子どもたちにとっては、あっという間!保護者にとっては、なかなか長く感じる?そんな夏休みが終わり、新学期の季節です。連載【イギリス学校便り】第7回では、イギリスの夏の過ごし方を振り返ります。日本の夏が羨ましい~と思ってしまうほど、イギリスの夏は短いのです……。
イギリスの夏は……短い!
イギリスの夏は、日本に比べると、とても短いです。6~8月の内で太陽が燦燦と照り、日本出身の筆者が「夏が来た」と認識できる気温、27℃以上あるのは、合計約2週間程あるかどうか。
その他の日は、気温20~25℃と、夏にしては涼しい日が多いのです。暑い日の合間に急に20℃以下に下がる日もあって、「もう夏は終わったのだろうか?」と心配になる日もあります。
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スプラッシュ・パークが人気
夏はイギリスでも水遊びが人気です。
地域の公園に併設されたスプラッシュ・パークと呼ばれる、膝の高さくらいまで水が溜めてあるプールや、地面から水が噴水のように出る遊び場が、大賑わいになります。自治体が管轄しているものが主で、季節限定で無料開放しています。日本のじゃぶじゃぶ池に、少し感じが似ていますね。
また、庭つきの家では、パドリング・プール(家庭用ビニールプール)を楽む家庭が多いです。
また「夏といえばビーチ!」なのは、イギリスも同じ。しかしながら、地形の問題なのか、小石や貝殻でできたビーチが多く、砂浜のビーチは場所が大変限られています。ですから、子ども連れで砂遊びができる砂浜のビーチは、大変人気です。
夏は短く、晴れ&暑い日が続かない気まぐれなイギリス……なので、もし運よく晴れて夏らしい気温になったら、ビーチは急に大混雑!
昼前に出発しようものなら、大渋滞でビーチに着くまで何時間も車内で過ごさないといけないことも珍しくありません。天気予報や予定表とにらめっこしてビーチに行くと決めた日は、朝から心して出かけなければいけないのです!
〇〇キャンプも盛んです
習い事ができるサマーキャンプも非常に盛んです。テニスキャンプ、フットボールキャンプ、乗馬キャンプなどのスポーツはもちろんのこと、クラフトや演劇のキャンプもあります。夏休みに行われるので、総合してホリデーキャンプやデイキャンプと呼ばれることも。
一日かけてアクティビティをするコースや、半日だけで終わるもの、数日から1週間など連日通い、集中して行うコースなどさまざま。ちなみに呼び方は「キャンプ」ですが、ほとんどが日帰りです。
まだ子どもが幼かった数年前、こういった知識がなかった筆者は、最初に「〇〇キャンプ」と聞いたとき、「テントを張って寝泊まりしながら、数日かけてその習い事をするのだろうか?」と勘違いしていました!
最近では、日本でも習い事ができるサマーキャンプが増えてきているので、もっと一般的な夏の過ごし方になっていくのかもしれませんね。
母国への里帰りや旅行も多い
イギリスには、いろいろな移民家族が住んでいます。EU圏から移住、あるいは国際結婚をしてイギリス在住・子育て中という家庭も非常に多く、長期の休みは、おじいちゃんおばあちゃんや親せきに会いに、出身国へ里帰りする家庭も少なくありません。
長期休暇の前には、学校の送り迎え時の保護者同士で飛び交う質問は「ホリデーの予定は?」。その答えとして「〇〇(出身国)に帰るよ」という会話がよく交わされています。
その際、日本出身の私がうらやましく思うのは、海外への里帰りもEU圏内なら数時間の移動で着くということ(ヨーロッパ諸国を車移動する家庭も多いのです!)。
日本には十数時間かかって里帰りすることを伝えると、毎回「大変だね~」と驚かれます。
夏を謳歌せよ!
2018の夏は、日本が猛暑だったように、イギリスも例年より気温が高く、夏日が連日続く珍しい天候でしたが、通常のイギリスの夏は、サッと来てサッと去っていくような感覚です。
水辺のレジャーを楽しんだり、夏らしいアクティビティができる日は、悔いの残らないように「夏を全力で楽しむ!」のがイギリス流(ヘタをすれば次のチャンスは来年かもしれないので……!)。
筆者はイギリス在住10年以上になりますが、ちゃんと暑い日が一定期間ある日本の夏がいまだに恋しいです……。
取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。
※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓