだけでも、子どもにとって、もしかしたら食事が楽しい時間だと思えるきっかけになっているのかも、と思いました。子どもはママが笑顔だとそれだけで喜んでくれますものね。
食べたい!食べてみたい!そんな気持ちになってもらえるような食事タイムがみなさんも過ごせるといいですね。楽しい食事はそれだけで十分な食育とも言えます。上記の3つのポイントを、会話や声かけの参考にしてください。