2018年02月11日 公開

つい出てしまうNGフレーズ……言い方だけで子どもは変わる⁉

日々忙しく、子どもの言動にイライラしてしまうことってありますよね。そのイライラを怒りの感情とともに子どもにぶつけてしまう、ということもあるのでは?つい言ってしまいがちなNGフレーズですが、言い方を少し変えてみたら、子どもの反応も変わるかもしれませんよ。

日々忙しく、子どもの言動にイライラしてしまうことってありますよね。そのイライラを怒りの感情とともに子どもにぶつけてしまう、ということもあるのでは?つい言ってしまいがちなNGフレーズですが、言い方を少し変えてみたら、子どもの反応も変わるかもしれませんよ。

NGフレーズ:片付けなさい!

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筆者には2歳の娘がいます。おままごと遊びをよくしているのですが、遊んだ後の部屋はもちろん、おもちゃが床やソファに散乱。

散らかっていると、掃除はできないし、座る場所もないし、ついイライラして「片付けなさい!」と言ってしまいます。でも、子どもからすれば、せっかく楽しく遊んでいるのに、頭ごなしに叱られても、どうしてお母さんが怒っているかわからないですよね。

【そんなときはこんな風に言い換え】
◆「おもちゃが散らかっていると、掃除機がかけられないからママ困るの」

母親を主語にした伝え方にしてみました。娘は「え?ママ困っているの?」と素直に驚いた様子。そしてママのために片付けようという気持ちになってくれました。

片付け方が乱雑でしたが、その子なりに片付けてくれていたので、「ママ助かったわ、ありがとう」とまずは伝えました。

褒められて、子ども自身も嬉しそう。さらに「部屋がきれいになっていると気持ちいいよね!」と伝え、本人にも片付けることが気持ちよいと気付かせるように声がけしました。

NGフレーズ:どうしてちゃんとできないの?

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片付けを少しずつ意識するようになった娘がある日、「片付けできたよ!」と得意げに報告をしに来たので、「どれどれ」と見に行ってみると、大人から見れば全然片付いていない状態でした。

そんなとき、自分がイライラしていたらきっと、「どうしてちゃんとできないの?」と言ってしまうでしょう。

子どもとしては、一生懸命片付けをしたつもりで、ママが褒めてくれるかなぁとワクワクしながら報告しに行ったはず。その気持ちにこの一言はとてもショックですよね。

【そんなときはこんな風に言い換え】
◆「本は本棚に戻して、床に出ているおもちゃはこの赤い箱の中に入れると、ママもここに座れてお休みできるからうれしいな」

子どもからすれば、「ちゃんとできる」という抽象的な表現はわかりにくく、親が求めている状態がわからないので、いつまでもその溝が埋まりません。「ちゃんと」というのは、どういう状態なのか、なるべく具体的に、子どもがわかりやすい言葉で説明するようにしました。

そして、一度伝えただけじゃできなくて当然!なので、何度も繰り返し同じ表現で伝えるようにしていくと、説明した通りに片付けをしてくれることも増えていきました。

NGフレーズ:ブロック投げちゃダメでしょ!

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ブロックで遊んでいた娘が、急にブロックをつかんで、壁に向かって投げはじめて大喜び。その姿を見て慌てて、「ブロック投げちゃダメでしょ!」とすごい形相で怒鳴ってしまいました。すぐにやめさせたい気持ちから声も大きく、強くなってしまって、娘はびっくりして大泣き。また、怒鳴ってしまった自分も自己嫌悪に陥ることに……。

【そんなときはこんな風に言い換え】
◆「ブロックが誰かにぶつかったら痛いよね、怪我をするかもしれないからやめようね」

自我が芽生える1歳半から3歳頃の子どもは、「ダメ!」「いけません!」などの高圧的に自我を否定する言い方では、余計に反発したり泣いてしまったりするので、なるべく控えたいもの。

「ブロックが壁にぶつかって音がするのが楽しいのかな?」と一旦子どもの気持を受け止めた上で、どうしてダメなのかをよく説明するように言い換えました。

わがままを言ったり反抗したりする場合は、「こういうのもいいよね」と安全な別の遊びを提案してみたり、気分を変える誘いをすると、子どもは意外と簡単に気持ちを切り替えられたりします。

NGフレーズ:もう知りません!

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Maros Bauer / Shutterstock.com
そろそろお出かけの時間、準備をしなければいけないのに、遊びをやめない娘。「そろそろお出かけだから遊びは終わりにしようか」と優しく言っても「いやだ、いやだ!」と叫んでそこから動かない。時間だけが過ぎていってイライラが上昇……。

言っても意味がないとわかっているのに、つい一言「ママはもう知りません!」

【そんなときはこんな風に言い換え】
◆「お出かけが嫌なのかな?帽子をかぶるのが嫌なのかな?ママに教えてくれる?」

子どもはママに「知らない」と言われたら、ママから嫌われた、見放されたと感じて悲しくなり、さらに激しく泣いてしまうでしょう。

子どもは親の注意を引くために、何かを訴えたくて泣いていることが多いので、何を訴えたいのか、子どもの気持になって聞くように心がけています。

子どもが納得するまで相槌を打ちながら「うんうん、そうだね」と受け止めるようにすると、自分の気持をわかってくれた、と安心して少しずつ気持ちが落ち着いていきます。根気がいるのですが、「時間に遅れるとママ困ってしまうの」と自分の気持ちも伝えながら声がけしています。

NGフレーズ:自分でやりなさい!

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PR Image Factory / Shutterstock.com
朝はそうでなくても慌ただしいのに、娘は起きてくるなり「ママ~お水飲みたい」「ママ~着替えたい」、「ママ、服選んで」と何でも親任せ。もう一人でできることもあるのに、やってみようともせずに「ママ、ママ」呼ばれると、家事がはかどらなくて、「一人でできるでしょ?自分でやりなさい!」と言ってしまいがちです。

【そんなときはこんな風に言い換え】
◆「一人でできることあるかな?ちょっとやってみようか!」

敏感な子どもの場合、強い言葉で言われるだけでも叱られたと思って、大泣き……。余計に機嫌が悪くなって家事が進まなくなりますよね。

怒鳴りたい気持ちをぐっとこらえて、少しでも一人で取り組めるよう、優しい言葉で促すように心がけています。そして少しでも取り組む姿勢が見えたら、うまくできていなくても「一人でお着替え、やってみたんだね」とその努力を認めて声がけしています。

時間がないときは、すぐに手伝ってしまいたくなるのですが、「こうしたらできるかな?」とやり方を提案するようにすると、次からは一人で取り組んでくれ、結果的にスムーズに進むでしょう。

自立へのサポート役を意識しよう

正しいことを伝えていても、親が感情的になって怒ってしまうと、子どもは泣くか、反抗するかと逆効果になってしまいますよね。「〇〇しなさい」「何でできないの?」と否定的な表現を多く浴びせてしまうと、最も大事な【自己肯定感】が育たないのではないかと思い、避けるように心がけています。

結果ではなく、その過程をよく観察し、認めて、肯定的な表現で声がけをすることで、自分は何でもできる!と自信をつけて、【自己肯定感】が育ってくれるのではないでしょうか。

親は子どもをヘルプするのではなく、【すべてにおいて子どもの自立を促すサポート役】だという認識を持って、声がけできたらよいかな、と感じています。

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この記事のライター