2017年09月29日 公開

ハラハラドキドキ!児童文学の名作「エルマーのぼうけん」3部作

9歳の少年とりゅうの子の物語「エルマーのぼうけん」。ハラハラする展開に思わず物語へ引き込まれてしまいます。仲間を思う気持ちや知恵を使うことの大切さを教えてくれるこの物語は、小学校中学年までにはぜひ読んでほしい作品。英語版との読み比べもオススメですよ。

9歳の少年とりゅうの子の物語「エルマーのぼうけん」。ハラハラする展開に思わず物語へ引き込まれてしまいます。仲間を思う気持ちや知恵を使うことの大切さを教えてくれるこの物語は、小学校中学年までにはぜひ読んでほしい作品。英語版との読み比べもオススメですよ。

1作目「エルマーのぼうけん」

エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ) | ルース・スタイルス・ガネット, ルース・クリスマン・ガネット, わたなべ しげお, 子どもの本研究会 |本 | 通販 | Amazon (65880)

タイトル:エルマーのぼうけん
著者:ルース・スタイルス・ガネット(作) 渡辺 茂男(訳) ルース・クリスマン・ガネット(絵)
出版社:福音館書店
「エルマーのぼうけん」の日本語版は1963年に出版されました。子どものときに読んだことのあるパパやママも多いのではないでしょうか?

この作品の主人公エルマーは、大人になったら飛行機で空を飛ぶという夢を持っていた9歳の少年。雨の日に助けた老猫に頼まれ、エルマーは1人どうぶつ島で野生の動物たちに捕まったりゅうの子どもを助けに行きます。

この物語を読むときに注目してほしいのが、エルマーのリュックの中身。読み聞かせをする場合は、リュックの中のアイテムを、どこでどのように使うのかを気にかけながら読んであげると、子どもは物語の世界により身近に感じてくれるはずです。

2作目「エルマーとりゅう」

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タイトル:エルマーとりゅう
著者:ルース・スタイルス・ガネット(作) 渡辺 茂男(訳) ルース・クリスマン・ガネット(絵)
出版社:福音館書店
「エルマーのぼうけん」の続編。前作で無事にどうぶつ島からりゅうの子どもを助け出したエルマー。「エルマーとりゅう」は、助けたりゅうの背中に乗って空を飛んで家に帰るまでの物語です。

どうぶつ島からエルマーの家があるかれき町へ向かう途中で立ち寄ることになったカナリヤ島。その島でエルマーは、3年前まで飼っていたカナリヤのフルートと再会します。そして、りゅうと協力して島の問題を解決することに……。

3作品ともに共通していることなのですが、見返しのうらにぼうけんの地図が描かれています。ぜひ、親子でエルマーがいる場所を確認しながら読みすすめてくださいね。

3作目「エルマーと16ぴきのりゅう」

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タイトル:エルマーと16ぴきのりゅう
著者:ルース・スタイルス・ガネット(作) 渡辺 茂男(訳) ルース・クリスマン・ガネット(絵)
出版社:福音館書店
エルマーを無事に家の近くまで送り届けたりゅうが、家族のいる場所「そらいろこうげん」へ帰ります。すると、本来は近づいてくるはずのない人間たちが、りゅうの家族を捕まえようとしています。困ったりゅうは、エルマーに助けを求めます。

1章、1章、ドキドキする展開が続きます。筆者は、3作とも息子が寝る前に数章ずつ読み聞かせをしました。そして毎晩「続きが気になるから、もっと読んでほしいよ」と息子から訴えられることに……。そこで、3作目を読んでいる途中の休日の昼下がりに「今からエルマーを最後まで読んであげようか?」と息子に聞いてみたのです。すると意外なことに「楽しみがなくなるから、夜に少しずつ読んでくれればいい」という答えが返ってきました。

続きが気になるけど、読み終えるのがもったいない!それくらい息子をとりこにした絵本です。

英語版「My father’s Dragon」

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タイトル:Three Tales of My Father’s Dragon
著者:Ruth Stiles Gannett(著)、Ruth Chrisman Gannett(イラスト)
出版社: Random House Books for Young Readers
「エルマーのぼうけん」の原書「My father’s Dragon」は、1948年にアメリカで出版されて以来70年もの間、世界中で多くの子どもたちを虜にしている児童文学です。対象年齢は4歳から8歳ですが、英語が第二言語の場合はこの年齢で理解するのは少し難しいかもしれません。

原書のタイトルは「My father’s Dragon」、直訳すると「ぼくのとうさんのりゅう」。タイトルが表しているように、エルマーの子どもがお父さん(エルマー)から聞いた子どものころの大冒険を誰かに話しているような文章です。日本語版では「エルマーのぼうけん」の第1章のはじめのほうだけがエルマーを示す主語が「ぼくのとうさん」となっています。けれども、その後は主語が「エルマー」になるので、子どもではなく、第3者が語っているような雰囲気です。英語と日本語では、同じ物語でも文章の印象が少し違うのも面白いところです。

筆者も息子も日本語版を読んで、エルマーが助けた猫はオスだと思い込んでいました。けれども、英語版で猫がメスだと知ったときは、二人でものすごく驚いてしまいました。日本語版と英語版を読み比べてみると、新たな発見がありますよ。

「エルマーのぼうけん」から順番に読みましょう!

日本語版の対象年齢は5歳からとなっています。自分より少し年上のお兄ちゃんのたくましい姿として読むのも楽しいです。また、9歳前後でエルマーと自分を重ねながら読むのは、5歳ぐらいで読むのとはまた違った面白さがあるでしょう。

シリーズものの中には、どの作品から読んでも楽しめるものがあります。けれども、「エルマーのぼうけん」シリーズは、ぜひ最初の作品から順番に読んでくださいね。2作目や3作目から読むよりも、最初から順番に読むほうがドキドキ感が倍増します。そして、1作目を読み終わると2作目、3作目と続きを読みたくなってしまうので、はじめから3冊とも揃えておくのがオススメです。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

LOA
LOA

カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。