2018年12月21日 公開

国際アンデルセン賞って?日本人の受賞者5人と代表作をご紹介

「国際アンデルセン賞」という賞をご存知でしょうか?この賞は、優れた児童文学の作家・画家に授与される名誉ある賞で、日本人も過去に5人が受賞しています。今回は国際アンデルセン賞の詳細と、過去の日本人受賞者をご紹介します。

「国際アンデルセン賞」という賞をご存知でしょうか?この賞は、優れた児童文学の作家・画家に授与される名誉ある賞で、日本人も過去に5人が受賞しています。今回は国際アンデルセン賞の詳細と、過去の日本人受賞者をご紹介します。

国際アンデルセン賞って?

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国際アンデルセン賞は、児童文学を対象とする国際的な賞です。国際児童図書評議会により1953年に創設されました。その影響力や選考基準の高さから、「小さなノーベル賞」とも呼ばれています。

賞自体は「作品」に与えられるのではなく、児童文学に対する貢献度や業績に対して与えられるもの。2年に一度、各国の国際児童図書評議会より推薦された候補者から、作家・画家の各一名ずつの受賞者が選ばれます。

日本人は2018年に「角野栄子」さんが受賞。それ以前にも作家、画家あわせて4名が受賞しています。

魔女の宅急便で一躍有名に「角野栄子」さん

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タイトル:魔女の宅急便
著者  :角野栄子(作)、林明子(画)
出版社 :福音館書店
2018年に国際アンデルセン賞の作家賞を受賞した「角野栄子」さん。代表作『魔女の宅急便』を読んだことのある方は多いのではないでしょうか?

角野さんは、2018年現在83歳。早稲田大学卒業後、移民として2年間をブラジルで過ごしました。日本に帰国後、ブラジルでの体験をまとめた『ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて』で作家デビュー。それ以来、魅力あふれる物語を数多く創作してきました。

なお角野さんは、国際アンデルセン賞以外にも国内外の多くの賞を獲得しています。たとえば『魔女の宅急便』は、第23回野間児童文芸賞、第34回小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞の3冠を達成。スタジオジブリで映画化され、大ヒットを記録したことでも有名です。

魔女のキキがさまざまな人と出会い、成長していく姿を描いたこの作品。女の子は特に「キキみたいになりたい!」とあこがれるかもしれません。

守り人シリーズでおなじみ「上橋菜穂子」さん

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タイトル:精霊の守り人
著者  :上橋菜穂子
出版社 :新潮文庫刊
上橋菜穂子さんは、2014年に国際アンデルセン賞の作家賞を受賞した文学作家。1962年7月15日東京都で生まれました。現在は河村学園女子大学の教授をしています。上橋さんの専攻は「文化人類学」。この知識が自身の描く物語にも活かされているようです。

上橋さんが作家デビューしたのは27歳のころ。上橋さんは作品のなかで、善と悪といった単純な構図ではなく、さまざまな価値観が混ざり合ったストーリーを描いています。また、ファンタジーの世界を描いているにもかかわらず、根底のテーマはリアリティのあるものばかり。そういった作風のためか大人からも支持を集めています。

そんな上橋さんの代表作「守り人シリーズ」は、NHKで実写ドラマ化されたことでも有名です。シリーズ一作目『精霊の守り人』には、バルサという用心棒の女性が、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを守るために奮闘する様子が描かれています。

上橋さんの作品は、小さなお子さまにはまだ難しいかもしれません。気になるパパママは、ぜひ読んでみてください。

童謡の作詞も手掛けた「まどみちお」さん

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タイトル:キリンさん
著者  :まど・みちお(詩)、南塚直子(絵)
出版社 : 小峰書店
まどみちおさんは、1994年に日本人としては初めて国際アンデルセン賞の作家賞を獲得しています。まどさんといえば、「ぞうさん」など有名な童謡の作詞家として知られる人物。1909年に山口県で生まれました。

24歳のころ「まどみちお」のペンネームで投稿した詩を、詩人・北原白秋に認められたことが活動のきっかけに。以降、童謡の作詞だけではなく子ども向けの詩集や絵画作品も数多く残しています。2014年、104歳でこの世を去りました。

彼の代表作はパパママだけでなく、幼稚園や保育園に通うお子さまにも聞き馴染みがあるはずです。

・ぞうさん
・やぎさんゆうびん
・一ねんせいになったら
・ふしぎなポケット

また、まどさんの詩を集めた詩集もおすすめ。特に1998年初版発行『キリンさん』は、童謡「ぞうさん」同様に、生き物に対する愛がつまっています。まどさんの優しい詩の世界に、親子でひたってみてはいかがでしょうか。

スーホの白い馬で有名な「赤羽末吉」さん

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タイトル:スーホの白い馬
著者  :大塚勇三(再話)、赤羽末吉(画)
出版社 :福音館書店
赤羽末吉さんは、1980年に国際アンデルセン賞の作画賞を獲得。作画賞受賞は赤羽さんが日本人初ということでも話題になりました。赤羽さんは1910年、東京都生まれ。その後、青年期を満州で過ごします。独学で絵を描き美術展に出展し、何度か受賞をしていたそうです。

しかし、絵本作家となったのは赤羽さんが50歳のころ。「かさじぞう」の挿絵を描いたのがデビュー作でした。その後多くの絵本の挿絵を手掛け、1990年に80歳でこの世を去ります。

赤羽さんの作品で最も多くの方が知っているのは、『スーホの白い馬』ではないでしょうか。教科書にも載っていたため、よく覚えているというパパママもいるかもしれません。

少年スーホと白い馬の絆、そして悲しい別れが描かれたお話です。ストーリーに華を添えたのが赤羽さんの力強い絵。モンゴルの広大な大地や疾走する白い馬を迫力たっぷりに描いています。引き込まれるストーリーとともに、赤羽さんの絵の魅力もじっくり味わってみてください。

ふしぎなえでおなじみ「安野光雅」さん

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タイトル:ふしぎなえ
著者  :安野光雅(絵)
出版社 : 福音館書店
1984年に国際アンデルセン賞の作画賞を受賞した、安野光雅さん。1926年に島根県で生まれ、もともとは美術の教員をしていました。安野さんは美術だけではなく数学や科学、文学の知識も豊かなことで有名です。そうした知識や想像力を駆使し、唯一無二の作品を数多く生み出しています。

代表作のひとつが「ふしぎなえ」。エッシャーの作品のような不思議な世界を堪能できます。細かく描きこまれた絵画にはいろいろなものが隠されており、探し絵としても楽しめそうです。「小人さんは何人いるかな?」などとクイズを出しながら、親子で読み進めてみてはいかがでしょうか。

優れた児童文学で子どもの感性を育てて

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国際アンデルセン賞は、児童文学に関わる世界的に優れた作家・画家に贈られる賞です。そのなかに日本の方が5人も選ばれているなんて、誇らしい気持ちになりますね。この機会に国際アンデルセン賞を受賞した方たちの作品を、子どもと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。すばらしい児童文学は、お子さまの豊かな感性を育ててくれるはずです。

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この記事のライター