クリスマスが近づいてくると街のイルミネーションがキラキラと輝き、プレゼント交換などの楽しみもあり、大人も子どももワクワクしますよね。
イギリスでもクリスマスは特別な日。一年の中でも1番気合いを入れて盛り上げる、家族で過ごすとても大事な祝日です。そこで欠かせないのがおいしいお料理。今回、現地在住の筆者がイギリスでよく食べられているパーティ料理とともに、クリスマスにぴったりのお料理「ソーセージプラット」をご紹介します。
イギリスのパーティフード
イギリスは子どもの頃から誕生日やイースター、クリスマスなどパーティに参加する機会がたくさんあります。その際に主催者が用意するイギリス人のソウルフードとも呼べる食べ物の定番をご紹介します。
ミニソーセージ
名前の通り小さいソーセージです。チルドコーナーに売られていて、加熱せずにそのまま食べられます。パーティの他にピクニックや子どものお弁当にも大活躍のミニソーセージです。
チーズ&パイナップル
小さく切ったチェダーチーズとパイナップルを一緒に串に刺した一品。初めて見た時は味の想像がつきませんでしたが、チーズの塩気とパイナップルの甘さやジューシーさがよく合う一品です。
ソーセージロール
スーパーにもパン屋さんでも必ず売っているソーセージロール。ソーセージが丸ごとパイに包まれて焼かれたものや、ハーブで味付けのされたミンチを包んで焼いた物、ひと口サイズから大きなサイズまであります。ランチは軽めに済ませる事が多いイギリス人の定番ランチメニューでもあり、パイが大好きなイギリス人に愛されるソウルフードです。
ソーセージプラットとは?
では今回ご紹介する「ソーセージプラット」とは、一体何なのか、ご説明します。名前にある「Plaite(プラット)」とは三つ編みという意味で、その名の通りパイを三つ編みにして焼き上げます。
先程ご紹介した「ソーセージロール」と同じように、ハーブで味付けをしたミンチを包んで焼いたものですが、「ソーセージプラット」では三つ編みにしたパイに包んで焼き上げます。パイはサクサク、中はハーブの効いたジューシーなミンチが入っていて見た目にも豪華な一品です。
いろんなハーブの香りを試してみよう
中に入れるミンチの味付けで重要なのが、数種類のハーブ。和食ではなかなか使われないハーブをこの機会に試してみるのはいかがでしょうか?それぞれ異なる香りを試す事が出来ますし、調理する前と後や他の食材と混ぜた時に変わる風味や違いを親子で体験するのも素敵ですよね。
作り方は簡単!
「見た目が豪華なだけに難しそう……」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、心配いりません。作り方はとっても簡単。「卵を割る」「挽肉を混ぜる」「パイを三つ編みにする」など子どもがお手伝いできる事もたくさんあります。
作ってみよう!ソーセージプラット
では早速、作ってみましょう。
材料
ソーセージプラット 1本(約2~3人前)
冷凍パイシート 1枚
豚ひき肉 200g
玉ねぎ 1個
卵 1個
食パン 1枚
牛乳 少々
塩 小さじ1
ナツメグ 少々
オレガノ 少々
セージ 少々
胡椒 少々
作り方
1.まずはじめに、玉ねぎを千切りにしてあめ色になるまで中火でじっくり炒めます。焦げると苦みがでてしまうので、ゆっくりと少し色づく程度にしてください。炒め終わったら冷ましておきます。
2.食パンを牛乳にひたして柔らかくしておきます。ハンバーグを作る要領でボウルにひき肉と卵を入れ、すばやく手でよく混ぜます。そこに塩こしょう、ハーブを入れてさらに混ぜます。最後に柔らかくした食パンと先ほど炒めた玉ねぎを入れて、粘りが出て白っぽくなるまでしっかり混ぜましょう。
3.次にパイシート(事前に解凍)をクッキングペーパーの上に乗せ、パイの真ん中に長方形になるように先ほど混ぜたミンチをおいてください。
4.ミンチをおいて、なるべく平らにならしたらパイ生地に写真のように切り目を入れます。写真は横向きですが縦において作業したほうがやりやすいです。
この時の横の切り目の幅を大きくすると大きな三つ編みに、小さくすると細かい三つ編みに焼き上がります。
5.切り目を入れたら、まず上下の端の生地を折りたたみます。そして手前から左右の生地を交互に重ねていきましょう。この時に生地の間に隙間が空かないように平行にピッタリと重ねていく事が焼き上がった時にきれいになるコツです。
6.包み終わったら、一度冷蔵庫にいれて30分以上冷やしてください。この手順が実はとても重要で、パイを包む作業中に柔らかくなった生地をそのまま焼いてしまうとうまくパイが膨らまなかったり、サクサクに焼きあがらなかったりする原因になります。
7.オーブンを180度に余熱します。冷蔵庫でよく冷やしたパイに刷毛で牛乳(または溶き卵)を塗ってください。
8.オーブンで20分から30分ほど焼きましょう。途中で焦げそうなときは、温度を少し下げたりアルミホイルをかぶせるなどして調節してください。中のミンチが焼けたか確認する時は調理用の温度計を使ってもいいですし(温度が75度以上になっていることを確認)、温度計が無ければフォークなどの金属をさしてみて手に1秒以上あてられないぐらい熱くなっていたら完全に焼けたサインです。
クリスマスらしく赤のビーツと緑のベビーリーフの上においてみました。ブロッコリーやにんじん、トマトを添えても華やかでいいと思います。
親子でクッキングを楽しむポイント
このお料理は「ミンチを作る」作業と「パイに包む」作業の2つがメインです。それぞれの作業で子どもが手伝いやすいポイント、楽しくなるポイントをご紹介します。
ミンチ作り
まずはじめに、ミンチに入っている卵。お菓子作りやお料理にもよく使われる食材です。お料理のお手伝いの第一歩として「卵を割る」という作業を子どもにさせるご家庭も多いのではないでしょうか?実際にやってみてはじめて感覚をつかめる作業のひとつです。最初は難しいですが、挑戦してみるとよいですね。
次に、「手でミンチ混ぜる」作業。生のひき肉を手で混ぜた感触、よく混ぜていくと変わっていくお肉の感触の違いも感じられます。
そして「ハーブで味付け」する作業。今までかいだことのない香りを試して、どのぐらい入れるかぜひ子ども達に決めさせてみてはいかがでしょうか?塩の量もレシピには小さじ1とありますが、その量でどのぐらいの塩加減になるのか想像しながら作ること、子どもに味の主導権を握ってもらうのがお手伝いが楽しくなるポイントです。
パイに包む
この作業では、出来上がりの形を想像して切れ目の幅を大きくするか小さくするか子どもに決めてもらいましょう。手順ややり方はアドバイスしながら、あとはここでも主導権は子どもに握ってもらうことがお手伝いを楽しむためのコツです。
作業自体は難しくないので、一緒にミンチをきれいな長方形になるように成形したり、交互にパイを重ねたり、親子で協力して作業してみてください。
〇〇と食べると相性抜群!
焼きあがったパイは、焼きたてをサクサクのうちにそのまま食べてもおいしいですし、冷めてからでもおいしくいただけます。そしてこのパイをさらにおいしくしてくれるものがあるのです。それがなんと「リンゴジャム」。
イギリス料理のひとつにローストがあります。豚のローストに欠かせないのが、アップルソースといわれるりんごを煮たソース。豚肉とリンゴはとても相性が良く、一緒に食べると相乗効果でぐっと味が引き立ちます。豚肉×ハーブ×りんごの組み合わせをぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか?
まとめ
これからクリスマスにお正月に家族やお友達と集まる機会も増える時期がやってきます。おうちでのおもてなしやパーティーに持ち寄るのにもぴったりなソーセージプラット。今回は一番基本的な材料をご紹介しましたが、お好みでミックスベジタブルやチーズなどを入れてオリジナルのレシピで作るのもおすすめです。子どもたちと一緒にどんな材料でつくったらおいしいか、話し合ってぜひ一度作ってみてください。