「転んでケガをしたらどうしよう!」「安全な転び方ってあるの?」なんて考えたこと一度はありませんか?大人と比べて体に対する頭の比率が大きいため、子どもはどうしても転びやすいもの。でも、遊びながらバランスを鍛えることで転びにくい子に育てることができますよ!
ケガをしにくい上手な転び方というものはない
また、もしよく転ぶ子なら、「上手な転び方があるなら、それを教えた方が良いんじゃないかな?」と考えたことがあるパパママもいるのでは。
果たして、子どもがケガをしにくい上手な転び方はあるのでしょうか?
実はその答えはNOです。転び方を覚えるよりも、転ばない子に育てる方がケガから子どもを守るのには効果的らしいのです。
今回は、体育科教員の資格も持つ知り合いのスポーツトレーナーに聞いた「子ども」×「転ぶ」の話を元に、転びにくい子どもに育てるためのヒントをお伝えします。
そもそも人間ってなんで転ぶの?転び方のメカニズム
まずは、転ぶときのメカニズムを見てみましょう。
実は立っている時もバランスを取っている
安定した場所で直立しているときには体の振れは少なく、動いたり安定性の悪い場所に立っているときは、体は大きく振れてバランスを取ろうとするのです。
自転車も人間も転ぶ仕組みは同じ
自転車がスムーズに走行しているときには、ハンドルの左右のブレは小さいですよね。
一方、自転車がバランスを崩すときには、車体が左右に大きく振れてはいないでしょうか?
「転びそう……!」と感じると、人間は転倒しないようにさらに大きな力を使って体を振ってバランスを取ろうとします。この振れが大き過ぎて体が支えきれなくなると、結果的にバランスを崩して転んでしまうのです。
自転車に乗っているときも、子どもが動いているときも、転ぶ理由は同じです。転ばないように、バランスを取るために大きく体を振り過ぎることが原因なのです。
ケガ対策にはバランス感覚を育てることが重要
バランス感覚を鍛えることが転びにくい体づくり、そしてケガの予防に欠かせないといえます。
バランス感覚を育む3つの遊びとコツ
これにぴったりなのは、ズバリ「体重を支えている面(支持基底面)の面積が少ない遊び」です。
では、スポーツトレーナーに教えていただいたバランス感覚を育てられるオススメの遊びを3つ紹介します。
竹馬
5~6歳ごろから小学生まで、年齢層幅広く遊べますね。
平均台遊び
実は、平均台遊びには、バランスを取りにくい状況を作るポイントが隠れています。それは、足を運ぶ方向です。
たとえば両足を肩幅に広げると体は安定します。でも両足を縦方向に広げるとどうでしょうか?なんだか急に左右にふらふらしやすくなりますね。
平均台遊びでは、一直線に片足ずつ前に足を運ぶことでより体の安定性が悪い状況を作ることができるのです。
いきなり平均台の上で遊ぶのが怖い、気軽に使える平均台がない、という場合は、公園の地面に線を引っ張ってその上で遊んだりしてもいいですね。
ケンケンパ
竹馬にトライするにはまだ早いかな?と思う年齢でも、ケンケンパなら、広い場所があればどこでも手軽にできますよね。地面にフープなどを置いたりマークを付けて、ケンケンする場所を導いてあげましょう。慣れてきたらケンケンの場所を少しずつ離すと、より大きく体が不安定になる状況を作れるので、バランス感覚を鍛えるのに役立ちます。
なぜ上手な転び方を教えるのが非効率なのか
それまでの時期は、うっかり転んでしまうのは仕方のないことなのだそうです。
また、幼児期に入っても、先にもお伝えした通り「上手な転び方」を教えるのはそんなに効果のあることではありません。
なぜなら、転倒する瞬間は一瞬のできごとなので、「手をついて着地しよう」「転んだらくるくる回って衝撃を和らげよう」などとはまだ幼児には考えられないのです。
確かに、大人でも転倒する瞬間に自分がどう転んでしまうかは頭で考えている余裕もないですよね。
そういう意味でも、子どもに転び方を教えるよりも、そもそも転びにくい子に育てる方が早くその効果を親子共に感じることができますし、ケガ予防につながります。
外遊び・体を使った遊びでバランス感覚を育もう
お天気の良い日には、親子・家族で思い切り体を動かして、お子さまのバランス感覚の素地を養ってあげましょう!