2017年05月22日 公開
絵本・童話作家のいもとようこさん、開催中の「絵本原画展 いもとようこの世界」への思い
ふんわりやわらかな作風で、世代を超えて人気の絵本・童話作家のいもとようこさん。そんないもとさんの、日本で初めてとなる本格的な展覧会が、東京・上野の森美術館で開催されています。展覧会の概要と、いもとさんの展覧会と作品への思いを紹介します。
ふんわりやわらかな作風で、世代を超えて人気の絵本・童話作家のいもとようこさん。そんないもとさんの、日本で初めてとなる本格的な展覧会が、東京・上野の森美術館で開催されています。展覧会の概要と、いもとさんの展覧会と作品への思いを紹介します。
かわいい絵で大人気の、絵本・童話作家いもとようこさん
「ないしょばなし」(「子どもとお母さんのための童謡」より・2006年)
何といっても、かわいらしい絵が魅力的! 読み聞かせをしながら、ママもうっとりしたことがあるはず。
保育園・幼稚園や図書館、本屋さんの絵本コーナーで、一度は目にしたことがあると思います。
絵本作家歴40年を超えるいもとさんですが、日本での本格的な展覧会は今回がはじめて。昨年2015年のパリ展、ボローニャ展につづいて、日本でも開催となりました。
展覧会の内容は? サイン会もあり!
同展は、134タイトル作品が6つのコーナーで構成され、オリジナル原画が315点も展示されているという大規模なもの。そして、なんと、いもとようこさんご本人にサインをいただける機会も。
会期中の土曜日・日曜日の14:00からサイン会が開催されます。
当日会場でいもとようこさんの絵本を購入すると、各回先着100名様に整理券が配布されます(整理券配布は10:00から、お1人様1枚1冊分)。
また、会期中の土曜日13:00からは、馬頭琴の生演奏もあり、こちらも見逃せません。
次は、開催前日の内覧会でいもとようこさんから語られた、展覧会と作品に対しての言葉を紹介します。
いもとようこさんインタビュー
今回の展覧会について
「40年以上、絵本の仕事を夢中になって続けてきました。毎回毎回、作品に打ち込んできて、あっという間でした。今回は、しっかりと自分の思いを込めた展覧会をやりたいと思って。なによりも、読者みんなに『ありがとう』『これからも描くからね』って言いたかったのです」
印刷と原画の違い
「私の原画を見ていただければ、私の思いがわかっていただけるのではないかと思うのです。印刷とはちょっと違いますでしょ? でも、絵本のために絵を描いているので、印刷した絵だって本物なの」
独自の技法
「大根を薄く薄く切っていたとき、『和紙っていいんじゃない』って思いついたの。で、白い和紙に色を落として、ちぎって。技法を知りたい人にはよくわかるように、照明も明るくして見せています。でもね、技法どうこうではなく、ただ見てほしいです」
大人に見て感じてほしい
「子どもではなく、大人に感じてほしい。大人も子どもも人間なの。大人になってもう一度読んで、『こういうことだったんだ』と改めて感じてほしい。私は、子どもと大人を分けてないの。絵本の展覧会というよりも、原画の展覧会として、大人に楽しんでほしいと思うの」
6月11日(日)までやっています!
「ねこの絵本」(19841年・ボローニア国際児童図書展エルバ賞)
「絵本は、絵がしゃべるもの。ひとりでも多くの人にみていだたきたい」と締めくくったいもとさん。いもとさんの思いが詰まったオリジナルの原画を感じに、ぜひ上野の森美術館に足を運んでみてください。
絵本原画展 いもとようこの世界
会場:上野の森美術館
会期:2017年5月19日(金) 〜 6月11日(日)
開館時間:10:00〜17:00 *最終入場閉館30分前まで
入場料:一般・大学・高校生1,000円、中・小学生600円、未就学児無料
(当日券はかわいいクリアチケットです)
いもとようこプロフィール
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油絵科卒業。独自の貼り絵技法で絵本を創作。ボローニャ国際児童図書展で「ねこの絵本」(講談社)と「そばのはなさいたひ」(佼成出版)でエルバ賞を受賞、「いもとようこ うたの絵本」(講談社)でグラフィック賞を3年連続受賞。「いないいないばぁっ!」(NHK教育テレビ)は、10年間放映。「あかちゃんのためのえほん」(講談社)は、累計で400万部を突破。
© いもとようこ