毎日の食事で「鉄」は足りていますか?成長期の子どもは鉄欠乏性貧血になりやすいとされています。では鉄分を上手に摂取するために、どのような食材を意識して活用すれば良いのでしょうか。鉄欠乏性貧血の症状や、食事における鉄分の摂り方についてご紹介します。
鉄は体の中でどんな役割を担う?栄養成分としての「鉄」
脳や中枢神経の発達にも鉄は大きく関わっており、脳の発達が著しい幼児期~成長期の子どもは、特に不足することないように気を付ける必要があります。
子どもは鉄分が不足しがち?
なかでも体内の貯蔵鉄が減少してくる生後7~9カ月以降は注意が必要です。離乳食を作る際は、使う食材がどのような栄養素を含んでいるのかをチェックしてみましょう。子どもの頃は、体の成長にたくさんの栄養を必要としますが、食事に対して好き嫌いをしてしまうことも多いもの。このため必要な栄養素が足りなくなりがちです。
国が定めている鉄の食事摂取基準(推奨量)は、3~5歳の子どもで男女ともに1日に5.5mgとされています。ところが平成29年度の厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、1~6歳の鉄分の摂取量は、平均値が4.3mg、中央値は4.0mgという結果でした。全体的に鉄不足傾向にあることが数値に現れています。
鉄欠乏性貧血とは
貧血と聞くとめまいやふらつきの症状がイメージされますが、これは低血圧が原因で、上半身が血液不足になるために起こります。毎日の暮らしのなかで徐々に症状が進行するため、突然発症するというわけではありません。
鉄欠乏性貧血とは、血液中の赤血球(ヘモグロビン)が減少した状態で、顔色の不良や集中力の低下、異常な眠気や、理由が思いあたらないのに元気が出ないなどの症状が現れます。本人に自覚がなく、病院で血液検査を受けてはじめて気付くというケースも少なくありません。赤ちゃんや子どもの様子で思い当たるところがないか、振り返ってみましょう。
鉄が含まれている食品
ヘム鉄以外の鉄分を非ヘム鉄と呼び、こちらは植物性食品に多く含まれる栄養素です。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高いのが特徴。非ヘム鉄を摂取する場合は、吸収率が上がるように一緒に食べる食材を工夫することが望ましいでしょう。
ヘム鉄が多い食材
【ヘム鉄を多く含む食材】
レバー、カツオ、マグロ、イワシ、アサリの水煮、牛もも赤身肉、牛ヒレ肉 など
非ヘム鉄が多い食材
【非ヘム鉄を多く含む食材】ほうれん草、小松菜、大豆製品、卵黄、切り干し大根 など
鉄分入りの栄養食品も活用
サプリメントも活用できますが、あくまでも補助的な役割だと理解して活用します。過剰症を防ぐためにも用量を守ることが大切です。
吸収率アップ!鉄分と一緒にとりたい栄養成分
ビタミンC
卵とブロッコリーを合わせて炒めるなど、組み合わせを考えて献立を立ててみてください。
たんぱく質
過剰摂取はもちろんNG。バランスのよい食事を目指して
赤ちゃんから成長期までは特に、体がさまざまな栄養素を必要とする時期。栄養補助食品も上手に活用しながら、バランスの良い食事を目指しましょう。