2021年09月09日 公開

子供部屋って必要?いつから?メリットや注意点も紹介

子ども部屋はいつから与える?そもそも必要なの?子ども部屋に対する疑問を、実態やメリット・デメリットから解き明かします。子ども部屋作りの参考にしてください。

子ども部屋アイキャッチ

「子ども部屋っていつから必要なの?」とお悩みではありませんか。
近々引っ越しを検討中の私は、今まさにその悩みに直面中です。
子ども部屋にはさまざまなメリットがありますが、デメリットや注意すべき点もあります。
よい面わるい面の両方を知ってから、子ども部屋の方針を決めてみてください。

子供部屋はみんな持っている?いつから必要?

子ども部屋_家

実際子ども部屋を持っている子はどのくらいいるのか、子ども部屋に関する調査結果をみてみましょう。子どもの学びや発達から考えられた子ども部屋の作り方も紹介します。

子供部屋を持っている子の割合

東京ガスの調査によると、小学校低学年の半数以上が「自分だけの部屋」もしくは「他の兄弟姉妹と一緒の部屋」を持っています。小学校高学年になると「自分だけの部屋」を持つ子だけでも5割程度いるようです。ただし、小学生のうちは子ども部屋があっても使う時間はかなり短く、そこで寝るという子も半数以下。
子ども部屋の使用時間や用途を考えると、小学校高学年~中学校くらいが子ども部屋を設けるタイミングの目安となりそうです。
住居学の専門家である外山知徳教授は、個人差はあるものの一般的に個室が必要とされるのは小学5年生からとしています。

成長に合わせた子供部屋がベスト

前述した調査では、小学校低学年で現在子ども部屋を持っていない子の約6割が「将来子ども部屋にする予定の部屋がある」とされています。現時点で子ども部屋がなくとも、将来的には子ども部屋を作る予定の家庭も多いですよね。
大手ハウスメーカーやリフォーム・リノベーション会社でも、子どもの発達や成長に合わせて変えられる子ども部屋を設けることを提案しています。

・子どもが賢く育つ住まい「かげやまモデル」
セキスイハイムが提案しているのは、百ます計算で有名な隂山英男先生の教育ノウハウのつまった「かげやまモデル」という住まい。
この考えでは、子ども部屋は成長に合わせて変えられること子どもの身の丈に合っていることが大切とされています。小学校低学年までは個室ではなく自由に使える大きな空間を与え、小学校高学年になったら間仕切りや収納を必要に応じて設けます。
引きこもりを防ぐためにも、居心地はほどほどがよいそうです。

・知性をはぐくむ「ホームコモンズ設計」
ミサワホームは「ホームコモンズ設計」を用いた家づくりを提案しています。これは東京大学と、学習環境の研究開発を行っているEduce Technologiesの協力のもと、発達心理学の成長段階を参考にした設計です。家庭内での対話と学びを重視し、寝る場所と学ぶ場所は別と考えています。
子どもの成長とそれに合わせた学びの空間づくりを、4つのステップにわけます。0~1歳は見通しのよいリビングに自由に体を動かせるスペース、2~6歳はキッチン前に会話できるスペース、7~12歳はリビングの一角に集中できるデスク、13歳からは家族が自然に集まって学び合うスペース、を設けるのがよいそうです。

子供部屋のメリットは?

子ども部屋メリット

子どもに自分の部屋を与えるとき、そのメリット・デメリットについても考えておく必要があります。まずはメリットを3つ紹介します。

自立心を養える

自分の部屋は自分で管理する必要があります。モノを収納したり、整理整頓したり、部屋の環境を自分で整えなければなりません。
必ずしも1人の個室でなければならないわけではなく、兄弟と共同の部屋でも自分のエリアを持つことができればよいそうです。
子どもの年齢にもよるものの、掃除など親はあまり手を出さないようにすることも大切かもしれませんね。
また、子ども部屋を持つことが独り寝を促すきっかけにもなり得ます。早くから子どもを1人で寝させる欧米では、添い寝は子どもの自立をはばむという考え方もあるそうです。

プライベートを保てる

最近はリビング学習が広まり、あえて子ども部屋を作らないという選択もあります。
しかし、子どもにもプライバシーが必要で、1人でいられる空間があることも大切です。
1人で集中して何かに取り組んだり、考えたり、子ども部屋は子どもの思考力を磨く空間であるとも言われます。そのためには、広さはなくていいものの、子供部屋を子ども自身が気に入る空間にしなければなりません。

親にとってのメリットもあり

子ども部屋を設けると、親にもメリットがあります。
子どもの荷物をまとめて置ける場所ができますし、リビングが子どものモノで散らかりません
また、子どもが友だちを連れてきたときにも子ども部屋が役に立ちます。子どもたちにリビングを占拠されて困るから部屋を与えようかな、という話を実際耳にしました。

子供部屋のデメリットは?

子ども部屋デメリット

子ども部屋にはデメリットもあります。デメリットにも注意して子ども部屋を検討しましょう。

子供が何をしているかわからない

子どもが自室にいると、当然ながら子どもが何をしているか親にはわかりません。勉強をしているのか、ゲームをしているのか、親は気がかりですよね。
ゲームなど長時間の使用が気になるものはルールを設けるなど、家庭で工夫をしてもいいかもしれません。

家族とのコミュニケーションが減る

部屋にこもる時間が長くなると、家族と接する時間が減ってしまいます。それを防ぐため、最近はリビングを経由して子ども部屋に行く間取りにする家庭も多いようです。そういう間取りであれば、少なくとも一度も顔を合わせることなく部屋にこもることは無くなりますね。
だからといって子ども部屋に家族が頻繁に出入りしたり、家族の不用品を置いたりするのは避けるべきです。プライベートが曖昧な部屋は、子どもを不安定にさせる要因とも言われます。

子供と家庭に合わせた子供部屋を

子ども部屋家族

そろそろ必要かな、~歳くらいで用意するのかな、となんとなく考えがちな子ども部屋。しかし、子ども部屋にはメリットもデメリットもあります。それらをよく知ったうえで、各家庭や子どもにあった子ども部屋を考えたいですね。

<参考サイト>
東京ガスくらし情報サイト,【実態調査】子ども部屋はいつから必要? 一人部屋のメリット・デメリットとは
セキスイハイム,「かげやまモデル」
ミサワホーム総合研究所,学びの環境① 住まいの学習空間の変化 〜勉強部屋からホームコモンズへ〜
azbil 暮らしと空気の研究所,外山知徳先生が語る 子どもの成長に好影響を与える間取り

<参考文献>
富士綿智美,なぜ「子供部屋」をつくるのか,廣済堂出版,2017

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

かすみ
かすみ

東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。