2019年04月25日 公開
人間の生活において「天気」は、太古の昔から大きな影響を及ぼしてきました。天気予報のない時代にも天気を予想してきた先人たちの知恵が、今もことわざとして残っています。そんな天気に関することわざを、今でも使えそうなものから厳選してご紹介します。
人間の生活において「天気」は、太古の昔から大きな影響を及ぼしてきました。天気予報のない時代にも天気を予想してきた先人たちの知恵が、今もことわざとして残っています。そんな天気に関することわざを、今でも使えそうなものから厳選してご紹介します。
1.ツバメが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨
ツバメは空中を飛んでいる虫を餌にしています。この虫たちは、空気中の湿度が高くなると羽が重くなり、低い場所しか飛べません。そのため虫を食べるツバメも同じように、低い位置を飛行します。一方で湿度が低く天気が良い日には、虫たちは高く飛ぶようになり、ツバメも高い場所を飛ぶのです。
空を飛ぶツバメを見かけたら、低い場所を飛んでいるのか高い場所を飛んでいるのかを、親子で話し合ってみるのも楽しそうです。
2.夕焼けは晴れ、朝焼けは雨
夕焼けが見えると次の日は晴れ、朝焼けが見えると次第に雨になるということわざ。お天気というのは西から東へ移って行くことから、このようなことわざが生まれたとされています。
夕焼けがきれいに見えるということは、西の空が晴れているということ。つまり翌日は晴れになります。逆に朝焼けがきれいだということは、東の空は晴れているけれど、西から雲がやってくることが予想できるので雨が降るでしょう。
天気の移り変わりと翌日の予想を日記にして観察してみるのもいいですね。
3.遠くの音が聞こえやすいと雨
音は湿度が高いと伝わりやすい性質があります。雨が降るということは空気中の水蒸気が増えるため、湿度も上昇。そのため、音が伝わりやすい日は雨が降りやすいと考えられています。
さらに音は温度の高いほうから低いほうへ屈折する性質を持っていることも関係しています。天気の良い日は地表が温められるので、音は気温の低い上空へ逃げてしまい、遠くまでは伝わりません。逆に天気の悪い日には地表近くの気温と上空の気温差が大きくならないので、音が逃げずに良く聞こえるようになります。
遠くの踏切の音や電車の音などが、聞こえやすいか聞こえづらいか、子どもと出かけた際にチェックしてみましょう。
4.飛行機雲が消えないで広がると雨、消える場合は晴れ
飛行機雲は、飛行機の排出ガスに含まれる水蒸気が上空で冷やされることで発生します。この飛行機雲がなかなか消えない状況とは、上空の湿度が高いということ。空気が湿っている状態だということは、次第に雨になる可能性があるのです。逆に飛行機雲がすぐに消える日は、上空の空気は乾燥している状態なので、晴天になる可能性があります。
飛行機雲が見えるとなんとなくうれしくなるもの。そのまますぐに消えてしまうか、それともしばらく消えないでいるのか観察してみてください。
5.月(太陽)に暈(カサ)がかかると雨
月や太陽の周りに、うっすらと輪が見えることがあります。この雲のことを、暈(カサ)と言います。輪に見えるすじになった雲は、巻層雲(けんそううん)と呼ばれるもの。この雲が見えると、次第に低気圧や気圧の谷が近づいてくるとされています。これが、暈がかかると雨が降るとされる所以です。
さらに巻層雲が見えたあとに空の雲がどんどん厚くなってくると、雨が降ってくる確率はグンと高くなります。
ときには親子で空を見上げてみよう
天気に関することわざのなかには、科学的に立証されているものも少なくありません。天気の変化をなんとなく予想できると、実生活にも便利でしょう。言葉の背景を知ることで、ことわざもより身近に感じられるはずです。ぜひ親子で空を見上げて、天気のことわざを思い出してみてください。