秋になるとコロコロと公園や道端に落ちているどんぐり、お子さまたちも大好きですね。お話にどんぐりが出てくる絵本をご紹介します。絵本をまねしてどんぐりで遊んだり、どんぐりやその木を見ながら想像の翼を広げたり、豊かな感性を育みます。
つぎの人への思いやり『どうぞのいす』
著者 :香山 美子(作)/柿本 幸造(絵)
出版社 :ひさかたチャイルド
うさぎさんが作って木の下に置いた小さな椅子。そこに「どうぞのいす」と札を立てました。やってきたロバさんは、たくさんのどんぐりの入ったカゴをいすの上に置いてお昼寝しています。そこへやってきた動物たちが、カゴの中身を全部食べてしまいます。でも「あとのひとに おきのどく」と、違う食べ物を置いていきます。
自分のあとのひとのことを思いやる心が優しい絵本です。
素敵な出会いを描く『どんぐりのき (わたしのえほん)』
著者 :亀岡 亜希子(作・絵)
出版社 :PHP研究所
どんぐりの木は、自分のはじめてのどんぐりを食べてもらうことを楽しみにしていました。でもやってきたリスが、まだ青いどんぐりを一口かじり「まずい」と言います。それからすっかり自信をなくしてしまったどんぐりの木は、どんぐりをつけなくなってしまいます。そこへある日別のリスがやってきて、このどんぐりの木に家を作ります。
自信をなくしているときに、長所も短所も受け入れてくれるリスとの出会いで、どんぐりの木が変わっていく様子が印象的な絵本です。
どんぐりでお買いもの『ふゆじたくのおみせ』
著者 :ふくざわ ゆみこ(作)
出版社 :福音館書店
クマさんとヤマネくんが、森の中に開店した「ふゆじたくのおみせ」へ買い物に行きます。お金ではなくどんぐりでお買い物をします。それぞれが相手に内緒でプレゼントしようとどんぐりを集めてお店に行きますが……。
秋の香りがしてきそうな色合いの絵と、相手への思いやりの心が優しい絵本です。クマさんとヤマネくんのようにどんぐりを拾ってきて、お店やさんごっこをしてみても楽しいですね。
宮沢賢治を読みやすく『どんぐりと山ねこ』
著者 :宮沢 賢治(作)/高畠 純(絵)
出版社 :岩崎書店
独特な世界観で、小さなお子さまにはちょっと言葉が分かりにくい宮沢賢治の名作を、原作の雰囲気そのままに分かりやすく書き換えてあります。
やまねこから届いたハガキで、裁判に出ることになった一郎。そこには、だれが「いちばんえらいか」と争っているどんぐりたちが……。
宮沢賢治の文章は崩しすぎず、印象的な挿絵で楽しく読めます。小学校低学年のお子さま向きです。