2021年10月21日 公開

食べさせる給食から卒業しよう!好き嫌い、少食・・・給食のお悩み解決法

幼稚園、保育園、小学校などの給食にお悩みを抱えるママパパ必見!好き嫌い、食べるのが遅い、少食…など給食の困りごとを一気に解決します。家庭でのサポート術、学校との連携方法などをご紹介。子どもの食生活を支える”給食”について、親子で考えてみませんか。

幼稚園、保育園、小学校入学前に「給食の不安」を抱えるママパパもいらっしゃるかと思います。特に初めての集団生活となる幼稚園、保育園の給食はお子さまにとっても”挑戦”となることでしょう。
ママパパから離れ、「他の人が作った料理」を、「お友達と一斉に」、「決められた時間内に食べる」ことは、幼児にとって中々のハードル。
お子さまの性格、食べる量によっては給食時間がストレスになることもあります。

「食べさせる」給食が与えるプレッシャー

「フードロス削減、残すことは悪」のような指導方針の園、学校の場合、少食な子、食べるのが遅い子は叱られることもあるようです。
「残すと叱られる。」
「みんなより遅いと怒られる。」
「嫌いなものを食べるまでクラス全員が待つ。」
など子どもの恐怖心、焦燥感を煽る「食べさせる給食」を続けている教育現場は少なくありません。
本来給食は子どもの健康と健全な精神を育むことが目的。
同じ年齢の子ども達と楽しく食事をすることで、食べる喜びを知り、作った人々への感謝、食材の知識などを学ぶことができるのです。

食べられる量、速さは子どもによって個人差があります。
決められた時間内に、決められた量を食べなくてはならない給食に対応できない子もいます。しかしそれは決して劣っていることでも、悪いことでもありません。
親と園、学校が連携して、子どもが楽しく給食が食べられるようにサポートすることが大切です。

悩み解消ポイントは「給食プレッシャーからの解放」

小学校・幼稚園・保育園の給食のお悩みで多いのは「好き嫌い」、「食べる速度」、「食べる量」に関することではないでしょうか。
これらの悩みはは、給食にありがちな「制限時間内に決められた量を食べなくてはいけない」プレッシャーによって悪化しがちです。

先にも述べた通り就学前の子どもは食べる量、速さに差があって当然。
子どもの不安に親と学校が寄り添うことで、悩みが解消することが多いです。
多くの親子が抱える「給食のあるあるお悩み」と対処法をご紹介いたします。

好き嫌いが多い

給食のお悩みの定番「好き嫌い」。以下のような経験をした、エピソードを聞いたことがあるママパパ、お子さまは多いのではないでしょうか?

 

・自宅ではもちろん、外食や給食でも嫌いなものをよけてしまう。毎回叱るので食事時間が親子共に憂鬱。

・給食時に嫌いなものを残して、先生から「○○さんが嫌いなものを食べるまで、クラス全員が”ごちそうさま”できません。」と言われて泣きながら食べた。

・嫌い物を無理に食べようとして吐いてしまった。

 

栄養、食育の観点からすると、好き嫌いをせず、何でも食べることが望ましいのは確かです。しかし、大人でも「苦手な食べ物」ってありますよね。食べられるけれど好きにはなれない食べ物…

ちいさな子どもは嗅覚・味覚が大人より敏感なため、食材の苦味・えぐみも強めに感じます。つまり大人よりも苦手感を感じやすいのです。
無理強いはせず、調理方法を工夫して「少量から」食べることから始めましょう。

それホントに好き嫌い?「アレルギー」に要注意!

気を付けたいのが、好き嫌いにかくれている「アレルギー」です。
食材を味・見た目で嫌っているのではなく、その食材を食べて起こる胃腸不快感、湿疹などの症状を恐れて食べない場合もあります。
子どもが毎回同じ食材を嫌がる場合、食べた後の体調の変化にも気を付けたいですね。

家庭でできる対処法

■嫌いな理由をヒアリング。苦手ポイントを隠したレシピで出してみよう!
例えばにんじんでしたら、子どもに「にんじんのどんな所が嫌いなの?」と聞いてみましょう。
匂いが嫌い、味が嫌いなど嫌いな理由を聞き出すことで、食材の苦手部分を減らす、隠す方法が見つかるかもしません。
食材を目立たせないようにして、料理に混ぜてしまうのも良い方法です。

にんじん

すりおろして蒸しパンやカレーに入れてしまうのがおすすめ。
収穫体験、農産物直売所などで鮮度の高いにんじんを食べさせるのも良いでしょう。臭みが少なく、甘みも強いので生でも食べやすいです。

ピーマン

ピーマンは細かく刻んで、他の食材と混ぜて加熱するとわかりにくいです。
肉豚ひき肉、みじん切りにしたピーマン、玉ねぎ、ショウガ、ニンニクをごま油で炒めます。
しょうゆ・さとう・オイスターソースを適量入れて味付けすると万能肉味噌が完成します。
ご飯にのせる、混ぜる、レタスで巻く、麺類にトッピングするなど活用度が高い肉味噌です♪

■残されてもOK!出し続けよう。
出しても出しても残される「嫌われ食材」。出す意味あるの?とお思いのママパパは多いのではないでしょうか?
答えはYES。出す意味は大いにあります。

食事は味覚・嗅覚・触覚・視覚・聴覚に刺激を与えます。さらに親が準備した食事には、情緒の健全な発達を促す力があります。視界に「苦手なもの=親が自分を思って出しているもの」が入っているだけで良いのです。

嫌いな食材を食べなくても、子どもは健康に育ちます。
無理強いせず「いつか食べるでしょ~」とのんびり待っているうちに、自然と食べられるようになることも多いです。

園、学校と連携して行う対処法

園、学校によっては「好き嫌いはわがままなので許さない」という指導方針のこともあります。

見せしめのように食べない子を食べるまで教室に残す、食べられない子が食べるまでクラス全員を教室に残す・・・などのプレッシャーをかける指導方法が未だに残っているのも事実です。
子どもが好き嫌いを理由に叱られていて、毎日を苦痛に感じているようなら,
思い切って先生と話し合いましょう。

伝えるポイントは?
■先生が子どもを思って叱ってくれていることに感謝を伝える。
まずは日頃の指導へのお礼を伝えると、話し合いがスムーズです。

子どもから聞いた”給食エピソード”に不満を感じていたとしても、感情的になるのはNG。
「先生が子どもを思って叱ってくれている」ことを、頭において話し合いに臨みましょう。
■時間内に食べきれないなど、みんなに迷惑をかけるようなら「残させて欲しい」と伝える。
自分の好き嫌いによって「他のお友達のペースを乱す」ことは、子どもにとって非常に居心地が悪く、心苦しさも感じるものです。
家庭で苦手食材を食べる努力をする旨を先生に伝え、給食時に無理強いはしないようにお願いしましょう。

好き嫌いをなくす大前提として、「食べること=楽しいと感じられる」ことが大切です。「給食時間=怖い時間」になることは、子どもの身体・精神面の発育に悪影響を及ぼします。
好き嫌いを矯正することに執着し過ぎて、「食への興味、喜び」が失われることは避けなくてはいけません。

時間通りに食べられない

給食時間は20分~30分以内です。食べることに集中できる子には、十分な時間ですが、おしゃべりやよそ見をしてしまう子、食べること自体がゆっくりな子には時間が足りないかもしれません。
入園、入学前までに時間内に食べられるように、ご家庭で慣れておくのが望ましいですね。また、今までできていた子でも、新しい環境では難しいこともあります。環境に慣れるまでは、焦らずゆっくり見守りましょう。

家庭でできる対処法

子どもの気が散る「テレビをつけながらの食事」は避けましょう。家族で楽しく食べるように心がけます。
ママパパが美味しそうに食べるのも大切。その姿を見て「美味しそう、食べたい」と子どもが感じて、食べることに集中するようになります。

例えば食事時間を20分に設定したなら、子どもに「長い針が4に来たら”ごちそうさま”だよ。」などと時計を確認させると良いでしょう。
その時間が来てもダラダラしているようなら一旦、すべて片づけると良いでしょう。
あまりにも食べる量が少ないようなら、間食におにぎりなどを出して補います。

園、学校と連携して行う対処法

「時間通りに食べられないこと」で自己肯定感が低くなる、給食に嫌悪感を抱かせることは避けたいですよね。
事前に園や学校に「うちの子が食べるのが遅くても、みんなと同じ時間に給食を終了させて欲しい。」旨を事前に伝えておくとスムーズです。

園、学校、先生によって「栄養面、しつけ面」で難色を示すこともあるかもしれません。
その場合は、責任を持って家庭で十分な栄養を取らせることを述べて、学校ではみんなと同じペースで過ごさせて欲しいと伝えてみましょう。

人前で食べるのが苦手

家族と一緒の時は、しっかり食べるのに他人がいると食べられない子もいます。
子どもの場合、何か具体的な理由のせいで食べられなくなっていることが多いので、「人前で食べられない、あるいは食べづらい理由」を聞いてみると良いでしょう。

食べられない理由と対処法

家族以外の第三者との食事が苦手な子の多くは、集団での食事時のトラウマ、他人からの視線が気になってしまう出来事を経験しています。ママパパが話を聞いて、安心感を与えることで徐々に解決していきます。

理由、エピソード対処法
食事中にお友達に言われた一言、
「食べ方が汚い」「箸の持ち方が変。」
などで、他者を意識し、自分の食べ方がどう見られているか気になるようになった。
親子で食事マナーを見直します。
まずは、今できていることを褒めてあげると良いですね。

多少上手くいかなくても大丈夫であることを伝えます。
給食、外食時に嘔吐した子が周りにいてトラウマになっている。
その子も辛かったし、体調不良は誰にでも起こることであることを伝えます。

手洗い、うがいなどをきちんとしていればリスクは低いことも伝えます。

まずは家族揃っての食事を楽しみながら、祖父母・親戚など近しい人を交えての食事を増やしてみましょう。仲のよいママパパ友家族とピクニックなども良いですね。
みんなで食べる楽しさを、実感できることでどこでも食事ができるようになっていきます。

ちょっとした工夫が突破口に!

給食は毎日のことだけに、気になることがあると親子共にナーバスになりがち。家庭でバランス取れた食事を毎日出せているなら大丈夫!あまり深刻に考えなくても、成長と共に必ず解決します。

お悩み例対処法
給食中に静かにできない。
家庭での食事マナーを見直します。
口に物が入っている間は、しゃべらず食事に集中する習慣をつけます。
ママパパも子どもが咀嚼中に話しかけることは避けましょう。
食事中に椅子に座っていられない。まずはママパパが落ち着いて、食事をすることからはじめましょう。
怒鳴ったり、無理やり座らせたりするのは避けます。

「ママパパは、○○ちゃんのお顔を見ながら食べたいな~」などと、自分から食卓に着きたくなるように促します。
給食が多すぎて、たくさん残してしまう。事前に園、学校に「少食」であることを伝えます。
可能であれば給食の量を、子どもが決められると良いですね。

「食べ切れる量」を盛り付けて、完食する習慣をつけると◎。
1部の園、学校では「少食な子」が”自分の食べ切れる量”まで減らせることもあります。
野菜が嫌いで、出しても食べない。食べ物に関する絵本の読み聞かせが効果的。
野菜嫌いのお子様でしたら、
「サラダでげんき」角野 栄子 (著), 長 新太 (イラスト)はいかがでしょうか?

病気になったお母さんに、子どもと動物たちが協力してサラダを作るコミカルでファンタジーなお話です。
完成したサラダがとても美味しそうで、野菜嫌いな子も食べたくなるはず。
給食をまったく、あるいは1口程度しか食べない。何らかの精神的負担がかかっていると考えられるので、園・学校との話し合いが必要です。
無理やり食べさせるのは逆効果。
まずは食べられる分量だけ、給食時間内で食べることからスタートしましょう。

不足するカロリー、栄養はおやつで補いましょう。
小さいオムライス、チーズや枝豆を混ぜたおにぎり、お好み焼き粉にみじん切り野菜、ひき肉を入れて作った”おやき”など、食事に近いおやつを出します。

大切なのは子どもの意思を尊重すること

上図は子どもへの接し方と語彙能力の関係性を示したもの。
無理やり食べさせる、座らせるなどの「強制型しつけ」は子どもの脳の発達を妨げると言われています。
子どもの意思を尊重した「共有型しつけ」を行う方が、読み、書き、語彙能力も発達します。

給食だけではなく、家庭での食事でも「食べさせる」という意識を持つママパパは多いかと思います。確かに赤ちゃんから乳幼児までの間は、大人が「食べさせる」ことで十分な栄養を摂取できていると言えます。
しかし、その食べさせる方法、量は、育児書、インターネットの「一般的とされるサンプル」がお手本であることが多いため、適合しないお子さまも出てきます。

体格、消化量などは個人差が大きいので、子どもの意思を尊重した「食べられる量」を決めるとスムーズです。
本来、食事は精神を満たす、楽しい時間であるべきです。
給食も食事も「食べさせる圧」が強すぎるのはNG.「食べる=苦しい」になる指導は今すぐやめましょう。

完食しなくてOK!トータル栄養バランスで考えよう

たくさんの食材を使い、成長期の子どもに最適な栄養バランスが考えられた給食。できれば全部食べて欲しいですよね。食べられない日が続くと、心配になるかもしれません。

給食が食べられないようなら、おやつや食事で栄養サポートをすればOK。
おやつに野菜おやき、具だくさんおにぎりを出してり、夕飯のミートソースに細かく切った野菜を多めに入れるなどして量・食材バリエーションを増やしましょう。
給食が食べられなくても、朝食・おやつ・夕飯で調整できれば問題ありません。

1食ごとの栄養バランス・量が完璧でなくても大丈夫。1日のトータル栄養バランスで考えて、あまり神経質にならないようにしましょう。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。