1円から5円、50円、100円、500円まで、日本の硬貨の一般常識をご紹介します。あなたはどれくらい知っていますか?ぜひお子さまにも教えてあげてくださいね。「2年で350万貯めた あきのズボラ家計管理」著者による連載【今すぐできる家計管理術】の第19回目です。
お金の常識、どこまで知ってる?
大人も学べる日本のお金の常識、今回は「硬貨」を中心に紹介します。
【1円玉】水に浮く特性あり
【1円玉の素材】
アルミニウム (純アルミニウム )
【1円玉の直径】
20.0mm
【1円玉の重さ】
1.00g
【1円玉の絵柄】
現行のデザインでは表に若木
1円玉のデザインは一般公募で選ばれました。「若木」のデザインには、伸びゆく日本が象徴されています。
【1円玉の豆知識】
現在の貨幣の中では一番軽く、一番直径が小さいのが1円玉。また、1円玉には「水に浮く」という特徴があります。
1円玉を、水面に対して平らになるように静かに置くと浮かびます。これは1円玉がアルミニウムでできているため。また、アルミニウムなので、歯磨き粉など研磨剤の入ったもので磨くとピカピカになりますよ。
【5円玉】実は50円玉より少し大きい
【5円玉の素材】
黄銅 (銅、亜鉛 )
【5円玉の直径】
22.0mm
【5円玉の重さ】
3.75g
【5円玉の絵柄】
現行のデザインでは表に稲穂、歯車、水。裏に双葉。
5円玉の表のデザインは、当時の日本の主な産業を象徴したもの(稲穂が農業、水が水産業、歯車が工業)。裏面は、戦争(第2次世界大戦)が終わり、新しく民主国家になった日本を象徴しているといわれています。
【5円玉の豆知識】
現行の貨幣の中では1円玉に次ぎ2番目に軽いのが5円玉。しかし、直径は同じ穴あき貨幣の50円玉よりわずかに大きいですね。5円玉は銅と亜鉛でできていますから、お酢やクエン酸など酸を含んでいるものに漬けおきし、さらに歯磨き粉と歯ブラシで磨くとピカピカになります。
【10円玉】ギザ10は7年間のみに製造された
【10円玉の素材】
青銅 (銅、亜鉛、すず)
【10円玉の直径】
23.5mm
【10円玉の重さ】
4.50g
【10円玉の絵柄】
現行のデザインでは表に平等院鳳凰堂、唐草 。裏に常盤木
10円玉の表に描かれている平等院鳳凰堂は、京都府宇治市にあり、世界文化遺産に登録されています。
【10円玉の豆知識】
現行の貨幣の中では50円玉や100円玉より大きいのが10円玉です。重さは、50円玉と100円玉の間。
10円玉も銅、亜鉛、すずでできていますから、酸性のものに漬けるとキレイになります。食器用洗剤や歯磨き粉もおすすめですよ。
ちなみに、ときどきお釣りなどに混ざっている、縁にギザギザが刻まれた「ギザ10」は、1951年(昭和26年)から1958年(昭和33年)の7年間のみに製造されたもの。ギザギザの模様は、かつて10円が高額硬貨であった頃、偽造防止の目的もあって施されたそうです。特に製造枚数が少ない年のものや未使用品では希少価値がつくこともあります。
【50円玉】穴をあけたのは100円玉と間違えないため
【50円玉の素材】
白銅 (銅、ニッケル)
【50円玉の直径】
21.0mm
【50円玉の重さ】
4.00g
【50円玉の絵柄】
現行のデザインでは表に菊花
【50円玉の豆知識】
現行の貨幣の中では1円玉、5円玉に次ぎ3番目に軽いのが50円玉です。直径では1円玉に次ぎ2番目に小さい貨幣です。5円玉や10円玉より50円玉の方が小さいのです。
最初の50円は昭和30年にニッケルでつくられたそうです。公募によりデザインが決定されたそうですよ。なお、当時の50円玉には穴はあいていませんでした。その後、100円がつくられた時に、色や大きさが似ていて間違いやすいということから、穴があけられるようになったそうです。
50円玉もピカピカにしたいときには、酸性のものに漬けたり、歯磨き粉などでこすると効果があるようです。
【100円玉】500円玉の次に重たい硬貨
【100円玉の素材】
白銅 (銅、ニッケル)
【100円玉の直径】
22.6mm
【100円玉の重さ】
4.80g
【100円玉の絵柄】
現行のデザインでは表に桜花
【100円玉の豆知識】
現行の貨幣の中では、500円玉に次ぎ2番目に重いのが100円玉です。しかし、直径は10円玉よりも小さいです。
以前は銀貨幣だったのですが、銀の値段が高くなったことなどから、1967年に白銅貨幣に変更されました。そのとき、同時に50円も白銅貨幣になったそうです。材質は50円玉と同じですから、50円玉と同じ方法でピカピカにすることができます。
【500円玉】2021年に新500円玉が登場
【500円玉の素材】
ニッケル黄銅(銅、亜鉛、ニッケル)
【500円玉の直径】
26.5mm
【500円玉の重さ】
7.00g
【500円玉の絵柄】
現行のデザインでは表には桐。裏の上下には竹、左右に橘
【500円玉の豆知識】
現行の貨幣の中では一番大きく、一番重いのが500円玉です。以前は100円玉が貨幣の最高額でしたが、自動販売機の急速な普及により、1982年(昭和57年)から500円玉が作られるようになりました。当時は白銅貨でしたが、材質や大きさがまったく同じ外国の貨幣を使った偽造事件が多発したこともあり、2000年にニッケル黄銅貨に変更されました。ちなみに、500円ニッケル黄銅貨幣は、大量生産型の貨幣では世界初の斜めギザを施した貨幣。この斜めギザがあることで、偽造抵抗力が向上しています。
なお、2021年には新しい500円玉が発行される予定です。絵柄は基本的に変わりませんが、裏面の下に描かれていた竹がなくなるようです。また、ヨーロッパの1ユーロや2ユーロ硬貨に使われている2色3層構造の「バイカラー・クラッド貨幣」に変更され、縁のギザの一部の形状を変える「異形(いけい)斜めギザ」と呼ばれる特殊な加工を施すとのこと。こちらも、量産される貨幣への採用は世界初だそうです。新しい500円玉では、さらに偽造が難しくなりますね。
500円玉も酸性のものにつけた後、歯磨き粉などで磨くとキレイになります。
ところで、硬貨の「表」はどっち?
お子さまに硬貨の種類を説明するときは、それがいくらであるかだけではなく、絵柄や豆知識についても教えてあげられると、より興味を持ってもらえそうですね。