2019年02月16日 公開

小規模保育 3歳の壁に焦らない!選択肢を増やして今できる対策を

子ども・子育て支援新制度により、0~2歳児までを受け入れる小規模保育が増加しました。しかし、3歳以降の預かり先があるのかと、頭を悩ませているご家庭も多いのではないでしょうか。今回は、小規模保育における「3歳の壁」への対策について、ご紹介します。

子ども・子育て支援新制度により、0~2歳児までを受け入れる小規模保育が増加しました。しかし、3歳以降の預かり先があるのかと、頭を悩ませているご家庭も多いのではないでしょうか。今回は、小規模保育における「3歳の壁」への対策について、ご紹介します。

小規模保育とは?

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maroke / Shutterstock.com
小規模保育は、0~3歳未満児を対象とした、定員が6人以上19人以下の少人数で行う保育のことを指します。

保育士一人あたりの担当する子ども数が少ないので、目が届きやすく、きめ細やかな対応をしてくれると好評で、乳児を預ける共働き家庭にとっても、安心して預けられる施設ではないでしょうか。

専業主婦だった筆者は、当時1歳4カ月だった息子を小規模保育ではないのですが、自宅の一部を使って家庭的な雰囲気で保育を行う「家庭的保育(保育ママ)」に預けて、仕事をはじめました。手厚いうえ、さらに急な発熱があっても、様子を見てくれるなどの対応もあり、仕事をしている身には大変助かりました。

ただし、家庭的保育を含め、小規模保育は、原則2歳児までしか在園できないため、また保活をして3歳児から通える園を探す必要があります。

卒園児を受け入れる認可保育園・認定こども園といった連携施設があるケースや、自治体によっては、他の3歳児より優先的に入園できる措置(加点など)があるようです。

「3歳の壁」とは?

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「3歳の壁」とは、待機児童対策として小規模保育施設が増設されたことにより、3歳以降の受け皿不足が起こり、そこに通っていた子どもが、行き場所を失う問題です。

他の認可保育園の3歳児クラスも定員オーバーであることが多く、なかなか希望する園に行けず、やむなく仕事を辞めるか時短にして、近くの幼稚園などに預ける保護者も多くいます。

筆者が住んでいる千葉県でも、近年、小規模保育が増え、知り合いの多くが、小規模保育にお子さんを通わせていました。しかし、今年度の保育園の1次申し込みで、8人中2人が転園先が決まらず。

2次募集に引っかかる場合もありますが、認可保育園以外でママたちが考えたのは、
・自分の働き方を変える、または辞めて近隣の幼稚園に通わせる
・無認可保育園にとりあえず通わせる
という選択肢でした。

筆者の息子は3歳で保育園から幼稚園に移りました

ちなみに、筆者は「3歳の壁」に直面したわけではないのですが、年少になるのを機に、息子を幼稚園に通わせています。

理由として、一軒家を改装した園庭のない認可保育園だったため、外遊びの時間が限られ、さらに年少になるとみんな、他の園や幼稚園に移り、同い年以上の子どもが少ないことでした。

周囲のママたちが取った対策や筆者の経験から、「3歳の壁」に直面する前にできる対策や預け先の選択肢について、まとめてみました。

「3歳の壁」のために、今できる対策とは?

万が一、希望する認可保育園に転園できなかったときのために、以下の施設を早めにリサーチしておくことをおすすめします。

幼稚園型認定こども園を探す

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近年、少子化で認定こども園に移行している幼稚園が増えています。満3歳以上で保育認定(標準時間・短時間)の「2号認定」になれば、保育園に預けているのと変わらない働き方も可能に。

しかも、保育後の預かり保育中に習い事をさせてくれるなどのメリットも。夕方習い事に通わせられない、フルタイム勤務のワーママから人気です。

ただし、時間によってはバス通園が使えない(預ける・迎えの時間が合わない)、平日にあるイベントになかなか参加できないといったデメリットもあります。

認定こども園を2号認定で4月から利用したい場合

2号認定の場合、保育園と同様の申し込み手順が必要です。筆者が住む自治体の場合、認定こども園を2号認定で4月入園を希望する場合、

1:保育園申し込みと同じ期日までに利用申請・支給認定申請と面接

2:定員を超えた場合は、各自治体で選考。保育の必要性の高い方から利用が決定される

3:保育園と同時期に選考結果が通知される

手順はすべて保育園申し込みと同様で、2号認定で入れなかった場合は、待機児童になることもあります。

2号で入れないことを想定して1号と併願する方法も

認定こども園のメリットの1つとして、どうしてもお子さんをその園に入園させたい場合、1号認定(教育標準時間認定)と併願できることです。

2号認定で入れなかったときのことを想定して、1号認定でこども園の入園枠を抑え、内定をもらっておくと安心ですね。この場合、入園手続き時、園に申告が必要になります。

ここで大切なのは、1号認定で認定こども園の枠を抑えるためには、11月1日ごろに入園願書を出して、内定をもらっておく必要があります。これは、保育園の申し込みより1カ月半ほど早いので、注意しましょう。

筆者が行った認定こども園の入園説明会では、まず1号(幼稚園部分)で入ってから、2号認定(保育園部分)になることが可能と説明を受けました。

ただし、1号認定で入った場合、
・4月の入園した直後でも、早朝、保育後の預かり保育が1号認定も利用可能か
・1号から2号の変更時期など
入園直後から働ける体制が取れるのか、確認を忘れずに。

1号認定で4月から認定こども園に通うという育休復帰ママ(2号認定に変更希望者)が、入園内定後の説明会のときに、2号認定に変更希望している人向けへの説明があったそうです。そのママは、4月は1号認定で通い、5月から2号認定の審査を自治体で受けて、切り替える予定だとか。

各園によって、それぞれ対応が違うため、併願する方や2号認定で入園したい方は、夏~秋ごろに行われる入園説明会に出席して、その場で疑問を解消しておきましょう。

預かり保育が充実している幼稚園を探す

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息子が通っている幼稚園は、7時30分からの早朝保育と、18時までの保育後の預かり保育を実施。長期休みの預かりも実施していますが、夏休み中の7~8月にかけての10日間はありません。

筆者は、基本的に在宅ワークなので、そこそこ預かりが充実しているなら、なんとか仕事ができそう……と思いきや、やはり平日イベントの自由保育参観、学級閉鎖、振り替え休日等で、地味に仕事時間が削られました。

そのため個人的に、フルタイム勤務の方が幼稚園に入れるのは、なかなか厳しいように感じます。しかし、祖父母が近くにいる、パパママのどちらかが平日休みが取れるなら、幼稚園という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

預かりが充実している園は、専業主婦家庭からも人気が高いため、認可保育園の合否が出たころには募集が終わっています。その時点で探しても、なかなか希望する幼稚園に入るのは難しいので、幼稚園組と同時期に入園手続きすることをお忘れなく。

フルタイム勤務の方はご無理せずに……!

稀なケースかもしれませんが、幼稚園と保育園が提携して、子どもの預かりをしていることも。筆者の住む地区では、朝、保育園に子どもを預けて出勤。その後、保育園のスタッフが幼稚園バスの乗り場まで送る。帰りは、またスタッフが迎えに行って、保育園に子どもを親が迎えに行くというシステムを導入している園がありました。長期休みは、一日中、保育園で過ごします。

一見、素晴らしいシステムのように思いましたが、実際に利用しているママに話を聞くと、幼稚園の保育料プラス、保育園の預かり代も掛かるので、かなりの出費に(特に長期休みはすごい額になるとか)。また役員等で平日の集まりが多い幼稚園の場合、フルタイムで働いていると負担になり、途中で保育園に転園希望を出す……という方もいらっしゃるようです。

両親共に仕事が忙しい、周囲のヘルプもない……といった状況で子育てをしながら幼稚園に入ると、親だけでなく子どもにもしわ寄せがくるので、決断は慎重にしましょう。

認可外保育施設で待機する

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自治体にもよりますが、認可外保育施設に預けた場合、加点などで優先され、1年間は認可外施設で待機する方も多くいます。

認可外で卒園するまで在園できる施設もありますが、その施設の規模・環境によっては、3歳児以上のお友だちの多くが転園し、少なくなるかもしれません。

しかし2019年10月からの幼児教育無償化で、認可外保育施設も月3万7,000円まで補助の対象となるため、経済的な負担が減ります。

待機児童となり、保育所への年度途中での入園の可能性もあるので、こちらもリサーチしてみましょう。希望する場合、認可外は先着順での受け付けなので、早めにご予約を。

悩んでいる暇はない!とにかく選択肢を増やそう!

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小規模保育に入れているママたちに話を聞くと、皆さん、とにかく情報を仕入れて選択肢を複数用意していることが分かりました。

自治体の窓口に相談しに行くと、なんとかして次の受け入れ先を確保しようと、窓口の方が必死になって話をしてくれたというママや、今在園している園長先生が親身になって相談に乗ってくれたなど、一人では解決できないことも、周囲の力を借りれば、選択肢ができて解決策が見えます。

認可保育園に入れるのが一番ですが、万が一のことを考えて、今できる対策や選択肢を増やし、「3歳の壁」の不安を少しでも解消しましょう。

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この記事のライター