2023年10月23日 公開

【床矯正・体験談】小1~小3の治療でわかったメリット・デメリット

抜歯せずに、顎の骨を成長に合わせて拡張することで、歯並びを整える「床矯正」。痛みが少なく、学校に矯正装置をつけて行かなくても良いので、続けやすい治療法です。筆者の娘の床矯正体験を基に、床矯正にかかる費用、治療期間、メリット・デメリットをまとめました。

現在中学1年生の娘が床矯正(しょうきょうせい)をしていたのは、小学1年生~3年生までの約3年間でした。
乳歯の時の歯並びが異常に良かった娘。すき間なく、きっちり生えていました。
通いつけの歯医者さんからは「ここまですき間なく、乳歯が並んでいると、永久歯が生えてきたら歯並びが悪くなると思います。」と予言されていました。乳歯より大きい永久歯が生えてくると、顎の骨の成長を見越しても、スペースが足りなくなるとのことでした。

そして、先生の予言通り、小学校入学前になると、前歯の永久歯が2本内向きに生え始めていました。さらに前左側の糸切り歯は、前歯よりだいぶ後ろから生えてきていました。
下の歯も歯抜け部分と乳歯と永久歯が混在していて、将来の歯並びがかなり不安になりました。
見た目の心配もありましたが、何より咬み合わせが悪くなったり、虫歯になりやすくなったりするなどの健康リスクが高くなることが心配でした。

床矯正とは?

小児矯正治療の一種。抜歯、ワイヤーによる固定をせず、床矯正装置で顎の骨を広げて、永久歯が適切に並ぶスペースを作る治療です。
床矯正装置は取り外し可能。1日12時間以上の装着で無理なく、歯並びを整えていきます。学校で矯正装置をつけなくても治療できるのが嬉しいですね。
(学校以外の時間はすべて矯正装置を装着して過ごします。もちろん学校でつけていてもOK。)

矯正歯科を選ぶポイント

筆者が3年間、通院してわかった「矯正歯科を選ぶポイント」は以下の通り。

・小児矯正の症例実績が多い。

・通院時間が30分以内の近隣であること(長期間通うので遠いと負担に感じます。)

・納得できる費用である。(総額いくらになるのか聞きましょう)

・医師・スタッフが患者と保護者の話をよく聞いてくれる。

先に述べた、通いつけの歯科医院は子どもの矯正を受け付けていませんでした。相談は受けるが、治療は他院に紹介するとのことでした。
自宅から5分の近さで、優しく丁寧な診療に定評がある、この歯科医院で矯正を受けたかったのですが、仕方がありません。
近隣で小児矯正に力を入れている歯科医院を自分で探すことにしました。
その結果、選んだのが電車で3駅の歯科医院でした。ここには通院時間が増えるデメリットを超えるメリットがありました。

電車で3駅の歯科医院を選んだ理由

・小児矯正専門ドクターがいる。
→骨格に合わせた無理ない矯正プランを提案してもらえる。床矯正に限らず、将来を見据えた、一番適した治療が受けられる。

・費用が良心的
→矯正が終わるまでの診察費も含めて総額200,000円

・床矯正、ワイヤー矯正、マウスピース矯正の治療実績が多い。
→子どもの症例を多く取り扱ってきているので、医師・歯科衛生士の方々の対応がとにかく優しい。
矯正器具を継続してつけさせる言葉がけや、前向きに治療に取り組めるような工夫(治療後にちょっとしたプレゼントがもらえる、待ち時間にプレイルームのおもちゃで遊べる)があることで、娘も嫌がらずに通うことができた。

ただ遠いのはやはり大変でした。
学校の6時間授業の後、習い事の前後に電車で通院するのは、親子共に疲れました。可能であれば、近くの歯科医院を選ぶことをおすすめします。

治療の流れ

1.これから生えてくる永久歯と骨格を確認するためにレントゲンをとります。

2.上下の顎の咬合面を診るために口腔内に鏡を入れて写真を撮ります。
この際、嘔吐反射が出てしまって、苦しむこともあります。
娘は6歳でしたが、泣き出してしまい、なかなか撮影できませんでした。鏡の大きさを最小サイズにしていただき、乗り切りました。
この撮影は親御さんが付き添うことをおすすめします。

3.矯正装置作製のため型をとります。
アルジネート、シリコンなどの粘土状の素材を口に入れるので、嘔吐反射を起こすお子さまは多いです。
落ち着いて鼻呼吸することで、不安感を減らすことができます。口の中に異物が入ってくる恐怖感も嘔吐反射の要因となります。
親御さんが寄り添い、気持ちを落ち着かせましょう。

2.3は口腔内を小型カメラで撮影し、3Dデータ化するオーラスキャナーで対応することもあります。
娘の歯科医院では、型取りに苦しんだ翌年からオーラルスキャナーが導入されていました!

4.3週間ほどで矯正装置が完成したら、歯科医院に受け取りに行きます。
嚙み合わせ、フィット感を先生に診てもらいます。
次回、来院は2週間後(担当医の指示に従います。)となります。
頑張って、1日12時間~14時間以上装着しましょう。(学校以外はすべてつけている状態。食事以外はつけっぱなしとなります。)

・学校に行っている間に矯正装置を洗浄・消毒しておきます。矯正装置専用の洗浄剤につけておけばOK。

・毎日の歯磨きを丁寧に。親御さんは毎日の仕上げ磨きの際に、磨き残しや歯肉の腫れなどないかチェックしてあげましょう。

5.2週間後、担当医に歯の動きを診察してもらい、矯正装置の幅を広げます。
調整直後は圧迫感、にぶい痛みを感じることが多いですが、すぐに慣れてしまうでしょう。
ただし歯肉の一部に力がかかり過ぎている場合は、我慢は禁物。炎症になる前に申し出て、矯正装置の幅を狭めたり、矯正装置を部分的に削ったりする調整をしてもらいます。

2週間ごとに調整を繰り返し、お子さまの歯が正常に並ぶスペース作っていきます。
早ければ1年以内に、遅くとも3年くらいで床矯正は完了となります。

対象年齢と治療期間

顎の骨、歯の発達を利用して行う治療なので6歳~10歳が治療に適しています。
治療期間は、歯や顎のバランスによって変わりますが、半年~3年程度です。

娘が通っていた歯科医院の矯正歯科医によると、

・床矯正に最も適しているのは、顎の骨が成長中かつ、柔らかい時期である6歳~10歳まで。

・遅くとも10歳前までには始めないと、十分な効果は得られない。

・上下4本の前歯が永久歯になってから始める治療(娘は上だけ先に始めました。)

・治療期間は1年~3年

とのことでした。

費用

総額200,000円~400,000円。一般的に、ワイヤー矯正やマウスピース矯正(相場は400,000円~1,500,000円)よりも低料金です。

娘が通っていた歯科医院では、初回検査費用、矯正装置の型取り、床矯正装置費用(上下)、2週間に1度の装置の調整と定期健診すべて含めた金額が200,000円(税抜)でした。

病院によっては、安い治療費を掲げていても、初回検査費用、装置の調整、定期健診が別料金なこともあります。あらかじめ支払総額を聞いておくと良いでしょう。

床矯正を受ける前の注意点

床矯正は顎の骨の成長を利用して、永久歯が正しく並ぶようにスペースを作ることで、正しく歯が生えるよう誘導する矯正です。
捻じれて生えている歯を元に戻す、たくさんの歯を一度に動かす、骨格に問題がある(歯の大きさに対して、顎が小さすぎるなど)、モデルのような歯並びを目指している・・・ など、スペースを広げるだけでは解決できない場合はワイヤー矯正、マウスピース矯正(抜歯が必要なこともあり)が適しています。

床矯正スタート前に担当医から伝えられた注意点は以下の3点でした。

・娘の顎は小さめなので床矯正をしても、完璧な歯並びにならない。ただ、やらないより、やった方が確実に未来の歯並びは改善される。

・床矯正をやらない場合、かなりガタガタの歯並びになるので、中学生以降に矯正期間が長くなる。児童期に床矯正を行い、中学以降にワイヤー矯正、マウスピース矯正を始めた方が仕上がりも綺麗になる。

・矯正を成功させるには親の管理が必須。小学校低学年だと、痛みや不便さを我慢してまで歯並びを整えたいと思えない子も多い。矯正器具の装着を促す、口腔内の状態を確認する、通院時間を確保するなど、親の役割が重要である。

床矯正装置の実物です。

床矯正装置のカラーを選べる歯科医院もあります。娘は上下で色を変えていました。
顎部分に触れる部分はレジン、歯にかける金具部分は金属です。
真ん中にある調整ネジを回して、幅を広げていきます。
歯肉にあたる部分は、滑らかなので痛みはありません。成長によって装置の一部分が歯肉にあたるようになった場合は、削ることも可能です。

治療中の痛みについて

骨を広げるので、内側から押される圧迫感を感じます。レジン部分のわずかな凹凸で痛みを感じることがあります。大抵の場合は数日で慣れてしまいます。
娘は装置が拡張された当日は痛がっていましたが、翌日からは「少しきついけど痛くない。」と言っていました。

何日も痛みが続くようであれば、装置を外して、痛みを訴える箇所を確認します。傷や腫れなどの異常がある場合は、装置の形が合っていない、装置拡張のスピードが早すぎる可能性があります。

痛みや違和感はすぐに相談

2週間に一度、歯科医院に行き、先生に診察してもらって、装置を広げるのですが、時には痛みを感じることもありました。
一度、我慢して2週間つけ続けていたら、装置が当たっていた上犬歯部分が血豆のようになってしまったことがありました。それから数週間は就寝時に装置をつけることを嫌がっていましたね。
床矯正リタイヤの危機でした。
そのことがあってからは、痛みが強い場合は、先生に申し出て、少し広げる幅を狭くしてもらっていました。

痛みが強い場合は、通院日前でも歯科医院に相談しましょう。広げるペースを落としたり、装置の調整をしたりすることで痛みをなくすことができます。
矯正治療の成功のカギは矯正装置の装着時間をいかに長くとるかです。
ストレスなく矯正装置をつけられるよう、仕上げ磨きの際に歯肉チェックをすると良いですね。

床矯正終了後の経過

現在中1の娘は、床矯正終了から3年経過しました。上下の第1、2大臼歯が生え変わり期ですが、その他は綺麗な歯並びだと思います。
ただ細かく見ると、矯正直後より凹凸が見られるようになりました。生え変わりと骨格の成長が進んだことで、歯列が乱れてきているのでしょう。上前歯は真っ直ぐですが、右上犬歯がやや内側に入っています。
下の歯は特に問題はないようです。完璧な歯並びを目指す方にとっては満足いく仕上がりとは言えないかもしれません。

娘も右上犬歯が気になるようなので、そろそろワイヤー矯正(裏側)を始めようと思います。

3年かかりましたが、児童期に床矯正をやっておいて良かったと思います。何もしなければ、上前歯が内向きの、全体的にガタガタの歯並びになっていたでしょう。歯が磨きやすくなったので、定期健診の際に歯石が見つかることがありません。

やってみてわかった床矯正のメリット・デメリット

【メリット】
・痛みがほとんどない。

・学校で矯正装置をつけなくても良い。

・費用が抑えられる。

・装置をきちんとつけていれば短期間で歯並びが整う。

【デメリット】
・低学年のうちは矯正装置、装着時間の管理は親がしなくてはならない。
→矯正装置を破損、紛失して作り直す場合は、上下どちらか片方だけでも、15,000円~50,000円の追加費用が発生します。

・学校以外は装着し続けなくてはならない。

・完璧な歯並びを目指すのには不向き
→床矯正は、顎の骨の成長を利用して、これから生える永久歯のスペースを作っていく優しい矯正です。
ワイヤー矯正、マウスピース矯正のように自由に歯を動かすことはできません。

矯正治療は親の根気も必要

小学校低学年~高学年にかけて行われることの多い床矯正。1日12時間以上、矯正装置をつけ続ける毎日を続けるには、親が子どものモチベーションを保たなくてはなりません。
子どもは、歯並びが良くなることのメリットを大人ほど切実に感じていません。
「綺麗になりたいから」、「将来健康な歯でいたいから」などの明確な目的を持って、自ら積極的に矯正を始める子は少ないでしょう。「親から言われたから、仕方なく矯正している」という子が多いかと思います。
そのため矯正装置の管理や装着時間を子ども任せにしてしまうと、矯正が失敗したり、矯正期間が延びてしまったりすることもあります。
数年にわたる矯正期間を支え、矯正を成功させるには、親御さんによるサポートが必須です。

親ができる矯正サポート・学校から帰ってきたらすぐに矯正装置をつけるように促す。

・時々矯正装置に破損がないか確認する。

・学校や習い事のスケジュールに合わせた通院計画を立てる。

・歯石がつかないように仕上げ磨きを念入りにする。

・時々、矯正をすることのメリットを伝える。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。