子どものやる気を引き出し自己肯定感を高めるには、親の「褒め方」が重要です。勝敗・優劣だけで判断した褒め方や、親の偏った価値観による褒め方などは子どもの自主性を失わせてしまう可能性もあります。子どもの能力と可能性を高める「上手な褒め方」をご紹介します。
1.具体的に褒める
子どもは褒められることで、「親がしっかり見ている」「親から認められている」と実感できます。具体的に褒めることで、より効果が高まるでしょう。
たとえば、子どもが描いた絵を見せてきたとき「上手に描けたね」と漠然と褒めるのではなく、「赤と青が丁寧に塗れていてきれいだね」などと、どこがどのように良いのか具体的に伝えます。
2.努力を褒める
たとえ結果が伴わなくとも、試行錯誤して練習・準備したことを尊重し認めることが大切です。「頑張る自分」を親が認めて褒めることは、ありのままの自分に自信を持つことになるからです。
長い人生において、勝敗の結果にとらわれず物事に集中して取り組む力は大きな糧となります。その力こそ、納得のいく成果につながるのです。
徒競走で1位になった、テストで100点をとったなど、親は目に見えてわかる結果に対して褒めてしまいがちです。勝敗・優劣に一喜一憂せず、子どもの努力の過程をしっかり見届けましょう。
3.ほかの子と比較しない
「ほかの子よりも優れている」と褒め続けることは、「相対的評価で優位であることが優れている」という価値観を植えつけます。この価値観は裏を返せば「ほかと比べて優れていない自分は価値がない」ということに。
自分自身の価値を相対的評価にゆだねてしまうことは危険です。自分が置かれた環境・条件によっては「自分に価値がない」と感じてしまうかもしれません。安定した自己肯定感を保つにも、子ども自身を認め、褒めるようにしましょう。
たとえば、ピアノコンクールで他の子より成績が良かったときは「出だしから元気に弾けていたね。落ち着いて弾けていたのは毎日練習頑張ったからかな」のように、その子の良い点を褒めます。「さすが○○ちゃん、ほかの子より上手だった」などと比較して褒めるのは望ましくありません。
4.親の気分で褒めない
子どもは親から褒められる、叱られることの繰り返しでその子なりの価値観・道徳感を作っていきます。同等の行動・成果でも、親の気分によって褒めたり褒めなかったりすると混乱し、価値観の形成がうまくできません。
褒める基準が親の気分次第だと、子どもは自分の行動・成果で褒められようとするよりも、親の顔色をうかがうようになってしまうのです。
疲れているときは、褒め方について考えるのも大変かと思います。そんなときは笑顔・スキンシップと短い言葉で褒めれば十分です。
子どもを尊重した褒め方を
子どもは褒められるたびに「自分には価値がある」「親から愛されている」と実感し、他者との比較ではない本物の自己肯定感を育てることができます。
自己肯定感を高める褒め方をされて育った子は、ストレス耐性も高いと言われています。自分自身そのものに価値があるといい絶対的自信が、困難を乗り越え克服しようとする前向きな力を生み出すのです。
我が子の将来のために、褒め方を見直してみませんか。