2019年01月04日 公開
状況に応じた発言をしたり、正しく文章を読み取ったり。日常生活はもちろん、将来を見据えたときにも豊富な語彙は強い味方になります。では幼児期から語彙力を高めるには、どのようにすれば良いのでしょうか?親子で語彙力を高める方法や、語彙を増やすメリットをご紹介します。
状況に応じた発言をしたり、正しく文章を読み取ったり。日常生活はもちろん、将来を見据えたときにも豊富な語彙は強い味方になります。では幼児期から語彙力を高めるには、どのようにすれば良いのでしょうか?親子で語彙力を高める方法や、語彙を増やすメリットをご紹介します。
「語彙」「語彙力」の意味とは
「語彙」という単語を辞書で引くと、「ある一つの言語体系で用いられる単語の総体」と説明があります(三省堂 『大辞林』)。これを日本語圏でいうなら、「日本語で使用される単語をまとめて表現したもの」ということになるでしょう。
語彙力というのは「いかに単語を知っているか、その能力」のことです。たくさん言葉を知っていれば語彙力が高いということになり、単体に言葉が乏しい状態のことを語彙力が低いと表現します。
語彙力が高い人のメリット
語彙力が高いと、自分の気持ちや考えを的確に相手へ伝えられるだけでなく、相手のことも理解しやすいということが言えます。表現するときや説明をするとき、なるべくわかりやすいよう具体的に言い替えることも可能。このため話に説得力が出ることも特徴です。
語彙力は常に伸ばすことができ、高い語彙力は教養があると感じさせます。将来社会人として働くようになったとき、ビジネスシーンでも多いに役立つことでしょう。
語彙力が乏しい場合、相手の言葉を正確に理解することは困難です。文字情報しかない物語や本を読むときにも、支障をきたす可能性があります。学習面においても、文章の内容を読み取り、意味を理解することが求められる国語で苦労してしまうかもしれません。
子どもにはできるだけ多くの言葉に触れさせ、語彙力を高めてあげましょう。
幼児期から語彙を増やす方法
幼児期から語彙力アップを目指す方法をご紹介します。語彙を増やすには、漢字や国語の学習をするのも正論ですが、勉強となるとなかなか継続できません。特別難しいものではなく、遊びの一環として取り入れられる方法を考えてみましょう。
正確に気持ちを伝える言葉を選ぶように促す
「気に入った」「かわいい」「しまった」「おいしい」など、さまざまな表現をまとめて奪ってしまうのが「ヤバイ」という単語です。若者を中心に、どんな事柄でも「ヤバイ」とひとまとめに表現してしまうことがあります。
「ヤバイ」「スゴイ」などの言葉を子どもが使ったら、自分の気持ちにより忠実な言葉で言い替えるように促してみましょう。
待ち時間にしりとりを活用
例えば電車やバスの待ち時間、飲食店での待ち時間など、少しのすき間時間で語彙力アップを目指しながら遊べるのが「しりとり」です。わざと大人が難しい言葉を使って、子どもに「それどういう意味?」と興味を持たせるのも良いでしょう。親子の会話や経験を通して、子どもはどんどん言葉を吸収していきます。
ほかにも「4文字以上の単語のみ」や「言葉の中に"さ"が入らない単語のみ」など、独自の制約を設けて言葉選びを難しくする工夫もおすすめです。
一緒に本を読み感想を教え合う
親子で一緒に本を読んで、感想や意見を伝え合うのも楽しそうです。子どもが読んだ本のあらすじを解説してもらうのも一案。難しい本である必要はなく、最初は1冊が短い本や絵本、マンガからスタートしても構いません。
本から語彙を増やせるだけでなく、活字に慣れることで将来、読書への抵抗感を減らす効果が期待できます。パパママと感想を交換するなかで、同じ本を読んでも人それぞれ感じ方が違うという理解にも繋がるでしょう。
オリジナルダジャレを考える
子どもは多くの場合、ダジャレが大好きです。ダジャレのもつ独特の面白さ、音の響き、「おや?」という発見など、子どもは言葉遊びに素直な感動を覚えます。定番の「ふとんがふっとんだ」「庭には二羽ニワトリがいる」「このカレーはカレー(辛い)ね」などからスタートし、同音異義語を見つけてダジャレを作ってみてください。
なかには幼児向けのダジャレ本もたくさん出版されています。それらを参考にしてみても良いでしょう。
漢字練習に工夫を
漢字の宿題が出たときはチャンス。ひとつの漢字が持つ意味やイメージ、使い方を総合的に学んでおくと、漢字は覚えやすくなります。たとえば「明」なら、単純に色の明暗だけでなく、「夜が明ける」など場面が転換する意味合いも持った漢字です。
漢字に関連したいイメージができれば、「明日」という熟語の意味も分かりやすくなるでしょう。漢字力は将来、漢字検定を受けるときや受験の際の勉強法としても役立ちます。
親子の会話で気をつけたいこと
親子の会話は、子どもの語彙の成長に大きな役割を果たします。パパママが「ヤバイ」のような言葉を多用していると、子どももそれに慣れてしまいます。お手本となれるように、できるだけたくさんの言葉を使うように心がけてみてください。
「かわいい」と褒めるときにも、「お姫様みたいだね」「よく似合うね」「華やかになったね」「雰囲気が変わったね」など、いろいろな言葉で言い替えことができます。
さらにパパママは、子どもが自分の気持ちをきちんと言葉で伝えられるように促すことも大切です。「どう思ったの?」「どうして?」「それで〇〇ちゃんはどうしたの?」「どうしたら良かったと思う?」など、子どもが気持ちを言葉で表現しやすいようにサポートしましょう。
言葉に言い間違いがあったときは、子どもだからと流してしまわないこと。そのときに正しい言葉を教えてあげるのがポイントです。家庭でできる語彙力アップの工夫は、こちらでもチェックできます。
親子の会話の見直しからスタート
語彙力の高い子どもに育てるために、まずはパパママとの会話の見直しをしてみてはいかがでしょうか?擬音語や擬態語だけで会話が成立していないか、流行りの言葉だけで済ませていないかなど、一度振り返って考えてみてください。たくさんの言葉で会話をすると、子どもの語彙が伸びるだけでなく、親子のコミュニケーションも円滑になりますよ。