空にはもくもくと「入道雲」がひろがり、じりじりと太陽が照り付ける夏本番。空模様は移り気で、いきなりの「雷」が鳴り響き、激しい「夕立」が降りはじめます。今回は、この文章の中にも隠れている、8月の天気を表すことばをご紹介します。
もくもくと空高くひろがる「入道雲」の名前の由来は?
入道雲は、「入道のような雲」という意味で、入道とはお坊さんのことです。でもこの場合は本当のお坊さんではなく、お坊さんの姿をした巨大な妖怪のことを言います。
昔の人は、もくもくと空高く立ちのぼる大きな雲が、まるで巨大な妖怪の姿のように見えたのでしょう。
雷は、おへそが大好物の怖い神様?
この神様は雷神と呼ばれ、虎の皮のふんどしをしめた鬼のような姿していて、太鼓を打ち鳴らしています。実はこの雷神様は、人間のおへそが大好物なのだとか。「 雷が鳴ったからおへそを隠しなさい」と言われるゆえんはこの伝承にあるのです。
科学的に考えると、夏場に雷が鳴るときは急に気温が下がるため、親が子どもに風邪をひかせないように雷神様をダシに使った……というところでしょうか。昔の人の生活の知恵が今もなお、こういうところに息づいているのですね。
雷が聞こえたら、
「ほら、雷様におへそを食べられちゃうから、早くおなかをしまってね!」
「え!?おへそを食べちゃうの!?」
親子で、そんな会話をしてみるのも楽しいですよ。
雷神さまが降臨!?夕立の語源は?
雷を伴うことが多いため、雷神が降臨することを夕立と呼んだという説もあります。
やはり、夏の天気と雷神様は切っても切れない関係にあるようです。
「熱帯夜」は、天気ことばの期待のルーキー!
新しい造語なので天気ことばのルーキーといったところですね。
ムシムシとしたきびしい残暑。大歓迎なのは?
人間にとってはうんざりな暑さも、稲作にとっては大歓迎のありがたい自然の恵み。
自然とはよくできているもので、おいしいお米を作るためにはこの暑さが必要なのです。
天気ことばで楽しい会話!親子で語彙の幅を広げてみましょう!
そしてその言葉には、いろいろな由来や伝承が隠されているかもしれません。
そんな言葉の秘密をテーマにしてお子さまとコミュニケーションを取りながら、親子で語彙の幅を広げていくのも楽しいですよ。