「お米しか食べてくれない」「緑の野菜は一切食べない」など、子どもの偏食に頭を悩ませる親は多いものです。皆さんはどうしていますか?筆者の2人の娘も偏食が激しい時期があり、対応に苦労しました。わが家で取り組んだ偏食対策をご紹介します。
1. 1回の食事の分量を減らす
シンプルな方法ですが、「食べきれたあとは褒める」ことを繰り返すことによって、子どもに達成感が生まれ、「次も全部食べよう」というやる気を育てることができます。
また、その子にとっては本当に1回の食事の量が多すぎて、好きなものを食べたらお腹いっぱいになってしまうのかもしれません。
子どもによって「食べられる量」は違いが大きいもの。「もしかして偏食かな?」と感じたら、まずは全体の量を減らしてみて、様子をみてみましょう。
2. 好き嫌いを観察する
見た目が苦手なら細かく刻んで別の食材と混ぜ込んで使ったり、固い食感が苦手ならやわらかく煮込んでみたりするなど、その子が「イヤだ」と感じる部分を調理でできるだけとりのぞいてあげましょう。
一度「これなら食べられる!」という自信がつけば、その食材への抵抗感もやわらぎます。可能な範囲で調理法を工夫してみてくださいね。
ちなみに筆者の次女は、ポリプロピレン製のフォークをステンレスのフォークに替えたところ、食事が進むようになりました。口に入るカトラリーの質感が気になる子どももいるようですので、「食事そのものをあまり食べない」場合には、カトラリーを替えてみるのも良いかもしれません。
3. 「ひと口」「ひと粒」からはじめる
筆者の長女は後者で、6歳になった今でも「見たことがない食べ物」はとても苦手です。
最初のころは「食べられないものなんて出してないよ、ちゃんと全部食べなさい!」と叱ってしまうことが多かったのですが、「はじめての食べ物が苦手」という特性に気が付いてからは、「最初はひと口、ひと粒でOK」と考えるようにしました。
「ひと口でいいよ、ダメならひと粒でもいいよ」と言うと、渋々ではありますが、ひとかけらだけ口に運んでくれるようになりました。食べたものの「やっぱりダメ」という場合もありますが、「大丈夫だった!」と続けて食べてくれることもあります。
この方法で、長女は少しずつ食べられるものを増やしていきました。現在は、学校の給食ではじめてみる食べ物が出た日も、「ひと口食べてみたらおいしかったから、全部食べたよ!」などと報告してくれるようになりました。
「最初はほんの少しでいい」という安心感を子どもが持てるようになると、「食わず嫌い」を治すきっかけにつながります。
4. 食材図鑑を活用する
そこで、食材図鑑を用意して、「このページに載っているこの食材だよ」と教えてあげるようにしました。
「それは小松菜だよ。ほうれん草と見た目はよく似ているね」などと、すでに食べられる食材を引き合いに出して話すと、食材への安心感が増すようです。
子どもは調理済みの食材の姿しか見ないことも多いので、食育の観点からも、食材図鑑が家に一冊あると重宝しますよ。
ちなみに、わが家で愛読しているのは、料理・栄養研究家の佐藤秀美さんが監修した「イキイキ!食材図鑑」です。素材のカラー写真はもちろん、旬やおいしい調理法、新鮮なものの見分け方まで載っているので、子どもだけでなく、親も勉強になる一冊です。
5. 食べなくても気にしすぎない
気に入ったものばかりを食べ続けたり、成長のために糖質の高いものを好んだりするのは、子どもが小さいうちはよくあることです。嫌いなものを無理やり食べさせたり、食事の時間がつらいものになってしまったりするようでは逆効果ですから、「そんな時期もあるよね」と神経質になりすぎないようにしましょう。
筆者の次女は、ブームのものだけを一定期間食べ続ける傾向があり、今は毎日海苔ばかり食べています。「おかずを食べたあとに海苔を食べようね」と声かけはしますが、嫌がるようであれば無理強いはしないようにしています。
偏食が改善するようにいくつかの方法を試してみたら、あとはあまり気に病まずに、皆で食事を楽しんでくださいね。
「食事は楽しい」という意識付けを大切に!
一生懸命作った料理を口に運んでもらえないのは悲しいものですが、「子どもにはそんな時期もある」と思って、おおらかに受け止められると良いですね。
大切なことは、「家族皆で囲む食卓は楽しい」ということを、子どもが理解することです。「食事は楽しい」ということがわかれば、少しずつ新しい料理や苦手な食材にも「挑戦してみよう」という気持ちが育ちます。
親も子も無理をしすぎずに、楽しく偏食改善に取り組んでみてくださいね!