街の木々が色づいてくると楽しみな秋の行楽のひとつとして、栗拾いがありますね。また、栗ご飯に栗きんとん、茹で栗などの秋の味覚として楽しむこともできる栗。そこで「栗が出てくる絵本」を4作品ご紹介します。いったいどんなお話が出てくるのでしょうか?
命のバトン『そっくりのくりのき』
著者 :やなせたかし(作・絵)
出版社 :フレーベル館
アンパンマンでおなじみ、やなせたかしさんの絵本「愛と勇気の絵本シリーズ」です。
くりくり山のくりの木に植わっていた一本の栗の木が、ある日嵐で飛んで行ってしまいます。栗の木がなくなってしまいましたが、声のする方を見ると栗の木の森があったのです。実は最初にあった栗の木から落ちた栗が育っていたのです。終わる命・新しい命……切ない場面もありますが、一つの命が終わってもまた次の命へとつながっていく、暖かい命のバトンのお話です。
本当にあったお話『くりの木のこと』
著者 :島本 一男(作)/ひろかわ さえこ(絵)
出版社 :アリス館
園庭に新しい校舎を立てるため、伐採されることになった栗の木。でも、この栗の木は樹齢50年以上。園の子どもたちが長年親しんできた栗の木は、みんなの大好きな友だちでした。結局その木が切られてしまい、子どもたちはとても悲しみます。その後園長先生はどう子どもたちと向き合ったのでしょうか……。ある保育園の実際にあったお話です。
伐採の危機?『よこづなになったクリの木』
著者 :稲本 昭治(作)/大社 玲子(絵)
出版社 :文研出版
学校の帰り道、友だちのトシちゃんと広場にあるクリの実を落とそうとして、ヤスシは目にケガをしてしまいます。そのせいで危険なクリの木を切ってしまおうという話しが持ち上がります。小さな頃からみんなで遊んできたクリの木。自分のせいで切られてしまうクリの木をなんとか守ろうとしたヤスシが思いついたあることとは……。
そしてそのあと……「よこづなになった」ってどういうこと?
ヤスシやクリの木が大好きなみんなの気持ちが伝わるお話です。
栗について学ぶ『クリの絵本 (そだててあそぼう)』
著者 :荒木 斉(編)/川上 和生(絵)
出版社 :農山漁村文化協会
「そだてて遊ぼう」シリーズの『クリの絵本』。
なんと栗は、日本では縄文時代から食べ物や木材として使われていて、人々の生命を支えてきました。栗と日本人の関わりから栗の育て方まで、栗についてのさまざまな知識を得ることができる絵本です。
ニホングリの実に含まれる栄養素についての知識、イガがないものや赤いイガの物など、たくさんの種類がある栗の木の違いや見分け方などを覚えておけば、栗拾いのときに一目置かれること間違いなしです。