2022年02月16日 公開

食事で救える未来がある!始めてみませんか?地球に優しいベジタリアン

最近よく聞くベジタリアン。そもそもベジタリアンとは?ブームの裏側にはあまり知られていない、世界の問題が隠れている?!ちょっとだけ、地球に良いこと始めませんか?

           
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ここ数年日本でもよく耳にするようになった「ベジタリアン」や「ヴィーガン」。一種のトレンド?新しいダイエット法?そもそもベジタリアンって何?どうして今世界中でベジタリアンが叫ばれているのでしょうか。
今回は、イギリスの最近の傾向やベジタリアンが増えている理由を、その背景にあるものを交えながら詳しくお届けします。

ベジタリアンとは?

ベジタリアンとは、日本語では菜食主義とも言われる、お肉やお魚を食べない食事スタイルの人たちのことを指します。その理由は様々で、宗教的な理由や、健康のため、そして近年では動物愛護や環境問題を理由にベジタリアンになる人が増えています。

イギリスでは人口の約11%がベジタリアン、さらにはヴィーガンも含めると約14%の人々がお肉やお魚を食べないという選択しています。ちなみにヴィーガンとはお肉やお魚に加えて動物性の原料でできた乳製品も食べない食事スタイルのことをさします。バターや牛乳、卵なども一切食べません。

イギリスでは年々ベジタリアンの数は増えていて、下のグラフで世代の割合を見てみると若い世代にベジタリアンが多いことが分かります。さらには5歳から16歳のこどもの11%がベジタリアンという調査結果も出ています。

イギリスではレストランに行けば必ずベジタリアンメニューがありますし、こどもが通う学校の給食も普通のメニューとベジタリアンメニューが選べるようになっています。学校のお友達がベジタリアン、家族の誰かにベジタリアンがいる、というのはごく普通のことで、売られている食料品にもベジタリアンでも食べられるものかどうかの表記がされています。
日本でベジタリアンというと少し特別な感じがしますが、イギリスではとても身近で誰もが一度は何を食べるか考えて選択をしているように感じます。

ベジタリアンの始まり

日本でもここ数年でよく聞くようになったベジタリアンですが、その歴史は古く元々は当時仏教徒だったインドの王が動物保護の目的で、ベジタリアンをはじめました。さらに、国民にも動物を犠牲にするようなことはやめるように注意し広めたのが始まりだそうです。インドだけでなく、ギリシャや南イタリアでも同じような風習、概念があり宗教のひとつの教えとして促進されました。歴史の中で一度なくなりかけましたが、ルネサンス期ごろから再び19-20世紀にかけて世界中に広まっていきました。

何を食べるの?

日本では人口の約4.5%とまだ少ないベジタリアン。お肉やお魚を食べないのは分かったけど、じゃあほかに何を食べるの?とピンとこない方も多いかと思います。
実際に私の周りにいるベジタリアンの人たちは野菜はもちろん豆や豆で作られた加工品を食べることが多いです。その食材のひとつがお豆腐。日本ならどこにでも売っている、だれでも一度は食べたことがありますよね。イギリスでもベジタリアンの風潮が強まり最近では数種類のお豆腐がスーパーでも売られています。私がイギリスに移住した5年前はアジアンスーパーに行かなければ買えなかったお豆腐が今ではどこのスーパーでも買えるようになりました。さらに輸入品だけではなく、イギリスの会社が作るお豆腐も店頭に並んでいます。これはいかにベジタリアンが世界の主流になっていているかの証明になるのではないでしょうか?
食べられないものをあげれば、お肉やお魚に加えてゼラチンやかつおだしなどの原材料に動物性のものが入っているものは食べられません。そのかわりに寒天や昆布だし、野菜だしなどを使って料理を作ります。

環境のためのベジタリアン

人々がこれまでのように宗教や健康のためにベジタリアンを選択するとしたら、ここ数年のようなベジタリアン人口の増加は見られなかったと思います。近年ベジタリアンが急増している大きな理由の一つには実は環境問題が深く関わっているのです。
環境問題とベジタリアン、お肉やお魚を食べない事がどうして環境にいいのか、今世界で起きている問題をあげながら説明いたします。

家畜と環境問題

私たちが普段食べている牛肉や豚肉、鶏肉にラム肉などいろんなお肉がありますがもともとは牧場で育てられた動物たちです。ではその動物たちは世界にどのぐらいいるか知っていますか?

一枚目は地球上にいる哺乳類の数の割合をグラフにしたものです。
牛、豚、羊などの家畜が60%、人間が36%、野生動物がたったの4%。なんと、私たち人間の約2倍の家畜が地球上の生命の割合を占めています。
そして二枚目は地球上の鳥類のバランスをグラフにしたものです。食鳥(おもに鶏や鴨などの食用の鳥)が70%、野鳥はたったの30%しかいないことが分かっています。これが何を意味するかというと、家畜が増加するとその動物が排出する二酸化炭素や温室効果を高めるメタンガスによって地球は温暖化し、排せつ物に含まれる有毒物質は水質を汚濁しています。これだけの家畜を放牧するのに必要な土地は地球の1/4とも言われていて、森林減少やそれに伴う野生動物の減少、生態系のバランスが崩れるなどあらゆる環境に影響を及ぼしているのです。
家畜を育てるだけでもこれだけの問題があるのに、実際に食肉加工されたお肉のうち約20%は廃棄されているのが現状です。ほかにも、卵を産まないオスの鶏は食肉にもならずに処分されたり、乳牛として飼われた牛も牛乳を作れなくなれば処分されてしまうのです。今日私たちが食べたお肉はほんの一切れかもしれませんが、その一切れを何不自由なく食べられるという裏側には私たち人間が作り出した悲惨な現状があるのです。

魚と環境問題

問題になっているのは陸上だけではありません。
海の生き物、海全体へも影響を及ぼしています。私たちが大量に魚を捕ることで、海の珊瑚を傷付けています。海の生き物の1/4は珊瑚を住みかとしていて、その珊瑚がなくなってしまうと住む場所を失った海洋生物も生き延びることができず減ってしまいます。そうなれば、魚を食べて生きる海の動物も生きられなくなります。
それだけではありません。全世界の20%のたんぱく源が魚で、主に発展途上国が漁業を主な収入源としています。もし魚が減ってしまったら収入源が減った発展途上国では貧困問題が起きてしまうのです。今すでに海に生息する魚の数は50年前の半分と言われています。私たちがおいしいお寿司を食べている時に、違う国ではおなかをすかせた人たちがたくさんいるのです。

私たちに出来る事

今まで何気なく当たり前のように食べていた食材。その背景にはたくさんの問題、犠牲にした命がたくさんあります。そしてそれは今も世界中で起きています。その問題を作り出したのも人間ならば、それを解決するのも私たち人間しかいないのです。今すぐに全てを解決するのは無理ですが、それでも私たちに出来ることはたくさんあります。

こども達へ伝える事

日本ではベジタリアンという言葉を知っているこどもはまだ少ないと思います。
そこでまず最初はその言葉を覚えてもらうことが第一歩です。お肉もお魚も使っていない物を食べたときに、これはお肉やお魚を使っていないからベジタリアンだね、今日はベジタリアンメニューにしてみたよ、というようにベジタリアンをまずは身近なものとして認識させることから始めましょう。そしてこどもの年齢や成長に合わせてどうしてベジタリアンがいいのか、何のためにベジタリアンなのか、と話を広げていけたらといい思います。あくまで何を食べるか決めるのはこども自身というスタンスで、私たちが毎日お肉やお魚を食べている背景には世界中で起きている問題があることを伝えてみてはいかがでしょうか?そのうえで、ベジタリアンという選択肢を与えてみる、私たちが抱えている問題を踏まえて、当たり前のようにお肉やお魚を食べることを一度親子で疑問視してみるのもいいと思います。
普段からどんな食材でもどこから来て、どのようにして食卓に上がっているのか話し合うのはとても大事なことですよね。

ベジタリアン食のコツ

少しでも地球に優しい食事を多くの人が食べられるように、我が家でも食べているベジタリアン食のコツをご紹介します。

日本には世界に誇る素晴らしい大豆文化があります。これを使わない手はないです。
まずはお豆腐。例えばごはんがすすむおかず代表のそぼろ。普段は鶏肉や豚肉などのひき肉を使うところを木綿豆腐に変えてみましょう。柔らかいお豆腐のそぼろは小さいお子さんも食べやすくておすすめです。
さらに、こどももみんな大好きミートソース。これも普段使うひき肉の代わりに、大豆の水煮を使います。細かく刻んでもいいですし、そのまま粒を残しても美味しいですよ。大豆は煮込むと結構コクがでて食べ応えもあります。さらにはイソフラボンも豊富で女性の強い味方です。働き盛りのお父さんや、育ち盛りのこども達のたんぱく質もしっかり摂取できます。
普段使っている麺つゆも昆布だしのものに変えるだけで、おひたしやおそば、野菜の天ぷらはベジタリアンメニューになります。
一見野菜しか食べられない、今食べているものは全部食べられないような気がしてしまうベジタリアンですが、そんなことは全然ありません。ちょっとの工夫で誰でもすぐベジタリアンの食事に変えられるのです。

プチベジタリアンのすすめ!わが家の取り組み

とはいえ、いきなりベジタリアンと言われても……。と戸惑う方も多いでしょう。

「栄養面は大丈夫なの?」「明日から大好きなハンバーグや焼き肉とはさようならなんて嫌!」というのが本音ですよね。
そこでおすすめしたいのが我が家でも取り組んでいる”プチベジタリアン”。週に数日だけお肉やお魚を食べない日を設けるのです。そうすれば今まで通り好きなお肉やお魚も食べられます。小さな事かもしれませんが、もしたくさんの人が、家庭が同じように生活したら確実に消費量は減らせるはずです。そしてそれがいつか大きな力となって地球を救えるかもしれないと思ったら素敵ではないですか?環境問題をいきなりガラッと変えることは無理ですが、まず私たちの意識を変えることが地球の未来を変える第一歩になると思います。
我が家はお肉大好きなイギリス人のダディ、おいしい食べ物が生きがいの私、食いしん坊な4歳と5歳の姉妹の4人家族ですが、今のところ不満もストレスもなくプチベジタリアンを続けています。ベジタリアンメニューの日は必ずこども達にそのことを伝えて、食材について話す機会にしています。こどもなりに何か地球にいいこと、優しいことをしているんだという意識が生まれるように声をかけながら食卓を囲んでいます。その甲斐あってか長女は、たまに学校の給食でベジタリアンメニューを自分から選んで食べているようです。

まとめ

食事スタイルのトレンドのように聞こえるベジタリアン。実はそうではなくて今私たちが取り組むべき問題と向き合ったときに取るべき一つの行動がベジタリアンなのです。食を通じて地球に起きていることを知り、考え、選択し行動を起こしていくことが今とても重要になってきています。
こども達の未来を、地球を守るためにできることを親子で一緒に話してみてはいかがでしょうか?

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WRITER

BLUNDEN BLUNDEN 食べる事が何よりも大好き!国際結婚を機にイギリスに移住して5年、子育て奮闘中の主婦です。海外での文化の違いや食べ物の違いを楽しみながら暮らしています。日々の工夫から生まれたレシピや日本では知られていないイギリスの料理、その他食べる事に関する記事を主に書いています。