2022年04月03日 公開

虫育児で強い心を育てる!「うまくいかない経験」「初対面の人とのコミュニケーション」

心の強さを育む「虫育児」。現代の子どもに不足しがちな「うまくいかない経験」「初対面の人とのコミュニケーション」ですが、虫育児をしていると、自然にこれらの経験を積むことができ、子どもの心が強くなります。

長い冬が終わり、虫が出てくる春がやってきました。

我が家も、家で飼っているカブトムシの幼虫の土を変えたり、図鑑を見たり・・・と控えめな冬の虫育児だったので、春の到来を待ち侘びていました!
「今日はモンシロチョウがいた!」「てんとう虫がいたーー!」と毎日学校や道端で見かけた虫を教えてくれます。

春・夏・秋が虫育児の本格シーズン。冬は虫が寒さで死んでしまったり、冬眠してしまったり、虫がほとんどみられません。虫にアンテナを立てていないと、そんなこと気づかないですよね(笑)

今回は、虫育児の良さである「心の強さを育てる」についてお伝えします。虫育児は、自然と頭がよくなるだけでなく、強い心も育てることができるんです。

 

「うまくいかない経験」の宝庫

現代の子どもたちは、「うまくいく」事ばかりに慣れていると感じています。

モノが溢れて、食べたいものが食べれる。少子化で子どもが減り、昔に比べると両親や祖父母などから目をかけてもらえたり、金銭的な投資をしてもらえる。昔に比べるときょうだいがいない・少ない家庭が多く、ケンカする機会も減っている。生まれた時からスマホやタブレットが近くにあり、自分の好きなアニメや動画が見たいと思った時に見れる。そんな状態です。

特にスマホやタブレットなどは怖い存在。You Tubeは、一つ動画をみると、次から次へと自分の興味関心のある動画がレコメンドされてきます。それをどんどんタップしていけば、どんどん自分の興味のある面白い動画が流れてくる。自分を楽しませてくれて、全て自分の思い通りになる状態です。

対する虫育児は、思い通りにいかないことばかりです。あの虫を捕りたい!と思っても、その虫がその場所にいるかはわかりません。虫がいても、飛んだり跳ねたり隠れたり・・・・人間より遥かに速いスピードを出す虫。捕ろうとしても、目の前で逃してしまう。そんな経験がしょっちゅうです。

我が家は以前、東京でカブトムシを探そう!と夏休み中の土日を使って、家の近郊の公園に通い詰めました。
(東京にもカブトムシがいると言われている公園が複数あるんです!)
夜行性のカブトムシをつかまえるべく、AM4時半に家を出て公園にいったり、夜の公園に行ったり、「きっといる!」と信じ、カブトムシを探しました。

けれどその夏は、1匹もカブトムシを見つけることはできませんでした・・・。あんなに時間をかけたのに、あんなに暑い中探したのに、あんなに早起きしたのに・・・・いろんな悔しさが、親の私でも込み上げてきました。
けれど、息子は「残念だったねーー!来年またがんばろう!」と前向きな様子。虫捕りでうまくいかない経験をしょっちゅうしているので、上手に気持ちの処理ができたのでしょう。こうした「頑張ってもうまくいかない」ということが、人生にはあるということ。
これを子どものうちから自然と知れているのは、現代ではとても貴重な経験だと感じています。

そして、「うまくいかないかもしれないけど、チャレンジしよう!」というチャレンジ精神も育むことができます。息子の友人と遊んでいると、たまに「この公園に虫なんていないよ」と声をかけられることがあります。最初から「いない」「無理」と思ってしまっているようです。でも息子は、「きっといる!」と信じています。
よく「東京でカブトムシを捕った」「クワガタを捕った」などと言うと、なんでそんなに虫が取れるの??と聞かれます。

それは、単純にチャレンジする回数が多いから。「きっといる!」と信じているから、何度もチャレンジができるんです。
私たち大人も、ついうまくいかないかもしれないことって、チャレンジを避けがちですよね。「うまくいかないかもしれないけど、チャレンジしたら成功するかもしれない!」この感覚を子どものうちから知っていると、いろんなことにチャレンジができるようになると思います。

 

コミュニケーション能力が磨かれる

虫育児の良さは、いろいろな年代・環境の方と虫を通じたコミュニケーションが取れるということ。公園で虫を捕っていると、色々な人から話しかけられます。

虫取り網が旗代わりとなり、一人で公園に行っても、気づけば誰かと遊んでいます。「何捕ってるの〜?」とお互い話しかけ合い、「俺この虫とったよ」「私はこの公園で●●を捕まえたことがあるよ」などと可愛いマウントを取り合います(笑)
虫好き仲間とわかると、「あっちに虫いそうだね!一緒に行こう!!」と一緒に公園を巡ります。そして一緒に遊んだ後は、「じゃあねー!バイバーイ!またどこかで会おうね〜!」と名前も住んでいる場所も知らない相手と、一期一会の時間を楽しみます。

現代では、初対面の人と触れ合う機会が減っています。学校でいつも同じメンバーと顔を合わせ、放課後は一人で公園に行く・・・という機会も減り、習い事や学童保育など、「いつものメンバー」と過ごすことが多いでしょう。初対面の子とどうやって打ち解けるべきか、どんな距離感で話した方がいいのか、そんな経験をする機会が少なくなっています。
けれど虫育児は、虫という共通点があるので、共通の話題もあり、話がしやすい。いつも虫捕り網を持っている少年少女は、気づけば小さい集団となってわいわい虫捕りを楽しんでいる様子です。

また、さまざまな年齢の方とのコミュニケーションも取れます。お散歩しているおじいちゃんが「何捕ってるの?」と話しかけてくれて、「チョウチョを捕りました」なんて会話が始まります。我が家もそうですが、祖父母と同居していないため、おじいちゃん・おばあちゃん世代の方と交流する機会がほとんどありません。

けれど虫育児をしていると、その機会にたくさん恵まれます。虫捕り名人なおじいちゃんがいると、少し高いところにいる虫を捕ってくれて、うんちくを教えてくれます(笑)時には一緒に遊んでいただき、虫に関する色々なことを教えてくれます。
息子は初対面の目上の方とのコミュニケーションの回数も多いからか、自然と目上の方には敬語を使う、ということを覚えていました。

これから社会に出るにあたり、初対面の人とコミュニケーションを取ることは、避けて通れません。得意不得意もあると思いますが、場数は大事。初対面の人と最初どんな距離感で会話すればいいのか、どうやって仲良くなるのか、そして一人ではなく誰かと喜びや悔しさを共有する経験。これら大人になるために必要な経験を、たくさん積むことができます。

虫育児で親子で春を楽しもう!

虫育児春

春になりお出かけのしやすい季節となりました。
週末はおにぎりとおかずを持って、虫網虫かごを持って、近所の公園に行ってみませんか?
都会と言われるところでも、花壇や木の近くなどに、虫はいます。
虫育児本格シーズンの春を、一緒に楽しみましょう!!

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

竹澤 夏央
竹澤 夏央

IT企業でフルタイム勤務の1児の母。子どもが小さい頃に離婚し、シングルマザー。 セブ島親子留学、テレビなし育児、虫育児など、さまざまな育児法を試行錯誤中。仕事100%の毎日を過ごしていたが、転職を機に、2019年1月からツイッター、2019年8月からポッドキャストで発信を始め、2020年12月からは音声メディアVoicyのパーソナリティに。子育て、キャリア、後天的ポジティブなどについて語る「虫育児ワーママレベルアップラジオ」を毎朝配信中。1年6カ月間、1日も欠かすことなく毎日音声配信をしている。7年間育児をした経験から「虫育児」の素晴らしさに気づき、広める活動をしている。息子は小2の虫博士。