赤ちゃんや幼児の発話を楽しみながら促すことができる「ことばあそび」の絵本。おすすめの絵本を4冊と読み聞かせのコツを体験談も交えて紹介します。
しりとりやさかさ言葉など、親子で気軽に楽しめる「ことばあそび」は多いです。けれども、幼い子どもに自分で1からルールを教えて一緒に遊ぶのは、難しいと思いませんか?
そこで活躍するのが絵本です。カナダで暮らす筆者は、息子の日本語を伸ばすために、たくさん読み聞かせしてきました。その中で、繰り返し読んで、言葉の定着につながった「ことばあそび」の絵本を紹介します。親子での「ことばあそび」の参考にしてください。
「ことばあそび」って何?
「ことはあそび」の絵本を紹介する前に、「ことばあそび」はどのような遊びのことなのかを簡単に説明します。
「ことばあそび」は、言葉の意味や音、文字の並び方などを使った遊びやゲームです。日本語の「ことばあそび」には、しりとり、さかさ言葉、早口言葉、なぞなぞ、ダジャレ、わらべうたなどがあります。
「ことばあそび」は、赤ちゃんや子どもが言葉を定着させるのに、とても役立ちます。それは、「ことばあそび」によって、何度も同じ言葉を繰り返す機会を作ることが自然にできるからです。
「こどばあそび」の絵本の良いところは?
子どもの言葉を伸ばすのに役立つ「ことばあそび」。絵本はその効果を高めるのに役立ちます。
「ことばあそび」の絵本の良いところは、日本語をリズムよく楽しめるところです。赤ちゃんや幼児向けの絵本の場合、身近なものの名前を使っている場合が多いので、実際のものと名前をリズムに合わせて覚えられます。日常の中でも絵本で出てきた言葉を使う機会を作りやすいです。
また、リズムがいいので、実際に子どもが声に出してみたくなります。文字が読めない年齢でも、ママやパパに何度も読んでもらっているうちに声に出して真似を始めることもあるでしょう。
さらに、何度も繰り返し絵本を読むと、遊びのルールを自然に覚えます。例えば、しりとりを知らない幼い子どもにルールを説明するのは大変です。けれども、絵本で覚えると、細かい説明が必要なくなります。
それでは、おすすめの「ことばあそび」絵本を紹介していきます。
有名なわらべうたを題材にした絵本
著者:さいとうしのぶ
出版社:ひさかたチャイルド
たくさんの人たちに親しまれているわらべうたの「あぶくたった」を題材にした絵本です。ねずみのお母さんが「あぶくたった」を歌いながらおしるこを作っていると、家族がどんどん集まってきて、おしるこができあがったかを確認します。
絵本の読み聞かせでは、あまりおおげさな演技をしないほうがいいという専門家の方もいます。けれども、この本は、わらべうたの部分は歌とジェスチャーを交えながら読み進めたほうが楽しめるでしょう。我が家では、この絵本を読んでからは、お味噌汁などを作るときなどに「あぶくたった」を歌いながら作っていました。
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食べ物の名前をリズムよく覚えられる絵本
著者:さいとうしのぶ作(みねよう原案)
出版社:リーブル
子どもの頃に「みっちゃんみちみち」と歌ったことがある方は多いかもしれません。ただ、この歌を自分の子どもには歌ってほしくはない人は多いでしょう。けれども、とても覚えやすいリズムですよね。この歌を楽しい食べ物の歌に変えて、絵本で楽しめるのが「あっちゃんあがつく」です。
「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」から「んっちゃん んがつく おやつのじかん」まで、五十音、濁音、半濁音69音のそれぞれの音からはじまる食べ物に関係する文章に親しめます。
「じゅうじゅう」や「ぽりぽり」と言った食べ物の音もたくさん登場ので、普段の食事のときに絵本に出てきた言葉を実際に使ってみるのがおすすめです。この絵本は、幼児向けの絵本としては長いです。最初から最後まで読むにこだわらず、子どもの好きな食べ物のページを読んだり、子どもの名前の音のページを読んだりなど、工夫してみてください。
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さかさ言葉に親しめる絵本
著者:西村敏雄
出版社:福音館書店
「さかさことばでうんどうかい」は、運動会の選手入場、競技、表彰式などの様子を動物たちのイラストとさかさ言葉(回文)でユーモアを交えながら表現しています。例えば、パン食い競争では、ぞうがたくさんのパンを取ってしまいます。
ひらがなを読めるようになってから読み聞かせをすると、より言葉のおもしろさへの理解が深まるでしょう。指でなぞりながら、上からも下からも読んであげてください。上から読んでも下から読んでも同じだということに気がついたときの息子の驚いた顔は、忘れられないです。
運動会の言葉がたくさん出てくるので、運動会の時期に読むのもおすすめです。子どもが運動会についてどう思っているのかなどを知るきっかけになるかもしれません。
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言葉の繰り返しと変化を楽しむ絵本
著者:あきやまただし
出版社:金の星社
「へんしんトイレ」は、1つ単語を繰り返すことで、その単語が別の単語に変わってしまうという言葉遊びの絵本です。例えば、70歳のおばあさんが「ななじゅうななじゅう」と繰り返しながらトイレに入ると、17歳の女の子になって出てくるという感じです。
この絵本は、何度も同じ言葉を繰り返すので、どんどん読むスピードが上がっていってしまうことがあります。早く読みすぎると子どもがついていけなくなってしまうので気をつけましょう。
息子にこの絵本を最初に読み聞かせたのは2歳過ぎでした。笑ってしまうような絵本が大好きだった息子はとても気に入って、何度も何度も繰り返し読みました。現在12歳ですが、トイレにトイレットペーパーがなかったときは今でも「かみをー かみをー」と繰り返します。
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