2022年11月14日 公開
プログラミング子ども

マインクラフトの学習教材6選:遊びを学びに!知的好奇心と教養を高めよう

知育効果の高いゲームとして知られる「マインクラフト」。木材、鉱石などのブロックを積み上げて、自分だけの世界を造りあげる「壮大なブロック遊び」です。創造力やプログラミング的思考を育てるゲームとして学校、プログラミング教室の教材に選ばれています。マインクラフトから広がる学びの世界と、マインクラフトに関連する学習教材をご紹介いたします。

2019年、人気定番ゲーム「テトリス(TETRIS )」を抜いて、売り上げ世界第1位となった「マインクラフト(Minecraft )」。
通称マイクラと呼ばれ、小中学生を中心に大ヒットしている「サンドボックスゲーム」です。

サンドボックスゲームとは、「Sandbox(=砂場)」で遊ぶように、プレイヤーが仮想世界で自由に冒険、探検、生活ができるゲーム。
定められたミッションやストーリーがないので、子どもやゲーム初心者でもすぐに遊べます。

マイクラはブロックを置いて、自分の作りたい世界を1から作るゲームです。
建築、農業、畜産、乗り物造り、料理・・・作りたいもの、やりたいことに必要な材料、アイテムのブロックを揃え、積み上げていく(組み合わせる)過程でプログラミング的思考、問題解決力、計算力、記憶力、創造力、想像力、記憶力、集中力が育まれます。
知育効果の高いゲームとして学校、プログラミング教室の教材としても頻用されています。

マイクラから広がる学びの世界

変化する天気、地域よって違う動植物の生態、高度によって生成される種類が変わる鉱石など、変化に富むマイクラの世界。現実の自然に近い仮想空間でのサバイバル生活は「理科や算数への興味を引き出す」きっかけにもなります。
ゲームへの興味、熱量を生かして、学びの世界につなげていきましょう。

天気、気候、動物・・・理科への興味

マイクラの世界は地球同様、地域よって気候や動植物の生態が異なります。
気温、湿度、高度、植生などのさまざまな地理的特徴を持つ「バイオーム(フィールド)」には平原、砂漠、タイガ(寒冷地帯)などがあります。地域によって気候、植生や鉱石の種類、空や草などの色が変わるところは、実際の自然界とよく似ています。
いろいろなバイオームで遊ぶうちに熱帯、温帯、寒冷地帯、砂漠など各地域のおおまかな気候、植生、動物の特徴を学べます。
バイオームごとの環境の違いに「面白さや不思議さ」を感じることが、理科を学ぶ第一歩となります。

例えば、ゲーム内での”降雪”を理科への興味につなげてみてはいかがでしょう。
マイクラの世界でも、雪は一定の高度がある場所か、一部のバイオームでしか降りません。

「どうして山に雪が降りやすいのかな?」
と、お子さまに問いかけて気候や地形について学びを広げてみては。
「気温が低いから。」
「高い場所だから。」
などの答えが返ってきたら、
「どうして気温が低いと雪が降るのかな?」
「高い場所はどうして雪が降りやすいのかな?」
とさらに質問して、水の三態や高度による気温・気圧の変化への学習につなげます。
天気、気候、動物、地球に関する自然科学系の図鑑を見て、学習を深めるのも良いですね。

鉱物や植物に関する興味

マイクラの楽しさの一つは必要な鉱石を自分で探し、発掘すること。
石炭鉱石から石炭、鉄鉱石から鉄インゴット、タイヤモンド鉱石からダイヤモンド・・・
鉱石を発掘することで、インゴット(金属塊)が手に入ります。それぞれとれる場所、レア度が違うので、収集欲が高められ、全鉱石の種類をあっという間に覚えてしまうでしょう。鉱石から地質、地形に興味が広がるお子さまも多いです。

建築に汎用される木材ブロックは植物への興味につなげられそう。オーク、マツ、アカシア、シラカバなどの木材の種類と特色を覚えることで、身近な植物にも関心が持てるようになります。

算数のセンス・・・数量感覚、計算力、空間認識力、図形感覚

マイクラは算数センスを磨けるゲームです。
小学校高学年以降の算数の成績を左右する算数センス。積み重ねられた立体の問題、移動する図形、体積と比などの中学受験頻出の応用問題は、算数センスがあると解きやすくなります。

マイクラは自由で壮大なブロック遊び。他のゲームよりしばりがない分、自分の頭で考えることが多いです。デザイン、ブロックの素材選びや必要個数の概算、家具の配置、家具の作成・・・家を1軒建てるにも、数量感覚、空間認識力などの算数センスをフル活動させなくてはなりません。
遊びながら算数センスが身につく、親にとっては嬉しいゲームですね。

論理的思考力

論理的思考力は「目的を達成するための過程や手順を、筋道を立てて考える力」
マイクラの世界で生活、探検、冒険するには論理的思考力は欠かせません。

「海を渡るためにボートが欲しい。白いボートが欲しいからシラカバが5個必要だ。」
「クッキーを食べたいから、小麦が2,カカオ豆が1必要。」
「羊の毛を刈るために鉄インゴットを2つ用意しよう。」
「レッドストーンを使って回路を作り自動ドアを作ろう。」
などと、
目的のために「どんな素材が必要か?」、「いくつ必要か?」、「どこに配置するか?」、「作業に必要な道具は何か?」と試行錯誤することが論理的思考力を鍛えます。

ネットリテラシー

オンラインでマルチプレイを行うと、友達と一緒に遊ぶことが可能です。(不特定多数とのマルチプレイにならないように、保護者が監督しましょう。)
お互いのワールドを行き来して、作品を見せ合ってコミュニケーションを取ることも可能です。
顔が見えない分、チャットやボイスチャットで意思疎通が上手く行かないこともあるかもしれません。お互い表情がわからないので、言い方次第では喧嘩になることもあるでしょう。特にチャットはスピード感を重視するあまり、乱暴になったり、そっけない感じになったりしがちです。
実際に合って話す時よりも、丁寧な言葉遣い(メッセージの書き方)を心がけるよう、ママパパが教えてあげると良いですね。

プログラミング的思考で地頭力アップ

文部科学省が「将来どのような職業に就くとしても、 時代を超えて普遍的に求められる力」の一つとして定義する「プログラミング的思考」。
マイクラはプログラミング的思考を養うゲームとしても有名です。

プログラミング的思考とは
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

プログラミング教育とは
子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育成するもの

引用:文部科学省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/08/1373901_12.pdf

論理的思考力とよく似ていますが、プログラミング的思考力は、より効率的に最短距離で、目的に到達するための手段や手順を考える力というニュアンスがあります。まさに「コンピューターに意図した処理を行うように指示する」学習で発達しやすい能力ですね。

プログラミング的思考力が高い人は、情報処理能力、読解力、コミュニケーション能力も高い傾向があります。地頭の良い人=プログラミング的思考力の高い人と言えるでしょう。

マインクラフトに関連した学習教材6選

楽しめるマイクラの世界観そのままの「さがして本」、プログラミング的思考をゲーム感覚で養うドリル、想像力と読解力を高めるマイクラの冒険小説など、マイクラに関連した学習教材は、楽しみながら学べるものが多いです。
遊びの延長で、勉強感なく「しっかりと勉強させたい」ママパパにおすすめです。マイクラ大好きっこはもちろん、マイクラ初心者、マイクラ未経験のお子さまも楽しく取り組めます。

マインクラフトで楽しく学べる! 地球のひみつ大図鑑

タイトル:マインクラフトで楽しく学べる! 地球のひみつ大図鑑
著者:マイクラ職人組合 (著), 左巻 健男 (監修)
出版社:宝島社

マイクラでは実在する生物、鉱物などがキャラクター、アイテムとして使われています。
地球そのものをモデルにしたようなマイクラの世界は、理科の知識を広げるきっかけがたくさん!
マイクラに登場する物質、生物の教養が身につきます。地球の内部構造、天気の変化と理由、岩石の種類とその用途、タンポポの分解図など、小学校で学ぶ理科の知識を写真とマイクラ画像で楽しく解説。

本書で身につく知識例

「マイクラの世界で壊すとサラサラと砂のように崩れる砂利ブロック。実際の砂利も粒の直径が5㎜以上、40㎜以下の程度と小さく、コンクリートやアスファルトの材料になっている。」「入手しやすく建築材として重宝する花崗岩。国会議事堂では3つの花崗岩が使われている。」

ゲームの内容に絡めた豆知識は、雑学は子どもの知的好奇心を高めます。

マインクラフトで教養が身につく! 地球のひみつクイズ図鑑

タイトル:マインクラフトで教養が身につく! 地球のひみつクイズ図鑑
著者:左巻 健男 (監修), マイクラ職人組合 (著)
出版社:宝島社

マイクラのキャラクター、アイテムにちなんだ3択問題が200問掲載されています。動植物、天気、地形、鉱物など、理科、自然科学の知識をお勉強感なく、覚えられます。

問題例「鉄の延べ棒はどうやって作る?」
選択肢「熱を加える、粉々に砕いて固める、削る」「イカが吐き出す墨の成分って何?」
選択肢「墨汁、血液が変化したもの、髪の毛などの色素」

マイクラのゲーム内での、作業を思い出すとわかる問題から少し考えさせる問題まで、知的好奇心を刺激するクイズで楽しく学習できます。

生き物、道具、鉱石などのクイズの題材となったものを、マイクラの画像と実際の写真で紹介。実物の特性、生態を知ることで、ゲームがより楽しくなりそうです。

代表的なキャラクターであるクリーパーやスティーブ(ひげの男性キャラ)たちが、ヒントを出してくれます。マイクラ経験者のお子さまでしたら、ヒント部分を隠して挑戦しても良いですね。

マインクラフトで楽しく学べる! 日本の歴史大図鑑

タイトル:マインクラフトで楽しく学べる! 日本の歴史大図鑑
著者:伊藤 賀一 (監修), マイクラ職人組合 (著)
出版社:宝島社

日本の歴史をマインクラフトの建築で学ぶ図鑑です。ブロックを積み上げて家や城を建築するマイクラの特性を活かして、日本の歴史上の建築物造りに取り組みます。
例:大阪府にある大仙陵古墳を、こけ、土、石、花崗岩ブロックを使って再現。

本書を見ながら歴史的建造物をマイクラの世界に建築することで、それを造った人物、その時代の政治や宗教まで興味が広がっていきます。

お城、五重塔、東京タワーなどを造りながら、時代背景・歴史上の人物・事件も学べます。
建造物への興味を、歴史への好奇心につなげることで、単なる暗記ではなく”知識、教養”として身につきます。

マインクラフト 公式ドリル さんすう

タイトル:マインクラフト 公式ドリル さんすう
著者:MOJYANG (監修)
出版社:小学館

マイクラを開発したスウェーデンのゲーム開発会社「MOJYANG (モヤン)」が作った初の算数ドリルです。イギリスの原書をもとにした翻訳本となります。

対象は小学1,2年生。
「数の数え方」、「たし算・ひき算」、「かけ算、分数」、「長さ・高さ」、「つみきのかたち」などを、マイクラのキャラやアイテムを使ってわかりやすく、楽しく学んでいきます。
木材や花の数を数える、ブロックを順番に数える、などのミッションをクリアしながら、数の世界を冒険することで、数の概念、図形認識力が自然に身につきます。

オールカラーのマイクラキャラクター、アイテムを見ているだけでも楽しくなる1冊。「算数が苦手」「ドリルは嫌い」というお子さまも、手に取って見ているうちに問題に取り組んでしまうはずです。

マイクラで遊んでわかる! プログラミング的思考ドリル

タイトル:マイクラで遊んでわかる! プログラミング的思考ドリル
著者:晋遊舎
出版社:晋遊舎

実際にさまざまな回路を作ることで、プログラミング的思考を身につけます。自動ドア、アイテムガチャマシーン、トラップチェストの罠・・・さまざま装置に欠かせない「レッドストーン回路」について学んで、実践していきます。
レッドストーン回路は、マイクラの世界で使うさまざまな装置を動かすための電気回路のようなものです。
回路の基本ルールから特殊な接続方法まで、「体験学習」で習得していきます。

装置を作る過程はプログラミング的思考そのもの。

1.実現したい動き=目的を考える2.必要なパーツをそろえ、回路の流れを考えながら配置する=手段と手順を考える

3.考えた回路で装置が動くか確認

試行錯誤して完成した回路で、装置が作動した時の達成感は学習意欲を高めます。

「遠隔操作の落とし穴」、「矢が飛び出るトラップ」、「ケーキの自動販売機」など、人気の装置の作り方を学習到達度に合わせて学んでいきます。

マインクラフト はじまりの島(小説)

タイトル:マインクラフト はじまりの島
著者:マックス・ブルックス
出版社:竹書房

マインクラフトのオフィシャル小説第一弾。『ゾンビサバイバルガイド』『WORLD WAR Z』で知られるアメリカのベストセラー作家マックス・ブルックスが描く、サバイバル冒険ストーリーです。

【内容紹介】
四角いからだ、四角い太陽、箱が積み重なったような建造物・・・記憶喪失でマインクラフトの世界に放り込まれた「ぼく」。
洞窟から鉱物を掘削して道具を作る、木を集め木材を作り、家を建築する、ゾンビやクリーパーと戦う、小麦を育てる・・・ぼくはマイクラの世界で生き抜くために「クラフト」の力を使って道具を作り、困難を乗り越えていく。
ぼくがこの世界で何を成し遂げるべきなのか?

ページ数359ページ。子どもにとっては長編小説かもしれませんが、それを感じさせないスピード感のあるストーリー展開です。
「もしもマイクラの世界に入り込んでしまったら?」をユーモアあふれる視点で描きつつも、前向きに挑戦する素晴らしさを伝えてくれる作品。

ゲームは学びにつなげられる

知育教材としても人気のマインクラフトはママパパからも人気。仮想空間を自由にカスタマイズする楽しさは「考える力」を育てます。

マインクラフト以外のサンドボックスゲームや、ロールプレイングゲーム、アクションゲームなども時間を決めて遊ぶ分には集中力、記憶力、創造力、想像力、推理力、反射神経などの向上につながります。頭ごなしに「ゲームは悪」を決めつけずに、子どもが好きなゲームから学びのヒントを見つけてみてはいかがでしょう。
例えば、

「サンドボックスゲームが好き→ゲーム制作のあるプログラミング教室で創造力を伸ばす」
「クエストのあるRPGゲームをよくやっている→問題を解くことで敵を倒せるゲーム形式の算数ドリル」

などのように、ゲームを通して見つけた「子どもの好き、楽しい」を習い事や家庭学習に取り入れると、長続きしやすいかもしれません。
子どもが楽しさ、面白さを感じることで、集中力がアップし学習効率も良くなります。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。