オルタナティブスクールは、進路を決める際の選択肢のひとつです。一般的な学校とどのような違いがあるのかご存じでしょうか?子どもの個性に沿った教育を受けられるオルタナティブスクールの特徴や、通うことのメリット・デメリットなどをご紹介します。
オルタナティブ教育とは?
オルタナティブ教育と言う言葉をご存じでしょうか?「alternative」とは「選択肢」を意味する英語で、慣習的方法をとらない、代わりとなる、型にはまらないなどと訳されることもあります。
現在の公教育とはまた異なる、もっと自由に子どもたちが自分で興味を持ったことを学び進めることや、子どもそれぞれの個性に応じた、個を尊重した教育をしようというものが「オルタナティブ教育」です。生徒すべてに画一的な教育を行うのではなく、子ども自身が課題を見つけて取り組み、それぞれに応じた教育を行うことだと言えるでしょう。
オルタナティブスクールとはどんな学校?
オルタナティブスクール(Alternative school)は、日本ではまだ数が少なく、認知度が低い状況にあります。学校それぞれの教育理念や学習計画に乗っ取った、独自の教育方法で教育が進められるのがオルタナティブスクールの大きな特徴です。
日本で普通にある公立校は、文科省が定めた学習指導要領に沿った教育が行われる認可校ですが、オルタナティブスクールではそのような決まりはありません。必然的にオルタナティブスクールは法的には無認可の学校という扱いになり、多くはNPO法人や一般社団法人が運営しています。
オルタナティブスクールの種類と特徴
シュタイナー教育
ルドルフ・シュタイナーがドイツでスタートさせた教育実践です。教育そのものが芸術であるとし、このことからも分かるように芸術的分野に力を入れています。
子どもの体と心の発達観に基づき、初等部(小学校)・中学校・高校の12年間の体型的なカリキュラムを組んでいることが特徴です。入学からの8年間は同じ先生が担当し、エポック授業など芸術的な授業が行われます。
モンテッソーリ教育
サドベリースクール(デモクラティックスクール)
サドベリースクール、またはデモクラティックスクールと呼ばれるオルタナティブスクールは、特に多くの面で自由度が高いのが特徴です。カリキュラムやテストがなく、学校の運営はスタッフと子どもを合わせたミーティングで決定。毎日の学びは子どもが自分で自由に決めて、自発的に行います。
なお認可制ではなく、サドベリースクールの先駆的存在である、アメリカのサドベリー・バレー・スクールの教育方針に共感した学校の総称です。このため学校によってそれぞれ雰囲気や理念の違いがあります。
サマーヒル
イエナプラン
フレネ教育
オルタナティブ教育のメリット
子どもが主体性のある学びができる
個性が尊重される
オルタナティブ教育のデメリット
無認可の場合は不登校扱いになることがある
公立校に比べて費用が高い
学校数が少ない
フリースクールとの違いは?
本来オルタナティブスクールといえば、フリースクールやホームスクールなどを総称したものですが、現在の日本ではまだそのように認知されているとは言えません。
日本では一般的にフリースクールといえば、不登校になった生徒や一般クラスになじめずに悩む生徒が通う学校というイメージが強いものです。一方のオルタナティブスクールは、一般的な学校教育ではない教育方針や授業の進め方、教育理念などに惹かれて、生徒が自ら入学するという点で異なるものとされています。
どんな理由でオルタナティブスクールを選ぶ?
オルタナティブスクールは、1年生のときから入学する場合もあれば、一条校から転入する場合もあります。親が子どもに「個性を尊重した教育を受けさせたい」と考える場合や、子どもの個性が強く「決められたルールのなかで生活するのが合わない」という場合、何らかの理由で子どもが不登校になり、自由でのびやかな校風に惹かれて入学を希望するなどが多く聞かれる理由です。
公立校とオルタナティブスクールのどちらが正しく、またどちらが間違っているということはありません。子どもが通う学校の選択肢のひとつとして捉えることが大切です。