毎年なにげなく食べている年越し蕎麦ですが、大晦日に蕎麦を食べる風習は江戸時代中期頃に定着したと言われています。由来は諸説ありますが、ここではそのうちの5つをご紹介します。
蕎麦のように細く長く「延命・長寿祈願」
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蕎麦は細く長く伸びるため、「延命・長寿」や「家運長命(家が末永く繁栄すること)」などの縁起を担いで食べるようになったといわれています。近隣の人に蕎麦をふるまう引越し蕎麦の「末永くよろしく」「細く長いお付き合いを」という意味にも通じると考えられています。
職人が金粉を蕎麦団子で集めたことから「金運UP」
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金銀細工師が作業中に飛び散った金粉、銀粉をかき集めるために蕎麦粉を団子にして使っていたことから、蕎麦は「金を集める縁起もの」「金運を呼ぶもの」という意味合いが生まれ、新年の金運向上を願って食べるようになったといわれています。
風雨に負けず丈夫に育つ蕎麦のように「健康祈願」
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蕎麦は風雨になぎ倒されても、翌日太陽の光を浴びると再び起き上がり元気になる植物です。また蕎麦は痩せた土地でも育ちます。そんな蕎麦の特徴にあやかって、健康の縁起を担ぐために食べるようになったといわれています。また、蕎麦の実が五臓(心臓、肝臓、肺臓、脾臓、腎臓)の毒を取り除くと信じられていたことに由来しているという説もあります。
蕎麦は切れやすいことから「苦労や借金と縁を切る」
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蕎麦はほかの麺類に比べて切れやすいことから、蕎麦を食べて1年の苦労や災いをきれいに断ち切り、新しい年を迎えることを願ったといわれています。また、その年の災厄を断ち切り、新しい年に持ち越さないといった縁起を担ぐ意味で、「縁切りそば」「年切りそば」と呼ぶこともあります。さらに、借金を打ち切るという意味で「借銭切り」「勘定そば」と呼ぶ説もあり、この場合は必ず残さずに食べるというルールがあるようです。
承天寺の「世直し蕎麦」にあやかって
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鎌倉時代、博多の承天寺で、年の瀬を越せないほど質素な暮らしの町人たちに「世直し蕎麦」として蕎麦餅をふるまったところ、次の年から町人たちに運が向いてきたという言い伝えがあります。そこから、大晦日に「運そば」と称し蕎麦を食べる習慣が生まれたといわれています。「運気そば」「福そば」とも呼ばれています。
家族みんなで年越し蕎麦を食べて良い年を迎えましょう
今回紹介した由来はほんの一部です。調べてみると、このほかにもたくさんの由来があることがわかります。毎年あたりまえのように食べていた年越し蕎麦も、由来などをちょっと話題にしながら味わうと、一層おいしく感じるかもしれません。
なお、小さなお子さまにはじめて蕎麦を食べさせる場合は、アレルギー等に十分な配慮が必要です。
なお、小さなお子さまにはじめて蕎麦を食べさせる場合は、アレルギー等に十分な配慮が必要です。