2017年09月02日 公開

「ちいちゃんのかげおくり」から学ぶ平和の尊さ

ちいちゃんのかげおくりは、数少ない幼児向けの戦争児童文学です。小学校低学年の国語の教科書で読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。おうち知育の一環として「ちいちゃんのかげおくり」を読み、いまいちど平和の尊さに思いを馳せてみませんか。

           
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ちいちゃんのかげおくりは、数少ない幼児向けの戦争児童文学です。小学校低学年の国語の教科書で読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。おうち知育の一環として「ちいちゃんのかげおくり」を読み、いまいちど平和の尊さに思いを馳せてみませんか。

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「ちいちゃんのかげおくり」とは

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「ちいちゃんのかげおくり」は、数少ない幼児向けの戦争児童文学です。小学校のときに、国語の教科書で読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

子ども向けの読み物としては非常に悲しい結末の作品ですが、戦時の空気を伝え、平和学習ができるお話として、小学3年生の国語の教科書に掲載されています。

作者はあまんきみこさん、絵は上野紀子さん。書籍としてあかね書房から出版されているため、一般の絵本と同じように手に取ることができます。

「ちいちゃんのかげおくり」のあらすじ

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タイトル:ちいちゃんのかげおくり
著者  :あまんきみこ(作)、上野紀子(絵)
出版社 :あかね書房

登場人物

この物語の登場人物はそれほど多くはありません。小学生の子どもでもお話を理解しやすい、シンプルな構成です。

ちいちゃん:主人公の女の子。家族と4人暮らしでしたが、お父さんは出兵。さらにそのあとの空襲で、お母さんやお兄ちゃんともはぐれてしまいます。
お父さん:病弱ながらも戦争へ行くことが決まってしまいます。出征の前日に、お兄ちゃんとちいちゃんに「かげおくり」という遊びを教えてくれました。
お母さん:お父さん出征後の空襲ではお兄ちゃんとちいちゃんを連れて逃げますが、途中でちいちゃんとははぐれてしまいます。
お兄ちゃん:ちいちゃんと一緒に「かげおくり」をして遊ぶ仲良しのお兄ちゃん。空襲で逃げる際にケガをして、お母さんにおんぶされて逃げることになります。
おじさん:空襲で一人ぼっちになったちいちゃんを見つけ、抱きかかえて逃げてくれました。
おばさん:ちいちゃんの家の近くに住むおばさん。空襲後、ちいちゃんをちいちゃんの家まで送り届けてくれます。

時代背景

太平洋戦争末期を舞台にした作品です。この頃には頻繁に日本全土に空襲がありました。病弱なお父さんまで出征を余儀なくされていることからも、日本が劣勢であることがわかります。

あらすじ

病弱なお父さんが出征する前日のこと。先祖のお墓参りの後によく晴れた空を見上げたお父さんは、「かげおくりのよくできそうな空だなあ」と言って、お兄ちゃんとちいちゃんに「かげおくり」という遊びを教えてくれます。

お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ちいちゃんの4人はかげおくりをして遊びます。青い空に浮かんだ4人のかげを見てお父さんは「今日の記念写真だなあ」とつぶやき、翌日に戦争へ行ってしまいました。その後も、ちいちゃんとお兄ちゃんはよくかげおくりをして遊びます。

そんな日を過ごすうちにいくさは激しさを増し、「しょういだん」や「ばくだん」を積んだ飛行機が空を飛びかうようになります。かげおくりをして遊んだちいちゃんの町の空色も一変してしまいました。

夏のある日、とうとうちいちゃんの町にもばくだんが落とされます。サイレンが鳴り響くなか、ちいちゃんはお母さん、お兄ちゃんと逃げることに。逃げる途中でお兄ちゃんがころんでけがをしてしまいますが、お母さんはお兄ちゃんを背負い、ちいちゃんの手を引いて走ります。しかしいつの間にかちいちゃんは、お母さんやお兄ちゃんとはぐれてしまったのでした。

知らないおじさんが一人ぼっちになったちいちゃんに気がつき、走って逃げてくれたおかげでちいちゃんは助かります。おじさんとも離れたちいちゃんを次に見つけてくれたのは、家の近くに住むおばさんでした。おばさんは、ちいちゃんの家があった場所まで連れてきてくれます。しかし、ちいちゃんの家はすでに焼け落ちてしまったあとでした。

防空壕の中で、わずかに残された食料を少しずつ食べ、お母さんとお兄ちゃんの帰りを待つちいちゃん。しかし、お母さんもお兄ちゃんも帰ってはきません。

衰弱して薄れゆく意識の中、ちいちゃんが目にしたのはキレイに晴れた空でした。空を見上げると、お父さんの「かげおくりのよくできそうな空だなあ」という声が聞こえます。ちいちゃんは一人でかげおくりを始めました。

「ひとうつ、ふたあつ」とちいちゃんが数えるうちに、いつしかお父さん、お母さん、お兄ちゃんの声がちいちゃんの声に重なります。数え終わって空を見上げると同時に、空に吸い込まれていくちいちゃん。空色の花畑には、お父さん、お母さん、お兄ちゃんが迎えに来てくれました。

こうして、ちいちゃんの命は空に消えたのです。

「ちいちゃんのかげおくり」で伝えたかったこと

この作品を通して、作者のあまんきみこさんは悲惨な戦争の実情を印象的に描き出しています。

平和の尊さ

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子どもはもちろん、大人が何度読んでも胸が締め付けられるようなストーリーの「ちいちゃんのかげおくり」。ちいちゃんとお兄ちゃんのほのぼのとしたシーンから一転、暗く恐ろしい空襲のシーンに切り替わるところでは、平和な笑顔あふれる生活を戦争が一夜にして奪いさってしまう恐ろしさが伝わってきます。戦争を知らない現代の子どもたちにも、悲惨な戦争の姿をしっかりと伝える力強さを持った作品といえるでしょう。

とくに子どもたちにとっては、年齢の近い女の子であるちいちゃんを通して当時の様子を想像することで、実体験のように戦争の現場を感じられるはず。命の尊さや平和な日常のありがたさを、自然に学びとることができるでしょう。

家族のいる幸せ

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「ちいちゃんのかげおくり」は、平和への祈りとともに、家族のいる幸せを感じさせてくれる作品でもあります。作中には、かけがえのない家族の存在を感じさせてくれるシーンが作品中に散りばめられているからです。

たとえばお父さんが出征前につぶやいた「今日の記念写真だなあ」という言葉。これから離れてしまう家族と、いつまでも4人一緒に手をつないでいたい、幸せな一日を忘れずにいたいというお父さんの気持ちが強く表れています。

空襲で逃げるときに離れ離れになったあと、お母さんとお兄ちゃんの帰宅を信じて待つちいちゃんの姿も涙を誘います。逃げようと思えば、知らないおじさんや近所のおばさんと逃げるチャンスはありました。しかし、ちいちゃんはお母さんやお兄ちゃんと再会するチャンスを失いたくなかったのです。

結果的にちいちゃんはひとりぼっちで亡くなってしまいましたが、天国で家族に会えたことを喜びます。家族が一緒にいる幸せを改めて考えさせられる物語です。

かげおくりとは?

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かげおくりは、簡単に言えば、残像効果の一種です。目で光を見たとき、その光が消えたあとも、それまで見ていた光などが残って見える……、といった経験をしたことはないでしょうか。この現象を使った遊びが、かげおくりなのです。

作者のあまんきみこさんは、子どものころから実際にこの遊びをしていたといわれています。しかし当時は正確な名称がなかったため、この本を書くときに「かげおくり」と名付けたそうです。

ちいちゃんたち家族にとっては、家族で最後に手をつないで遊んだ遊びであり、平和の象徴でもあります。

読んであげるときは、お子さまの気持ちに寄り添って

「ちいちゃんのかげおくり」は、お子さまにとってショッキングな話かもしれません。お子さまが怖がる場合は無理に読み進めず、楽しいお話をして気を紛らわせてあげましょう。いつか子どもが自分から興味を示したときに、改めて読んであげてください。

本を読んだあとは、親子で一緒にかげおくりで遊びながら、戦争や平和について話し合ってみましょう。

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WRITER

宮島ムー 宮島ムー