2022年05月03日 公開

【幼児~小学生】習い事を嫌がる時の対処法「子どもを伸ばす習い事の続け方」

この記事では子どもが習い事を嫌がる時の対処法をご紹介いたします。水泳、ピアノ、サッカー、英会話、習字・・・子どもの能力を伸ばすために習い事をさせているご家庭は多いかと思います。子どものために始めさせた習い事も、続けていくうちに「飽きる」、「やる気がなくなる」ことはよくあること。親の心がけ次第で、習い事へのモチベーションを上げることができます。

我が子の可能性を広げるために乳幼児期から習い事をさせているご家庭は多いですね。幼児教室やベビースイミングなど、0歳から(教室によっては胎教クラスもあります。)習える習い事も珍しくありません。

子どもが3、4歳頃までは、習い事を親が選ぶことが多いかもしれません。
その場合はどうしても
「全身運動により運動神経と地頭力が鍛えられる体操」
「東大生の3人に2人が習っていた水泳」
など、習い事で得られる知育効果で選びがち。

また定番の習い事をとりあえず習わせているご家庭も多いかと思います。
いずれにせよ子どもの「脳力、身体能力を伸ばす」ために習わせているはずです。

そんな子どものためを思っての習い事も、続けていくうちに(あるいは始めてすぐに)、子どもが嫌がるようになることもあります。
叱ったり、なだめたりしながら通わせることは親子共にストレス。せっかく習うなら、子どもが楽しく積極的に学べるようにしてあげたいですよね。
子どもが習い事を嫌がる時の対処法、習い事を続けるメリット、親のサポート法などについてご紹介いたします。

小学3年生で習い事をしている割合は87.7%!

令和元年に厚生労働省が行った「「第9回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」によると、小学3年生の「習い事等をしている」割合は87.7%でした。
この割合は学年が上がるにつれて、増える傾向があります。平成 22 年出生児が小学1年生の時は76.8%、小学2年生の時は84.7%となっています。

平成13年出生児との世代間比較では、小学1年生~3年生の3学年において、「習い事等をしている」割合は平成22年出生児が上回っていました。
平成13年出生児においても、「習い事等をしている」割合は、小学1年生は75.9%、小学2年生は81.5%、小学3年生は85.4%と学年が上がるごとに増えていました。

参考資料:厚生労働省「第回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況」令和元年調査 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/18/dl/kekka_02.pdf

人気の習い事と身につく脳力

順位男子(12,423名)女子(11,781名)
1位水泳 40.0%音楽(ピアノなど)39.6%
2位サッカー 21.1%水泳 34.2%
3位学習塾 20.4%通信教育 22.0%
4位
通信教育 19.0%習字(硬筆を含む) 21.9%
5位英会話(他の外国語を含む) 16.4%英会話(他の外国語を含む) 21.0%
6位習字(硬筆を含む) 12.9%学習塾 20.0%
7位音楽(ピアノなど) 12.4%バレエ、ダンス、舞踊 15.5%
8位剣道・柔道などの武術 9.6%そろばん 9.2%
9位野球・ソフトボール 9.1%体操 8.9%
10位そろばん 8.1%剣道・柔道などの武術 3.7%
11位体操 8.0%テニス 3.3%
12位テニス 3.8%絵・工作 2.9%
13位バレエ、ダンス、舞踊 1.9%サッカー 1.7%
14位絵・工作 1.5%野球・ソフトボール 0.9%
15位家庭教師 0.3%華道・茶道 0.8%
16位華道・茶道 0.2%家庭教師 0.3%

同調査で集計された「性別にみた習い事等の種類(複数回答)【平成 22 年出生児】」では、小学3年生の男女に人気の習い事の傾向が明らかに。
男子1位は「水泳」 40.0%、2位「サッカー」 21.1%、3位「学習塾」が20.4%、4位が「通信教育」が 19.0% 、5位が「英会話(他の外国語を含む)」16.4%となっています。

女子は1位「音楽(ピアノなど)」 39.6%、2位「水泳」34.2%、3位 「通信教育」22.0%、4位「習字(硬筆を含む)」 21.9%、5位「英会話(他の外国語を含む)」21.0%でした。

男女ともに人気が高い習い事は水泳、英会話、通信教育。
「頭が良くなる習い事」として知られる水泳。心肺機能の向上による、免疫力アップ効果もあるので、幼児期から通わせるご家庭が多いですね。

英会話(他の外国語を含む)は、近年はオンライン英会話の普及で「語学教室」を習わせる(親側の)ハードルが下がりました。手頃な料金で少人数レッスン、マンツーマンレッスンが受けられるので、英語以外の外国語にも挑戦しやすいです。

子どもの学力レベルに合わせた学習が無理なく続けられる通信教育。タブレット学習、オンラインライブ授業、担任制添削指導などで、個人の「習熟度」を見極めながら、きめ細やかな指導ができる教材が増えました。

参考資料:厚生労働省「第回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況」令和元年調査 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/18/dl/kekka_02.pdf

子どもを伸ばすのは「夢中になる」習い事

子どもの「地頭を良くするため」に習い事をさせているご家庭は多いかと思います。脳の成長は12歳までに完成します。
脳の成長期である幼児~小学生の期間に音楽、スポーツ、芸術など、何らかの習い事をさせることは、脳の発達を促進します。数ある習い事の中で特に、脳の発達を促進するものはあるのでしょうか?
例えば水泳、ピアノは「頭が良くなる習い事」として有名ですね。確かに全身運動、指先の巧緻運動は脳を活性化し、ワーキングメモリを高めます。

しかしそれ以外の習い事にも「地頭を良くする効果」があります。サッカー・バレエ・ダンス・絵画・習字・ロボット教室・・・何を選んでもOK。子どもが集中して楽しめる習い事であれば、脳に好影響があります。
夢中になって何かに取り組むこと自体が、脳力を鍛えるのです。
できれば習い事は子どもの希望を聞いて、好きなことをやらせましょう。自分が好きなこと、興味の持てる習い事は継続もしやすいです。

参考資料:菊池 洋匡「小学生の子の成績に最短で直結する勉強法」実務教育出版、2020年、P231~234

習い事を続けるメリット

未就学児の子の場合、その日の機嫌によっては習い事に行くのを嫌がることもあります。子どもをなだめながら準備をして、教室に連れて行くのは大変ですよね。時には「こんなに嫌がるなら辞めさせようかな。」と言う気持が出てくることもあるかもしれません。
しかし習い事自体を楽しめているようであれば、もう少し親が頑張って続けさせても良いかもしれません。
音楽系の習い事運動系の習い事芸術系の習い事学習系の習い事
伸びる能力の例・国語、外国語の能力

・ワーキングメモリ

・リズム感

・音感

・集中力

・想像力

・表現力
・運動能力

・ワーキングメモリ

・集中力

・自己管理能力

・心肺機能

・協調性

・ワーキングメモリ(巧緻性が高まることによる)

・集中力

・想像力

・創造力

・表現力
・学力(教科学習)

・語学力

・ワーキングメモリ

・自己管理能力

・集中力
習い事の例ピアノ、リトミック、バイオリンなど

   
サッカー、野球、ダンス、バレエなど

    
書道、絵画、造形教室など

      
学習塾、外国語、算数塾、幼児教室など

    

親御さんの中には「賞がもらえる、成績や級が上がる」ような成果がないと、やらせても無駄だと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし目立った活躍や成果がなくても、子どもが楽しく夢中で取り組めていれば、得られるメリットは多いです。
スポーツ系、勉強系、芸術系何の習い事でも、子どもが楽しく夢中で取り組めることであれば、続けるだけで地頭の良さが伸びていきます。

子どもが習い事を嫌がる時の対処法

未就学児の習い事の一部では、「保護者同伴、または見学可能」なものもありますが、習っている様子を見ることができない習い事も多いですね。
子どもが習い事を嫌がる、辞めたがる時には「嫌な理由」を聞き出しましょう。

ただ単に面倒くさいのか、習い事そのものが嫌なのか、教室(先生や友達)に不満があるのか、で親の対応も変わってきます。

親の声がけ、励ましで乗り切れるケース
・通塾、準備が面倒である
・ママパパから離れるのが嫌
先生と相談または、教室を変えるケース
・宿題が多くて嫌
・先生と合わない
・他の生徒とトラブルがある
辞めてもOK(あるいは休会)ケース
・習い事自体が嫌い
・習い事がストレスになってしまっている

叱る、言い聞かせるはNG!まずは嫌な理由を聞く

子どものためを思って習わせた習い事。子どもが習い事を嫌がる、辞めたがる時、どのように対処すればよいのでしょうか?
厳しく叱ったり、続けるよう言い聞かせてしまったりするママパパも多いかと思います。
親から見ると「飽きっぽい」、「怠けたいだけ」などと感じるかもしれませんが、まずは嫌な理由を聞きましょう。
理由によって習い事を辞める、教室を変える選択が必要な場合もあります。
親が子どもの話を聞くことで、親子の信頼関係も強くなります。親の「こうした方が良い」という意見を押し付ける前に、まずは子どもがどうしたいかをじっくり聞いてあげましょう。

子どもが嫌がる理由例

子どもの話を聞くことで「習い事」が嫌なのか、先生や友達が嫌なのかが見極められます。
いじめ
バレエ教室に通う小学2年生女の子。ある時期からレッスンを嫌がり、胃腸障害が出ていた。母親が理由を聞くとバレエ教室で特定の子からいじめられているとこと。先生に聞いても問題がないという返答。

後日、母親が発表会のバックステージでいじめの現場を目撃。すぐに先生に理由を伝えて辞めた。
胃腸障害はみるみる良くなり、辞めてから3カ月後には「違うバレエ教室でバレエを始めたい!」と言うようになった。
習い事自体が嫌
ピアノ教室に通う幼稚園(年中)の男の子。母親の希望でピアノを始めたが、すぐに辞めたがった。毎週出る宿題の曲も、母親に見張られて泣きながら練習。レッスンに行くのも嫌がっていた。

レッスン中も笑顔が少ないため、半年で辞めさせる。
その後、本人の希望で始めた体操教室には楽しそうに通っている。

教室(先生)と合わない
集団学習塾に通う小学3年生の女の子。学力別にクラス分けされていない個人塾
だった。理解が早いため演習問題もすぐに終わってしまう。平易な宿題が大量に出るため、学習意欲が低下。
講師に相談するも、平易な課題が増えるのみ。

3か月後、辞めて、学力でクラス分けされている大手塾に入った。入塾テストを受けて学力レベルに合ったクラスに入ったことで、学習意欲が戻ってきた。

幼児~小学校低学年の子が嫌がる時の対処法

・可能であれば一定期間、保護者が習い事を見学する
先生に相談して可能であれば、レッスンや指導を見学させてもらいましょう。小学校低学年までは、ママパパの側にいることで情緒が安定する子が多いです。習い事に集中できるようになってくれば、親が付き添わなくても大丈夫になります。

・習い事の後にお楽しみを入れる
習い事へ行く前にぐずる、面倒くさがるこの場合は、習い事の後に楽しみを作りましょう。
公園で遊ぶ、一緒におやつを作る、ガチャガチャをやらせてあげる、お迎えの時にちょっとしたおやつを持っていく・・・ちょっとした「お楽しみ」を準備しておくと、習い事に行く面倒さが薄れます。

・習い事の成果(できたこと、頑張ったこと)を褒める
サッカーや野球の試合で勝った、ピアノのコンクールで入賞した、水泳の進級テストで合格した、塾の全国模試で偏差値が上がった・・・などの特別な成果を上げた時は、多くの親御さんがお子さまを褒めるでしょう。

しかし目に見える成果がない場合、認めて褒めることを忘れがちではないでしょうか?
普段から習い事について、子どもから話を聞き出しましょう。きっと「できるようになったこと、頑張ったこと」をママパパに教えてくれるはずです。そこを大いに褒めてあげましょう。
幼児~小学校低学年の子のモチベーションを高めるのはママパパから褒め言葉。自己肯定感と学習意欲が高まるので、習い事をもっと頑張りたくなるでしょう。

小学校高学年の子が嫌がる時の対処法

高学年になると親が思っている以上に賢く、自己分析ができている子が多いです。習い事が自分に合っているかどうか、習い事を続けていくべきかどうかの判断は、子どもに任せても良いでしょう。
小学校低学年までと同様に、習い事を嫌がる理由を聞き出しても良いですが、お子さまによって話したがらないこともあります。

その場合は無理に聞き出さなくてもOK。子どもが習い事を辞めたい、教室を変えたい意思が強固であるならば休会する、辞めることを許可します。

理由によっては辞める決断もOK!

習い事自体が楽しくない、先生と合わない、いじめ・・・子どもの心身に悪影響があると判断した場合は速やかに辞める、休会する決断をしましょう。先にも述べた通り、子どもを伸ばす習い事は「楽しく集中できる」ものです。先生や他の生徒とのトラブルで精神状態が悪くなる習い事は続ける意味がありません。
人間関係で習い事が嫌になっている場合は、思い切って辞めて、違う教室に入り直すのも選択の一つです。

休会して様子を見る

習い事にやる気が出ない、何となく嫌になってしまった場合は、辞める前に一旦「休会」してみましょう。たいていの習い事が期限付きで休会を認めています。
ただ、「今日から、来週から」のように、直近のレッスンから休会するのは難しいです。習い事の会則、利用規約で「休会希望の場合は、休会希望前月○日までに申し出る」のように決められています。スムーズに行けば、申し出た翌月から休会することができるでしょう。

また休会中も月謝が発生する場合もあります。何カ月も休会する場合は、休会中の月謝の有無を確認しましょう。

危険!逃げ癖、辞め癖をつける「安易な辞め方」とは?

習い事をはじめて、すぐの「つまらない」「向いてないと思う」などのネガティブ発言を真に受けて、すぐに辞めさせてしまうと逃げ癖、辞め癖がついてしまうことがあります。

体操、バレエ、ダンス、学習塾、英会話、絵画・・・どんな習い事も慣れるまでは緊張もあるし、覚えることがたくさんあります。数カ月は続けてみないと、向き不向き、その習い事の面白さはわからないものです。
子どもの心身に危険が及ぶような問題がない限り、半年間は続けてみましょう。

どんな習い事もはじめは、基礎練習の繰り返しや、基礎知識を学ぶことからスタートします。
「ストレッチがつらい」、「宿題に時間がかかる」、「画材の後片付けが面倒くさい」・・・好きで始めた習い事にも、必ず「面倒・苦手なこと」があります。これをこなし、乗り越えることで能力が向上し、習い事を楽しめるようになります。

子どものモチベーションを保つのは親次第

先生に自分から質問する、家でも課題や練習に熱心に取り組む子もいる一方、「親に言われているから習っている感」が強く、受け身でやる気のない子もいます。
この学習意欲の差は子どもの性質によるものだけではありません。親の関わり方が大きな影響を与えています。
子どもの習い事について関心を持ち、応援する気持を伝えるだけでモチベーションと学習意欲は育まれます。

時々習い事を見学する、習い事についての話を聞く、小さな進歩・変化を認めて褒める、ことで習い事に取り組む姿勢が変わってくるはずです。

他の子と比べない

我が子を応援するあまり、他の子と比べてやる気を出させようとするのは逆効果。子どもの自尊心を傷つけ、劣等感を感じさせるので、返ってやる気を削いでしまうことが多いです。
「○○ちゃんは後から入ったのに、もう〇級に進級したんだ。追い抜かされちゃったね。」
「次は○○君より良い点取らないとね。」
などと、他者と比較した発言で追い込むのは避けましょう。

子どもによって成長、上達の速度は違います。その子の日々の頑張りを認めることが脳力アップの近道。大人の尺度で優劣をつけて、批判しないようにしたいですね。

習い事で「好き、得意」を見つけて人生を豊かに

子どものうちに習い事を通して「好きなこと、得意なこと」をある程度、知っておくことで、進路選択の方向性がつけやすくなります。将来どんな道に進んで、どうなりたいかがイメージできると、「何をすべきか」が見えてきます。
早いうちに将来像がある子ほど、具体的な目標設定がしやすく、勉強や準備も進めやすいです。
習い事は子どもが興味を持ったものを、自由に習わせて成功体験・失敗体験をさせると良いでしょう。

親としては無難な「子どもが才能を発揮できそうな習い事」「頭が良くなりそうな習い事」を選んで欲しいですが、そうではない習い事でも「能力・脳力」は育ちます。
習い事の成功体験だけではなく、失敗・挫折した経験も、自分の特性を知る糧になります。すぐに辞めてしまった習い事も、無駄ではないのです。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。