ノンネイティブが話す英語は、地域ごとになまりがあるもの。なかでも日本人の話す英語は、ネイティブにとって聞き取りづらいようです。長期間学習を重ねた日本人の英語でも、聞き返されることが多いのはなぜでしょうか?日本語なまり英語の特徴と、通じない理由をまとめてみました。
1.カタカナ英語が浸透しすぎている
テレビのバラエティ番組などで、日本人がカタカナ英語を使って外国人と話す場面はよくあります。このとき、うまく通じないシーンを目にしたことはないでしょうか。
日本人は幼少期からカタカナ英語に慣れ、そのあとに英語を習得する学習環境にいます。これが英語の正しい発音や、リスニング面で苦労しがちな理由のひとつでしょう。
2.日本語には英語のような抑揚がない
両方を比較すると、字幕版の登場人物から「感情の起伏が一層強く伝わってくる」という印象の違いに気がつきます。これは「日本語は抑揚が少なく、英語にはある」ことに起因するのでしょう。
基本的に日本語は、一本調子で話す言語です。母国語である日本語のイントネーションを英語にも適用しようとすると、抑揚のない英語になってしまいます。これが英語らしくない英語を生む理由。結果として「日本人が話す英語がネイティブには通じにくい」という現象が起きると考えられます。
3.日本語と英語はリズムの取り方が異なる
「pineapple(パイナップル)」を例に見てみましょう。
日本語:「パ」-「イ」-「ナ」-「ッ」-「プ」-「ル」の6拍
→ひとつのモーラが「子音+母音」で成り立ちます。
英語:pine-apple(「パイ」-「ナッポゥ」)と2音節
→ひとつの音節が「子音-母音-子音」で成り立ちます。
日本語では6拍かけて発音する語彙が、英語ではたったの2音節です。「タ・タ・タ・タ・タ・タ」と「タ・タ」と文字にしてみるとわかりやすいはず。このリズム感の差が、日本語なまり英語の最大の特徴とも言えます。
4.英語では綴りどおりに発音しないことがある
リエゾン:文中の2つの単語をつなげるように発音するケース
リダクション:あるはずの音が変化して欠落するようなケース
アメリカ英語を例に、アナ雪で大ヒットした主題歌のタイトル『Let it go』の発音を、カタカナ英語とネイティブで比べてみます。
日本語:レット・イット・ゴー
英語:レリゴー
この場合の英語では、以下のようなことが起こっています。
1. 「Let」と「it」をつなげてひとつの単語のように発音する(リエゾン)
2. 「it」の「t」を発音せず省略する(リダクション)
日本人がリスニングやスピーキングでつまずいてしまうのは、こうした日本語には馴染みのないメカニズムのため。基本ルールをおさえて、いくつか例を繰り返すと慣れてきます。
インプットを増やす習慣を
抑揚・リズム・リエゾン・リダクションを楽しく習得するには、英語の歌を活用してみてください。童謡でもパパママ好みの洋楽でも、おうちや車内でかけ流すだけで、耳に馴染んでいきます。
筆者は日本で生まれ育ち、現代ほど英語学習が盛んではない時代を過ごしました。しかし気付けば英語が好きに。その理由を考えたとき、幼少期から母親が家で洋楽をかけていたことを思い出しました。1日のほんのわずかな時間でも、英語の音声を聞く習慣を取り入れて、インプットに役立ててみてはいかがでしょうか。